【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明に係る吸気装置10の第1の実施の形態を示したものである。
図において、先ず符号11は、乗用車などの車両(図示せず)に搭載された6気筒のエンジンであり、このエンジン11には、各気筒に混合気を導入するためのインテークマニホールド12を介してサージタンク13が接続されている。
【0007】
このサージタンク13は、混合気を一時的に溜めてインテークマニホールド12側に効率良く分配するものであり、このサージタンク13にはさらにブランチ管14を介してスロットルチャンバ15が接続されている。
また、このスロットルチャンバ15の上流側には、吸気ダクト16を介してエアクリーナ17が設けられており、さらにこのエアクリーナ17の上流側には、車両前方(車両外方)から冷たい外気(燃焼空気)を効率良く取り入れるための外気導入ダクト18が接続されている。
【0008】
そして、この外気導入ダクト18、エアクリーナ17、吸気ダクト16、スロットルチャンバ15、ブランチ管14、サージタンク13、インテークマニホールド12によって取り入れた外気をエンジン11側に導入する吸気導入路Lが構成されている。
また、この吸気導入路Lの上流端を構成する外気導入ダクト18の吸気口18aは車両前方に向けて配置されていると共に、その吸気口18aの近傍には、これを覆うように同じく車両前方に開口した、内部中空の導波管19が設けられており、さらにこの導波管19には2次音発生手段20が設けられている。
【0009】
この2次音発生手段20は、前記導波管19に前記吸気導入路Lで発生する吸気音のうち所定の周波数成分の音を消すと共に、他の所定の周波数成分の音を増幅するための2次音を発生する機能を発揮するものであり、具体的にはスピーカー20aと、このスピーカー20aから前記2次音を発生するための2次音発生回路(図示せず)と、このスピーカー20aの背面からの音漏れを防止すべくその背面側を覆うためのエンクロージャ20bとから構成されている。
【0010】
次に、このような構成をした本発明に係る吸気装置10の作用を説明する。
エンジン11を駆動すると、このエンジン11を加振源として吸気脈動が発生することになるが、この吸気脈動は、前記吸気導入路L、すなわちインテークマニホールド12、サージタンク13、ブランチ管14、スロットルチャンバ15、吸気ダクト16、エアクリーナ17を介して外気導入ダクト18に伝搬した後、その外気導入ダクト18先端の吸気口18aから吸気音として車外方向へ発音される。
【0011】
そして、このようにして発生した吸気音には、一般に人が不快と感じる周波数成分の音(以下、「不快音」という)と、人が心地よいと感じる周波数成分の音(以下、「快適音」という)が含まれていることから、前記エンジン11の駆動と同時または前後して、前記2次音発生手段20から前記「不快音」側を消音すると共に、前記「快適音」側を積極的に増幅するような性質を有する2次音を内部中空の導波管19内に発する。
【0012】
具体的には、前記2次音発生手段20の図示しない2次音発生回路によって、前記「不快音」に対しては、前記導波管19の開口部でその「不快音」と同レベル・逆位相となる2次音を発生するように前記スピーカー20aの出力を調整し、また、前記「快適音」に対しては、前記導波管19の開口部でその「快適音」を積極的に増幅する2次音を発生するように前記スピーカー20aの出力を調整する。
これによって、前記吸気導入路Lから放射される吸気音のなかの「不快音」を容易且つ効果的に消音できると共に、「快適音」を積極的に増幅させることができるため、周囲に不快な騒音をまき散らすことなく、気分を盛り上げてくれる快適なサウンドを積極的に発生することができる。
【0013】
次に、図2〜図5は、前記のような構成をした本発明の吸気装置10の各種変形例である、第2〜第5の実施の形態をそれぞれ示したものである。なお、これら第2〜第5の実施の形態においては前記第1の実施の形態の吸気装置10と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
先ず、第2の実施の形態は、図2に示すように前記2次音発生手段20のスピーカー20aの背面側を覆うためのエンクロージャ20b側に、両端が開口した副導波管21の一方の開口端21aを連通すると共に、その副導波管21の他方の開口端21bをエンジン11後方にある車室側に向けて配置したものである。
【0014】
そして、第1の実施の形態と同様に、前記エンジン11の駆動すなわち吸気音の発生と同時または僅かに前後して前記2次音発生手段20から前記「不快音」を消音すると共に前記「快適音」を積極的に増幅するような性質(周波数成分)を有する2次音を前記導波管19内に発すると、前記第1の実施の形態と同様に、周囲に不快な騒音をまき散らすことなく、気分を盛り上げてくれる快適なサウンドを積極的に発生することができる。
