【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する気相法炭素繊維は、BET比表面積が10〜50m
2/g、好ましくは12〜45m
2/g、より好ましくは15〜40m
2/gである。BET比表面積が50m
2/gより大きくなると、気相法炭素繊維の表面エネルギーや凝集エネルギーが大きくなり、繊維同士の付着・凝集力が強くなるため樹脂への分散性が低下する。さらに、樹脂と気相法炭素繊維の界面積が大きくなるので樹脂が十分に気相法炭素繊維を被覆することができなくなり、気相法炭素繊維の樹脂からの剥離確率が増大する。その結果、得られた樹脂組成物を成形したものは、分散不良による導電性低下のみならず機械的強度の低下を招くので好ましくない。
【0015】
本発明で使用する気相法炭素繊維の平均繊維径は50〜130nmである。平均繊維径が50nmより小さくなると表面エネルギーが指数関数的に大きくなり、繊維同士の凝集力が急激に増大する。このような気相法炭素繊維は、単純な混練では樹脂中に十分に分散させることができず、樹脂中に凝集物が点在し、効率的に導電ネットワークを形成することができない。また、このように分散不良により残留した凝集体は衝撃や荷重がかかったときに応力集中の場となり、樹脂組成物の破壊源となるので好ましくない。
【0016】
また、平均繊維径が130nmを超えると、所望の導電性を得るためにより多くの気相法炭素繊維を配合することが必要となり、機械的強度や他の物性に悪影響を及ぼす。その理由は、化学的気相成長法における気相法炭素繊維の成長機構にある。一般に数ナノメートルの触媒微粒子にカーボンが溶解・析出して先ず長さ方向に繊維が成長する(ホローチューブの成長)。この長さ方向の成長は反応のごく初期段階に終了するといわれている。続いて、このホローチューブの外壁にカーボンが析出、堆積することで繊維の径方向が成長する。つまり、この化学的気相成長法では反応初期に繊維の長さがほぼ決定し、反応時間で径の太さを決定しているのである。そのため、繊維の径が太くなるにしたがい自ずと気相法炭素繊維のアスペクト比が小さくなってしまうためである。
【0017】
樹脂中に凝集体を残存させることなく、分散させるために、混練時に大きなエネルギーを投入する方法がある。具体的には混練時の樹脂温度をできるだけ低くして、樹脂の溶融粘度を高くしたり、スクリュー回転数を大きくするなどのトルクを大きくする方法や、ニーディングディスクの形状を石臼状して高剪断力をかける方法などである。これらの分散機構は、ビーズミルなどの湿式粉砕方法にきわめて類似しており、凝集体を粉砕しながら微粒子化して、再凝集する力より大きな剪断力により粒子同士を引き離すという方法である。この方法を気相法炭素繊維により形成された凝集体に適用すると、気相法炭素繊維を短繊維化しながら凝集体を破壊して、破断した短気相法炭素繊維が樹脂中に分散・分配される。次項の気相法炭素繊維のアスペクト比でも言及するが、破断した短気相法炭素繊維は当然のことながら、粉砕前の高アスペクト比気相法炭素繊維が本来有する導電付与能力を失うので好ましくない。
【0018】
本発明で使用し、かつ本発明の組成物中に存在する気相法炭素繊維のアスペクト比は、65〜500である。好ましくは80〜300、より好ましくは100〜200である。
【0019】
樹脂に添加する気相法炭素繊維のアスペクト比を種々変えて検討を行った結果、アスペクト比を大きくすることにより、樹脂に付与される導電性はより高くなること、アスペクト比をより大きくしていくと次第にその向上効果が小さくなること、アスペクト比がある値以上になると逆に導電性等が低下し始め、多量の気相法炭素繊維の添加が必要になることが分かった。詳しく言及すると、アスペクト比が500以上の気相法炭素繊維になると繊維同士の絡まり合いが一層強くなり、繊維の破断が起きない範囲の剪断力では繊維を一本、一本を十分解すことが困難になる。そして、繊維同士による導電ネットワークの形成から凝集粒子間を繊維が橋渡しして導電性を発現するというように導電機構の変化が観察された。つまり、アスペクト比が500より大きくなると、樹脂中に残存する凝集粒子の割合が次第に大きくなり、効率的な導電のネットワークを形成することができなくなるので好ましくない。
【0020】
一方、気相法炭素繊維のアスペクト比が65より小さくなると、樹脂への分散性という観点においては非常に良好であるが、逆に繊維が拡散しすぎて繊維同士の接触を保持することが難しくなる。導電性の導電ネットワーク、つまり繊維同士の接触を形成・維持するために樹脂100質量部に対して20質量部以上の気相法炭素繊維を添加しなければならず、樹脂の流動性や引張強度の低下が顕著になるので好ましくない。
【0021】
本発明で使用する気相法炭素繊維の分岐度は0.3個/μm以下が好ましい。より好ましくは0.2個/μm以下、さらに好ましくは0.1個/μm以下である。
【0022】
繊維の分岐は、反応時、炭素繊維表面に触媒微粒子が不均一核生成したり、反応間空間中で均一核生成した触媒微粒子が炭素繊維表面に付着することにより、そこから木の枝が生えるかのように繊維が成長したものである。そのため、気相法炭素繊維の分岐度は反応時の原料濃度、触媒濃度の依存度が他の因子よりも大きい。そして、分岐度は繊維1μmあたりの分岐点の数として定義されるが、この分岐度が大きくなるにしたがい、繊維同士の相互作用が強くなり、凝集体を形成しやすくなる。気相法炭素繊維としては、できるだけ凝集体径が小さく、かつその量も少ない方が樹脂混練の際に気相法炭素繊維を均一に分散させるのに有利なことは明白である。その点において、気相法炭素繊維の分岐度が0.3個/μm(例えば、10μmの気相法炭素繊維に分岐点が3個ある)を超えると、炭素繊維同士が強固な凝集体を形成するため、少量の添加量で効率的な導電性付与が困難になるので好ましくない。
【0023】
本発明で使用する気相法炭素繊維のX線回折法による平均面間隔d
002は、好ましくは0.345nm以下、より好ましくは0.343nm以下、さらに好ましくは0.340nm以下である。
【0024】
合成により得られる気相法炭素繊維は、先に説明したようにホローチューブに平行にカーボンが堆積し、年輪状に径方向の成長を遂げる。そして、この年輪の間隔に相当するものを面間隔d
002と称している。反応直後ではホローチューブに堆積したカーボンのグラフェンは非常に乱雑に配置されており、また、炭素繊維表面も微視的には凹凸を有している。これを熱処理することでグラフェンの並び、及び炭素繊維表面を平坦に整えることができる。その結果、電子の移動度の増大や接触抵抗の低減を図ることができ、少量の炭素繊維の添加で樹脂に導電性の付与が可能となる。すなわち、平均面間隔d
002が0.345nmを超えるものは、結晶が十分発達していないので、平均面間隔d
002が0.340nm以下のような結晶化した気相法炭素繊維に比べて10倍以上抵抗率が大きいため、樹脂などに混合した際、炭素繊維/樹脂/炭素繊維間の電子の移動が困難となる。したがって、結晶が発達した気相法炭素繊維に比べ、2倍以上の量を樹脂に添加しなければ同程度の導電性を得ることができなくなり、その結果、組成物の流動性、力学強度の低下を招くこととなる。
【0025】
本発明で使用する気相法炭素繊維のラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm
-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm
-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)は、0.1〜1.3が好ましい。より好ましくは0.15〜1.2、さらに好ましくは0.2〜1.15である。
【0026】
先述の面間隔が炭素の積層構造に関する情報であるのに対して、ラマン散乱スペクトルの(Id/Ig)は炭素の面内方向の結晶性に対する情報を提供してくれる。ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm
-1に見られるラマンバンドはカーボンの結晶構造の乱れに起因するといわれ、一方、1570〜1578cm
-1に見られるラマンバンドはカーボンの結晶性に起因するといわれている。この両者の比は面内方向のグラフェンの規則的な配列の大きさを表す指標として用いられる。すなわち、この両者の比(Id/Ig)が小さくなればなるほどグラフェンで構成されるグラフェンシート内の欠陥が少ないということを表す。(Id/Ig)が1.3以上になるとグラフェンがランダムに継ぎはぎ状に配列していることを表し、π電子の移動が容易に起こらなくなってしまうので好ましくない。
【0027】
本発明で使用する上記の特性を有する気相法炭素繊維は、有機遷移金属化合物の存在下、炭素源(有機化合物)を熱分解することにより製造することができる。
気相法炭素繊維の原料となる炭素源(有機化合物)は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含む。遷移金属は、周期律表第4〜10の元素である。好ましい有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等が挙げられる。
熱分解反応雰囲気下で、遷移金属触媒粒子表面に吸着した水素などのガスを効率的に除去し、触媒活性を高めるための助触媒として、硫黄、チオフェンなどの硫黄化合物を用いることができる。
【0028】
水素などの還元性ガスをキャリアガスに用い、上記有機化合物と有機遷移金属化合物、及び硫黄化合物を800〜1300℃に加熱した反応炉へ供給し、熱分解反応させて炭素繊維を得る。
【0029】
原料の形態としては、芳香族炭化水素に有機遷移金属化合物及び硫黄化合物を溶解させたものや、500℃以下で気化させたものを用いることができる。しかし、液体原料の場合、反応管壁において原料の気化・分解が起き、反応管内に局所的に原料濃度分布が生じるため、生成した炭素繊維同士が凝集する傾向を示す。したがって、原料の形態としては、反応管中における原料濃度を一定化した気化原料が好ましい。
【0030】
遷移金属触媒と硫黄化合物助触媒との比(硫黄/遷移金属+硫黄)としては10〜35質量%が好ましい。10質量%以下の場合、触媒に吸着した水素を十分除去できないため、触媒への炭素源供給が阻害され炭素繊維以外の炭素粒子が発生するため好ましくない。また、35質量%以上の場合、触媒活性が高まり、繊維の分岐が増大したり、放射状に繊維が生成したりする等、繊維同士の相互作用が増加して強固な凝集体を形成するため好ましくない。
【0031】
繊維の分岐数及び凝集体のほぐれ具合は、合成時の原料濃度により決定される。すなわち、気相中の原料濃度が高いと、生成した繊維表面に触媒粒子の不均一な核が発生し、繊維表面からさらに繊維が生成し、樹氷状の繊維が形成される。また、高濃度で生成した繊維同士が絡み合い、容易にほぐすことができない。したがって、反応管中の原料供給量とキャリアガス流量の比は、1g/リットル以下が好ましく、0.5g/リットルがより好ましくは、さらに0.2g/リットルが好ましい。
【0032】
反応で生成した繊維表面に付着したタールなどの有機物を除去するために不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理することが好ましい。炭素繊維の導電率を向上させるためには、さらに不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、結晶を発達させることが好ましい。
【0033】
結晶を発達させるために使用する熱処理炉は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上の所望する温度に保持できる炉であればよく、通常の、アチソン炉、抵抗炉、高周波炉他の何れの装置でもよい。また、場合によっては、粉体または成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。
【0034】
熱処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ短い方が好ましい。長時間加熱を続けると、焼結し固まってくるので、製品収率も悪化する。従って、成形体等の中心部の温度が目標温度に達した後、その温度に10分〜1時間保持すれば十分である。
【0035】
気相法炭素繊維の結晶をさらに発達させ、導電性を向上させるために、不活性雰囲気下で2000〜3500℃で加熱する黒鉛化処理を行うことができる。その際に、炭化ホウ素(B
4C)、酸化ホウ素(B
2O
3)、元素状ホウ素、ホウ酸(H
3BO
3)、ホウ酸塩等のホウ素化合物を混合してもよい。
【0036】
ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するため一概に規定できないが、例えば炭化ホウ素(B
4C)を使用した場合には、気相法炭素繊維に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
【0037】
ホウ素化合物との熱処理により、気相法炭素繊維の炭素の結晶性が向上し、導電性が向上する。炭素繊維の結晶内あるいは結晶表面に含まれるホウ素量としては0.01〜5質量%がよい。炭素繊維の導電性や樹脂との親和性を改善するには、より好ましくは0.1質量%以上のホウ素が必要である。また、グラフェンシートに置換し得るホウ素量は3質量%程度であり、それ以上特に5質量%以上のホウ素はホウ素炭化物やホウ素酸化物として存在し、導電性の低下の要因となりうるので好ましくない。
【0038】
また、気相法炭素繊維と樹脂との親和性を向上させるために気相法炭素繊維を酸化処理して表面にフェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基を導入することもできる。さらに、シラン系あるいはチタネート系、アルミニウム系、リン酸エステル系のカップリング剤等により、表面処理を施してもよい。
【0039】