しかも、本実施の形態では、増幅された「快適音」が内部中空の副導波管21を介して車室側に効率的に伝搬するようになるため、車室側の乗員を主な対象として気分を盛り上げてくれる快適なサウンドを伝えることができる。また、このような「快適音」が車室側に伝搬する分車外へ放出される音が減るため、車外騒音をさらに抑制することができる。
【0015】
次に、第3の実施の形態は、図3に示すように前記外気導入ダクト18を覆っている前記導波管19の他端側を車室側に延長し、その延長端部に前記2次音発生手段20と副導波管21とを設けたものである。そして、車室側に位置する副導波管21の共鳴周波数(2次音発生手段20と副導波管21の車室側端部間で構成される中空間の共鳴周波数をいう、以下同じ)を、外気導入ダクト18側に位置する導波管19の共鳴周波数(2次音発生手段20と導波管19の吸気導入路L側端部間で構成される中空間の共鳴周波数をいう、以下同じ)より高い周波数になるようにしたものである。
【0016】
すなわち、前記吸気音のなかで一般に不快と感じる音(「不快音」)は、一般に心地よいと感じる音(「快適音」)よりも低周波数帯域側に多く存在していることが経験的に分かっている。
従って、このように副導波管21の共鳴周波数を、導波管19の共鳴周波数より高くなるように構成することにより、前記外気導入ダクト18の吸気口18aから放射される吸気音のなかの「不快音」(低周波数帯域の音)を導波管19の共鳴を利用して効率良く消音することができる。また、これと同時に前記吸気音のなかの「快適音」(高周波数帯域の音)を副導波管21の共鳴を利用して効率良く増幅することが可能となる。
【0017】
これによって、さらに不快な騒音を減少できると共に、気分を盛り上げてくれる快適なサウンドをより積極的に発生することができる。
また、本実施の形態において、副導波管21を介して車室側に発音される前記2次音発生手段20からの高周波の2次音として、導波管19側の共鳴周波数において発音効率が低下するものを選択すれば、導波管19側で低周波の「不快音」を消音するための低周波の2次音が副導波管21側から車室側に発音するのを抑制することができる。
【0018】
また、これと同様に、前記2次音発生手段20から導波管19側に発音される低周波の2次音として、副導波管21側の共鳴周波数において発音効率が低下するものを選択すれば、副導波管19側で高周波の「快適音」を増幅ための高周波の2次音が導波管19側から車外側に漏れてしまうのを抑制することができる。
次に、第4の実施の形態は、図4に示すように前記第3の実施の形態の構成における導波管19または副導波管21の長さなどを調節して、副導波管21の共鳴周波数を導波管19の2節共鳴周波数と略一致させるようにしたものである。
【0019】
すなわち、前記したように低周波の「不快音」の消音効率を高めるために、前記導波管19の1節共鳴周波数を前記第3の実施の形態よりもさらに低周波側に設定すると、導波管19の2節共鳴周波数が副導波管21側で増幅したい高周波域に現れてしまい、車室側に発音すべく「快適音」が、導波管19から車外に漏れてしまう。
そのため、本実施の形態のように副導波管21の共鳴周波数を導波管19の2節共鳴周波数と略一致させるようにすれば、副導波管21の共鳴作用により、本来導波管19の2節共鳴で高くなってしまう発音効率を低下させることができるため、低周波の「不快音」の大幅消音と高周波の「快適音」の増幅を1つの2次音発生手段20によって容易に実現することができる。
【0020】
次に、第5の実施の形態は、図5に示すように前記第1〜4の実施の形態の構成における2次音発生手段20を2つ、それぞれ独立させて導波管19に設けたものである。
そして、このように2次音発生手段20をペアで設けることにより、一方(メイン)の2次音発生手段20が故障してその機能を喪失した場合でも、もう一方(サブ)の2次音発生手段20が代わってその機能を発揮することができるため、装置の信頼性を向上することができる。
【0021】
なお、前記各実施の形態では、2次音を伝搬する導波管19を、吸気導入路L先端の外気導入ダクト18(の吸気口18a)の近傍に設けた例で示したが、この導波管19は、必ずしもこの部分に限られるわけでなく、その開口部が車両の外方向に向いていれば、吸気導入路Lの途中、例えば、吸気ダクト16に設けたものであっても良い。
また、この吸気導入路Lとは別に、前記導波管19と2次音発生手段20などからなる2次音発生装置22として構成すれば、大幅な設計変更や改良を施すことなく1つのオプションパーツなどとして既存の車両に対して前記と同様な機能を後付け付加することも可能となる。