本発明の組成物においてマトリックスとして用いる合成樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー、硬化性エラストマー、合成ゴムからなる群より選ばれる1種または2種類以上の組み合わせが好ましい。
【0040】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン66、芳香族系ポリアミド、AS樹脂(アクリロ二トリル/スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリベンズイミダゾール及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0041】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アリルエステル樹脂、フラン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂からなる群より選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0042】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、PVC(ポリ塩化ビニル)及びニトリルゴムからなる群から選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0043】
硬化性エラストマーとしては、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合ゴム、エチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム及びブタジエンゴムからなる群より選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0044】
合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、塩素化ポリエチレンゴム及びアクリルゴムからなる群から選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせを用いることができる。
【0045】
以上の気相法炭素繊維を合成樹脂と混練する際には、気相法炭素繊維の破断を極力抑えることが好ましい。具体的には、気相法炭素繊維の破断率を20%以下に抑えることが好ましく、15%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。破断率は、混合・混練の前後での気相法炭素繊維のアスペクト比(例えば電子顕微鏡(SEM)写真像により測定)を比較することにより評価できる。
気相法炭素繊維の破断を極力抑えた混練を行うには、例えば、以下のような手法を用いることができる。
【0046】
一般に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に無機フィラーを溶融混練する場合、凝集した無機フィラーに高せん断力を加え、無機フィラーを破壊し、微細化して、溶融した樹脂中へ無機フィラーを均一に分散させる。高せん断力を発生させる混練機としては、石臼機構を利用したものや、同方向2軸押出機でスクリューエレメント中に高せん断力のかかるニーディングディスクを導入したものが数多く使用されている。しかし、このような混練機を使用すると、混練工程中に気相法炭素繊維が破断してしまう。また、せん断力の弱い単軸押出機の場合は、繊維の破断は抑えられるが、繊維の分散が均一にならない。したがって、繊維の破断を抑えながら、均一な分散を図るためには、ニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機でせん断力を低減したり、加圧ニーダーのような、高せん断力がかからなくて、時間を掛けて分散が達成できるものや、単軸押出機において特殊なミキシングエレメントを使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲で上限に設定することが望ましい。一般に樹脂温度が高くなるにしたがい、樹脂の溶融粘度は低下するのでフィラーにかかる剪断力を低減する作用を有している。
【0047】
また、気相法炭素繊維を混練機に投入する方法としては、溶融した樹脂または液体状の樹脂、具体的には溶融した合成樹脂または硬化により合成樹脂となる液状樹脂原料に気相法炭素繊維を導入する方法が好ましい。例えば、気相法炭素繊維と熱可塑性樹脂を同方向二軸押出機で混練する場合、混練機上流のホッパーに樹脂ペレットを投入し、スクリューで搬送された樹脂ペレットはヒータの加熱とスクリューの剪断発熱により溶融し、混練機中流より気相法炭素繊維を溶融した樹脂にサイドフィードし、溶融樹脂と気相法炭素繊維の混練を行う方法が好ましい。ホッパーから気相法炭素繊維と樹脂ペレットを同時に押出機へ投入すると、ペレットが溶融するまでの間に気相法炭素繊維のペレットによる粉砕が進行するため好ましくない。
【0048】
本発明で使用する気相法炭素繊維は、嵩比重として0.01〜0.1g/cm
3程度で空気を巻き込みやすいため、通常の単軸押出機や同方向二軸押出機では脱気が難しく、充填に困難を伴う。このような場合には、充填性が良好で、繊維の破断を極力抑える混練機として、バッチ式の加圧ニーダーを用いることができる。バッチ式加圧ニーダーで混練したものは、固化する前に単軸押出機に投入して、ペレット化することもできる。
【0049】
本発明の樹脂組成物は、合成樹脂に気相法炭素繊維を混合したメルトフローインデックス(MI;試験温度280℃、試験荷重21.18N)と気相法炭素繊維を入れない合成樹脂のメルトフローインデックス(MI
0;試験温度280℃、試験荷重21.18N)の比(MI/MI
0)が0.1以上であることが好ましい。好ましくは0.15以上、より好ましくは、0.2以上である。メルトフローインデックスの比が0.1以下になると流動性低下による外観不良が発生するので好ましくない。
【0050】
射出成形方法としては、一般的な射出成形法の他に、インサート射出成形法による金属部品、その他の部品との一体成形や、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形法等の各種成形法を用いることができる。射出成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力によって製品の表面抵抗値が変化するので、適切な条件を設定する必要がある。
【0051】
射出成形法における金型のキャビティより樹脂組成物を注入する際のゲート(注入口)としては、サイドゲート、フィルムゲート、サブマリンゲート、ピンゲート等を使用することができる。これらのゲートの断面積としては、0.2mm
2以上が望ましい。
中でも成形後にゲート処理が不要なピンゲートが生産性の点で望ましいが、その場合には、ピンゲートの直径が0.5〜3mm、特に1.0〜2.5mmであることが望ましい。ピンゲートのゲート直径は、樹脂が金型内に十分に充填できる範囲内であれば、小さい方が望ましく、一般的に0.2〜0.5mmである。しかしながら、ゲート径(断面積)が小さいと、ゲート部分を樹脂組成物が流れる際に、過度の剪断を受けるため、気相法炭素繊維による導電性ネットワークの破壊が起こりやすい。一方、ゲート径が大き過ぎると、成形体のゲート部の切れが悪化して仕上がりが悪くなる。
【0052】
また、本発明の樹脂組成物は流動性がよく金型の転写性が良好である。上述のようにゲートが比較的大きいと更に転写しやすくなる。かかる成形体の金型においては、パーティング面に対して80〜100度(垂直に近い)の角度を有する平面部位の表面が滑らかであることが望ましい。
【0053】
パーティング面に垂直に近い面の表面粗さが粗いと、これを樹脂が転写し、金型から製品を取出す際に必要な力が大きくなり、成形体の破損などの不具合が生じる。従って、このパーティング面に対して垂直に近い面の表面粗さは、カットオフ波長2.5mmの測定における10点平均粗さ(Rz)で10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
【0054】
気相法炭素繊維を合成樹脂に混合した本発明の導電性樹脂組成物は、(1)導電性ゴム、燃料チューブ、帯電防止ホースまたは中空成形品、(2)静電塗装される自動車用外板または外装部品、(3)導電性塗料、導電性接着剤、帯電防止塗料または帯電防止用接着剤、(4)ICトレイ等の半導体部品搬送トレイ、HDトレイまたはHDヘッドトレイ、(5)IC部品包装体、キャリアテープ、スピンチャック等の半導体製造工程部材またはCPU用テストソケット、(6)帯電ロールなどに好ましく使用することができる。
【0055】
本発明の導電性樹脂組成物を導電性ゴムに用いる場合の詳細について以下に説明する。
走行時タイヤや車体で発生する静電気が車内に蓄積、放電が起きると、車内の電子機器制御系あるいはオーディオ系に悪影響を及ぼすことがあった。また、燃料周りの配管系で同様な現象が発生すると燃料への引火、火災の重大問題に発展してしまう。従来、自動車用のタイヤや燃料系のチューブには静電気を散逸させる目的で高比表面積のカーボンブラックなどをゴムに混ぜ込む方法が採られてきた。しかし、カーボンブラックの充填により体積固有抵抗10
6Ωcm以下の導電性を得ようとすると、ゴムの柔軟性が損なわれ、亀裂が発生しやすいという問題があった。
乗用車の高性能化、高速化によりタイヤにかかる負荷がますます大きくなり、走行時のタイヤの摩擦による発熱がタイヤの耐久性に及ぼす影響がより大きくなっている。つまり、走行中のタイヤ表面温度の上昇とともにゴムの強度が低下してしまう問題がある。従来は無機フィラーをゴムに添加し、ゴムの機械的強度を補強する方法が採用されてきたが、走行時の摩擦熱を散逸させるのには不十分であった。
【0056】
樹脂の力学的物性に悪影響を及ぼすことなく静電気散逸性と熱拡散性を付与するためには、用いる気相法炭素繊維としては高アスペクト比でかつ結晶性が長さ方向に十分に発達していることが重要であることを見出した。したがって、導電性フィラーに比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmであり、長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下である気相法炭素繊維を用いることで導電性と熱伝導性を兼ね備えた導電性樹脂組成物が作製可能となった。
【0057】
導電性ゴムを作製するためには、比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmである気相法炭素繊維を合成樹脂100質量部に対し5〜13質量部含有していることが望ましい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し6〜11質量部、より好ましくは合成樹脂100質量部に対し7〜10質量部含有する。
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、導電ネットワーク及び熱伝導ネットワークの形成し難くなり、体積固有抵抗10
6Ωcm以下の導電性と0.8W/mKの熱伝導性を両立することが不可能となる。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し12質量部より大きくなると、ゴムが硬くなり亀裂が生じやすくなるという問題がある。
【0058】
本発明では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。付加的成分の例を以下に挙げる。無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、ワラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維など)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、カーボンブラック等の着色剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
【0059】
導電性ゴムは、バンバリーミキサー、インターミキサー、ロール、加圧ニーダー等の混練り機を用いて混練することができ、射出成形または射出圧縮成形またはプレス成形または押出成形の方法で成形することができる。
【0060】
本発明の導電性樹脂組成物を静電塗装に有用な成形体に用いる場合の詳細について以下に説明する。
自動車のバンパー、フェンダー等外板としては、これまでの金属製に代わって成形加工が容易で軽量の樹脂製のものが用いられている。しかし、樹脂には静電塗装に必要な導電性がないため、樹脂成形物に導電性プライマーを塗布して表面に導電性を付与したり、樹脂にカーボンブラックなどの導電性フィラーを混ぜ込んで導電性を持たせて静電塗装に供している。前者の方法に用いられるプライマーは、有機溶剤を溶媒として含むため、排出VOCの原因となり、環境負荷を増大させている。近年では環境負荷を低減させるために後者の方法が盛んに検討されている。しかし後者の方法においても、例えば、カーボンブラックを樹脂に配合すると、樹脂のアイゾッド衝撃強度や伸び、流動性が低下する欠点があり、また、導電性を安定化させるためにカーボンブラックの添加量を多くすると、これら物性はさらに低下する問題がある。
【0061】
熱可塑性樹脂組成物に導電性フィラーを添加したときの耐衝撃性の低下を抑えるためには、樹脂/フィラー界面積を小さくすることが重要であることを見出した。したがって、導電性フィラーに比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmであり、長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下である気相法炭素繊維を用いることで耐衝撃性と導電性を兼ね備えた導電性樹脂組成物が作製可能となった。
【0062】
静電塗装に有用な導電性樹脂組成物を作製するためには、気相法炭素繊維を合成樹脂100質量部に対し5〜13質量部含有していることがいい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し6〜11質量部、より好ましくは合成樹脂100質量部に対し7〜10質量部含有する。
【0063】
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、導電ネットワークが形成し難くなると同時に僅かな成形条件の違いによりマトリックス中の繊維分布が変化してしまう問題がある。その結果、成形体表面の抵抗値にバラツキが生じ、均一な塗装、外観を得ることが困難となる。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し12質量部より大きくなると、樹脂組成物の流動性が低下し、成形体表面の粗さが大きくなり外観を損なったり、成形体の耐衝撃性が著しく低下する問題がある。
【0064】
本発明では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。付加的成分の例を以下に挙げる。無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、ワラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維など)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、カーボンブラック等の着色剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
【0065】
溶融混練としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、加圧ニーダー等の通常の混練機を用いて混練することができる。より好ましくは、剪断力を低減するためにニーディングディスクを使用しない同方向二軸押出機や高剪断力のかからない加圧ニーダーや、特殊なミキシングエレメントを配した単軸押出機を使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲で上限に設定することが望ましい。一般に樹脂温度が高くなるにしたがい、樹脂の溶融粘度は低下するのでフィラーにかかる剪断力を低減する作用を有しているためである。
【0066】
本発明の導電性樹脂組成物を半導体搬送容器に用いる場合の詳細について以下に説明する。
近年、分子状の汚染物質がデバイス特性や製造上のトラブルに大きな影響を及ぼすことがわかってきた。半導体搬送容器はポリマーにより構成されているため、それから発生するガスは深刻なデバイス汚染源である。この問題を解決するためにガスを発生しない部材の使用が検討されている。
【0067】
他方、静電気を嫌う半導体部品の搬送容器には帯電しにくい、帯電したとしても放電することなく速やかに取り除くための電気伝導性が必要である。樹脂に混合する導電性フィラーとしては、金属微粉末、炭素繊維、カーボンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックは、混練条件等の検討により均一に分散させることが可能である。しかし、安定した表面固有抵抗値を得るためにカーボンブラックを多量に添加する必要があるだけでなく、得られる成形品の表面がきっかきや摩耗に対して弱く、摩耗粉やカーボン粒子の脱落が生じやすいという問題がある。
従来、磁気ヘッドトレーにはポリカーボネート/炭素繊維系材料が使用されてきたが、この材料は次のような欠点を有していた(特開平8−288266号公報、特表平8−508534号公報、特開平8−283584号公報参照)。
【0068】
a.一般に炭素繊維では、収束剤や表面処理剤が使用される。これらの処理剤は洗浄液中へのイオン溶出や、加熱時にデポジットする(アウトガス)という問題がある、
b.半導体デバイスを純水により超音波洗浄する工程等において、容器表面から炭素繊維自体が脱落したり、炭素繊維間の樹脂成分が剥がれ落ちたりする。このようなパーティクルの脱落は半導体デバイスを汚染、損傷させるだけでなく、ハードディスクドライブの使用時にヘッドとハードディスク間の異物としてヘッドクラッシュを引き起こす危険性がある。
c.成形体内部における炭素繊維同士の接触状態が不安定となり、均一な抵抗値が得難い。
【0069】
有機物汚染ガス発生量及び吸水量を抑え、体積固有抵抗値が10
8Ωcm以下の安定した抵抗値を有する導電性樹脂組成物を提供するためには、樹脂と混合する原料にガスが吸着するサイトができるだけ小さく、さらに、十分な脱ガス、脱水工程を経た材料を用いなければならない。前述の要求を満たすのが本発明に用いられる比表面積が小さく、且つ高温の熱処理履歴を経た気相法炭素繊維である。
【0070】
本発明で使用する樹脂は、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれ、かつ80℃で30分間加熱したときの総発生ガス量が4ppm以下であれば特に限定されない。ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリアミドからなる群から選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせである。
【0071】
半導体関連部品搬送容器を作製するためには、気相法炭素繊維を合成樹脂100質量部に対し5〜13質量部含有していることがいい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し6〜11質量部、より好ましくは合成樹脂100質量部に対し7〜10質量部含有していることが望ましい。
【0072】
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、導電ネットワークが形成し難くなると同時に僅かな成形条件の違いによりマトリックス中の繊維分布が変化してしまう問題がある。例えば、射出成形によりキャリヤを成形する際の圧力分布、温度分布により成形体中の繊維分布が変化し、表面抵抗にムラが生じてしまう。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し12質量部より大きくなると、樹脂組成物の流動性が低下し、キャリヤ表面の粗さが大きくなるので好ましくない。
【0073】
合成樹脂に気相法炭素繊維を溶融混合する方法としては、剪断力を低減するためにニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機や、特殊なミキシングエレメントを配した単軸押出機を使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲で上限に設定することが望ましい。一般に樹脂温度が高くなるにしたがい、樹脂の溶融粘度は低下するのでフィラーにかかる剪断力を低減する作用を有している。しかし、樹脂温度が高くなるにしたがい高分子鎖が切断され、ポリマーの低分子化が進行する。低分子化したポリマーはアウトガス成分になるので、合成樹脂が分解しない上限温度で混練することが好ましい。
【0074】
本発明の導電性樹脂組成物をキャリアテープなどIC部品包装体に用いる場合の詳細について以下に説明する。
IC等の精密半導体部品を静電気による破壊から守るために、部品容器、製造場所の床材等に導電性の樹脂が使用されている。IC容器の抵抗値としては10
6〜10
12Ωcmが好ましい。IC容器の抵抗値が低すぎる場合、蓄えられた静電気が急激にIC容器に移動し、放電現象が発生する。それがもとにIC部品がショートしてしまうからである。そのため電子部品容器には帯電したICから静電気を緩やかに除去することが必要となる。さらに、外圧による破損を防止するために機械的強度も要求される。
【0075】
電気絶縁性である樹脂に導電性を付与する方法として、カーボンブラックなどの導電性フィラーを添加する方法がある。しかし、樹脂と混練したときのカーボンブラックの含有率のわずかなズレや分散性の違いで抵抗値が大きく変動する問題がある。その理由は、一次粒子のサイズが数十nmであり、凝集力が強いため常に凝集体のない均一に分散させることが難しく、分散の再現性が得られないことが原因である。
【0076】
体積固有抵抗が10
6〜10
12Ωcmの範囲で且つ、成形体内の抵抗値のバラツキを(最大値/最小値)<10以下に収めるには比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmであり、長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下である気相法炭素繊維と平均粒径1〜10μmのカーボン粉末の混合導電性フィラーを用いることで作製可能となった。
【0077】
本発明に用いられるカーボン粒子は、平均粒径1〜10μmでかつX線回折法のd
002が0.345nm以下である。好ましくは平均粒径2〜8μmでかつX線回折法のd
002が0.344nm以下である。より好ましくは平均粒径3〜6μmでかつX線回折法のd
002が0.343nm以下である。
【0078】
カーボン粒子の平均粒径が1μm以下の場合、導電性に付与の効果は変化しないが樹脂組成物の流動性が低下してしまうため好ましくない。平均粒径が10μm以上になると例えば薄膜状のフィルムを成形する場合、フィルム表面に粒子の凹凸が反映されたり、局所的な帯電が生じるので好ましくない。また、X線回折法のd
002が0.345nm以上になるとグラファイト結晶が十分発達していないため粒子—粒子間、粒子—繊維間の電子の移動が困難となり、体積固有抵抗を10
12Ωcm以下にすることができなくなるので好ましくない。
【0079】
本発明で使用する樹脂は、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる。具体的には、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリアミドからなる群から選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせである。
【0080】
IC部品包装体を作製するためには、比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmである気相法炭素繊維を合成樹脂100質量部に対し1〜5質量部含有していることが望ましい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し1.5〜4.5質量部、より好ましくは2〜4質量部含有していることがいい。
【0081】
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し1質量部より小さくなると、導電ネットワークの形成が困難となる。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より大きくなると10
6〜10
10Ωcmの範囲を脱して、抵抗値が低下しすぎるため好ましくない。
【0082】
IC部品包装体を作製するためには、カーボン粒子を合成樹脂100質量部に対し5〜25質量部含有することが望ましい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し8〜22質量部含有、より好ましくは合成樹脂100質量部に対し10〜20質量部含有していることがいい。
【0083】
カーボン粒子の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、混練条件、成形条件の変動により抵抗値のバラツキを(最大値/最小値)<10以下に収めることが困難となる。一方、カーボン粒子の含有量が合成樹脂100質量部に対し25質量部より大きくなると、組成物の流動性が低下し、成形体表面に凹凸が発生するので好ましくない。
【0084】
合成樹脂に気相法炭素繊維を溶融混合する方法としては、剪断力を低減するためにニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機や高剪断力のかからない加圧ニーダーや、特殊なミキシングエレメントを配した単軸押出機を使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲で上限に設定することが望ましい。一般に樹脂温度が高くなるにしたがい、樹脂の溶融粘度は低下するのでフィラーにかかる剪断力を低減する作用を有している。しかし、樹脂温度が高くなるにしたがい高分子鎖が切断され、ポリマーの低分子化が進行する。低分子化したポリマーはアウトガス成分になるので、合成樹脂が分解しない上限温度で混練することが好ましい。
【0085】
本発明の導電性樹脂組成物を帯電ロールに用いる場合の詳細について以下に説明する。
近年、複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタやファクシミリ等では装置寿命の向上などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写し、それを印刷シート上に定着させる方式が検討されている。中間転写ベルトとして使用される半導電性の樹脂組成物の要求性能は、優れた耐久性(特にベルト回転での端縁部への亀裂と摺動摩耗の発生に対する)と電気抵抗の安定性が挙げられる。
【0086】
画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレートのブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体等の熱可塑性樹脂に体積抵抗率が10
2〜10
10Ωcmの炭素前駆体と体積抵抗率10
2Ωcm以下の導電性充填材を併用してなる半導電性樹脂組成物が提案されている。
【0087】
体積固有抵抗10
15Ωcmの樹脂と10
-4〜10
2Ωcm程度の導電性フィラーを混合した場合、ある導電性フィラー添加量で複合体の抵抗値が10
15〜10
2Ωcmへ急激に低下するパーコレーション現象が見られる。そのため高導電性フィラーを樹脂に充填して半導電性(10
6〜10
12Ωcm)に抵抗値をコントロールすることは困難であった。例えば、体積抵抗率が10
2〜10
10Ωcmの炭素前駆体を用いた場合、導電性フィラーの添加量に対して抵抗率の低下度合いが緩和され、導電性をある範囲でコントロールすることが可能となった。ただし、炭素前駆体自体の導電性が悪いため、10
6〜10
12Ωcmの導電性を得るために樹脂にフィラーを高充填しなければならず、その結果、樹脂組成物の流動性、成形加工性が低下するだけでなく、ロール成形物の引張伸びが低下する問題があった。
【0088】
成形体面内の抵抗値のバラツキ(最大値/最小値)<10以下であり、かつ成形体の伸びがフィラー無添加合成樹脂の23℃における引張破断伸びがフィラー無添加樹脂の80%以上保持するためには、比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmであり、長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下の気相法炭素繊維と平均粒径1〜10μmのカーボン粉末の混合導電性フィラーを用いることで作製可能となった。
【0089】
本発明に用いられるカーボン粒子は、平均粒径1〜10μmでかつX線回折法のd
002が0.345nm以下である。好ましくは平均粒径2〜8μmでかつX線回折法のd
002が0.344nm以下である。より好ましくは平均粒径3〜6μmでかつX線回折法のd
002が0.343nm以下である。
【0090】
カーボン粉末の平均粒径が1μm以下の場合、導電性に付与の効果は変化しないが樹脂組成物の流動性が低下してしまうため好ましくない。平均粒径が10μm以上になると例えば薄膜状のフィルム成形物の表面に粒子の凹凸が反映されたり、局所的な帯電が生じるので好ましくない。また、X線回折法のd
002が0.345nm以上になるとグラファイト結晶が十分発達していないため粒子−粒子間、粒子−繊維間の電子の移動が困難となるので好ましくない。
【0091】
本発明で使用する樹脂は、ガラス転移温度100℃以上及び/または融点200℃以上の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる。具体的には、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、芳香族ポリアミドからなる群から選ばれる1種、または2種類以上の組み合わせである。
【0092】
帯電ロールを作製するためには、比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmの気相法炭素繊維を合成樹脂100質量部に対し1〜5質量部含有していることが望ましい。好ましくは合成樹脂100質量部に対し1.5〜4.5質量部、より好ましくは2〜4質量部含有していることがいい。
【0093】
気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し1質量部より小さくなると、導電ネットワークの形成が困難となる。一方、気相法炭素繊維の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より大きくなると10
6〜10
10Ωの範囲を脱して、抵抗値が低下しすぎるため好ましくない。
【0094】
帯電ロールを作製するためには、比表面積が10〜50m
2/g、平均アスペクト比が65〜500、平均繊維径が50〜130nmである気相法炭素繊維とカーボン材料からなる導電剤を合成樹脂100質量部に対し10〜30質量部含有することが望ましい。より好ましくは合成樹脂100質量部に対し12〜25質量部、さらに好ましくは合成樹脂100質量部に対し15〜20質量部含有させる。
【0095】
カーボン粒子は合成樹脂100質量部に対し5〜25質量部含有することが望ましい。より好ましくは合成樹脂100質量部に対し8〜22質量部、さらに好ましくは合成樹脂100質量部に対し10〜20質量部含有させる。
【0096】
カーボン粒子の含有量が合成樹脂100質量部に対し5質量部より小さくなると、混練条件、成形条件の変動により抵抗値のバラツキを(最大値/最小値)<10以下に収めることが困難となる。一方、カーボン粒子の含有量が合成樹脂100質量部に対し25質量部より大きくなると引張特性が急激に低下し、さらに亀裂が生じやすくなるので好ましくない。
【0097】
溶融混練としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、加圧ニーダー等の通常の混練機を用いて混練することができる。より好ましくは、際には、剪断力を低減するためにニーディングディスクを使用しない同方向二軸押出機や高剪断力のかからない加圧ニーダーや、特殊なミキシングエレメントを配した単軸押出機を使用することが望ましい。さらに、混練時の樹脂温度は樹脂が分解しない温度範囲あるいは硬化しない上限に設定することが望ましい。
【実施例】
【0098】
以下、本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものでない。
実施例及び比較例に使用した気相法炭素繊維は以下の方法により作製した。
【0099】
(1)気相法炭素繊維1(VG1)
ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を300℃に設定した蒸発器に供給し、気化させる。この気化した原料ガスをキャリア水素ガスにより1200℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は8g/分、水素流量は80リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
【0100】
(2)気相法炭素繊維2(VG2)
ベンゼンとフェロセンとチオフェンを質量比92:7:1の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液を400℃に設定した蒸発器に供給し、気化させる。この気化させた原料ガスをキャリア水素ガスにより1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に供給した。このときの原料供給量は10g/分、水素流量は60リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
【0101】
(3)気相法炭素繊維3(VG3)
気相法炭素繊維2(VG2)と同様の反応でしたものをアルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成し、黒鉛化処理を実施しなかった。
【0102】
(4)気相法炭素繊維4(VG4)
ベンゼンとフェロセンと硫黄を質量比96:2:2の割合で混合し、原料液を調製した。この原料液をキャリア水素ガスにより1250℃に加熱したSiC製反応炉(内径120mm、高さ2000mm)に噴霧角度80°で供給した。このときの原料供給量は70g/分、水素流量は60リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物80gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
【0103】
(5)気相法炭素繊維5(VG5)
800℃に加熱した横型の石英製反応管(内径60mm、長さ1000mm)に直径2nmの鉄超微粒子を担持したアルミナ粒子をアルミナボートにセットし、エチレンガスと水素の混合ガスを30分間供給した。このときのエチレンガスと水素の流量はそれぞれ2リットル/分及び1リットル/分である。
上記方法で得られた反応生成物20gを黒鉛製坩堝(内径100mm、高さ150mm)に充填し、アルゴン雰囲気中1000℃で1時間焼成した後、アルゴン雰囲気中3000℃で30分黒鉛化した。
【0104】
VG1〜5の物性を以下の通りに測定し、その結果を表1に示す。
(i)平均繊維径:走査型電子顕微鏡の3万倍像を30視野分撮影し、画像解析装置(ニレコ社製LUZEX−AP)により300本の繊維径を計測して、数平均の平均繊維径として求めた。
(ii)平均繊維長:走査型顕電子顕微鏡の3千倍像を連続的にパノラマ状に30視野分撮影し、画像解析装置により300本の繊維長を計測して、数平均繊維長として求めた。
(iii)アスペクト比:平均繊維長/平均直径により求めた。
(iv)繊維の分岐度:前記繊維長の観察において、Σ繊維300本中の総分岐数/Σ繊維300本の総繊維長を計算し、繊維1μmあたりの分岐数として求めた。
(v)BET比表面積:窒素ガス吸着法(ユアサアイオニクス社製NOVA1000)により測定した。
(vi)平均面間隔d
002:Siを内部標準とし粉末X線回折(理学社製Geigerflex)により計測した。
(vii)ラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm
-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm
-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig):ラマン分光測定装置(Jobin Yvon社製 LabRamHR)により測定した。
【0105】
【表1】
【0106】
そのほか実施例及び比較例に使用した成分は以下の通りである。
・カーボンブラック
KB(ケッチェンブラック)EC600JD:ライオン(株)製、比表面積800m
2/g。
【0107】
・樹脂
ポリカーボネート樹脂(PC):三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロン(登録商標)H3000。
変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m−PPE):日本GEプラスチックス社製ノリル(登録商標)534。
【0108】
実施例1〜8,比較例1〜10
原料成分を表2に示す配合量にしたがい混練した。混練は同方向二軸押出機(池貝社製PCM30、樹脂温度:270℃)を用い、気相法炭素繊維はサイドフィードにより導入した。
成形は、サイキャップ型締力75トン射出成形機(住友重機社製)を使用して、平板(100×100×3mm厚)、引張試験片、アイゾッド試験片及びトレイを成形した。成形温度は280℃、金型温度100℃、射出スピード50mm/秒の条件で成形を実施した。
この成形体について、繊維破断率、メルトフローインデックス(MI)、体積固有抵抗、熱伝導率、引張破断伸び比率、ノッチ付アイゾッド衝撃値及びアウトガスを以下の通りに測定し、その結果を表2に併せて示す。
【0109】
(i)繊維破断率:混練した樹脂組成物をニッケル坩堝に約1g入れ、それを加熱炉に入れ、空気中、480℃で1時間熱処理して樹脂組成物から気相法炭素繊維を回収した。回収した繊維の繊維長を原料の繊維長測定法と同様の方法で計測した。
炭素繊維の破断率(%)={1−(組成物成形品の炭素繊維の繊維長/原料の
気相法炭素繊維の繊維長)}×100
【0110】
(ii)メルトフローインデックス(MI):JIS K7210に準拠して測定した。すなわち、宝工業社製メルトインデクサを用い、試験温度280℃、試験荷重21.18Nで測定した。
【0111】
(iii)体積固有抵抗:10
8Ωcm以下は四探針法(三菱化学社製Loresta HP MCP−T410)にて測定を行い、10
8Ωcm以上は絶縁抵抗計(アドバンテスト社製高抵抗計R8340)にて測定を行った。
【0112】
(iv)熱伝導率:熱線法(京都電子工業社製迅速熱伝導率計)を用いて測定した。
【0113】
(v)引張破断伸び比率:JIS K7210に準拠して測定した。すなわち、射出成形した1号形試験片を試験機(東洋ボールドウィン社製万能型引張試験機UTM5T)の可動部及び固定部に保持し、5mm/分の速度で可動部を降下させて試験を行った。
【0114】
(vi)ノッチ付アイゾッド衝撃値:JIS K7110に準拠し以下の条件で測定した。
【0115】
(vii)アウトガス:アウトガスの測定方法は、トレイより分析サンプルとして22mm×10mm×3mmのサンプルを2ピース(総表面積12.6cm
2)切り出して、内部標準物質としてn−オクタンを10μL添加した容量22mLのバイアル中で、加熱温度85℃、平衡時間16時間の条件でガスを抽出した。バイアル中に発生したガスをガスクロマトグラム(GC/MS)にて測定した。このときの測定条件は以下の通りである。
装置:島津製作所社製「GC/MS QP5050」、
カラム:CHROMPAK PORAPLOT Q 0.32mm×25m、
カラム温度:35〜240℃(10℃/min)、
注入口温度:230℃、
インターフェース温度:280℃、
トレイガス:ヘリウム、
注入口圧力:100KPas、
全流量:60mL/min、
注入量:2mL。
総アウトガス量、塩化メチレン発生量及びn−ヘプタン発生量の算出方法は以下の通りである。
総アウトガス量(μg/g)=(サンプル総ピーク面積−ブランク総ピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))
塩化メチレン発生量(μg/g)=(塩化メチレンピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))、
ヘプタン発生量(μg/g)=(ヘプタンピーク面積)/(n−オクタンのピーク面積/n−オクタンの質量(g))×1/(サンプル質量(g))。
【0116】
【表2】