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書誌情報  要約  特許請求の範囲  発明の詳細な説明  図面の簡単な説明  図面

 【書誌情報】

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2006-182192(P2006-182192A)
(43)【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
(54)【発明の名称】騒音制御装置及び騒音制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R  11/02     (2006.01)
   G10K  11/178    (2006.01)
【FI】
   B60R  11/02          B
   G10K  11/16          H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2004-377890(P2004-377890)
(22)【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100087365
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敏行
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 政康
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】赤松 博道
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】榎本 俊夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【テーマコード(参考)】
3D020
5D061
【Fターム(参考)】
3D020BA02
3D020BC01
3D020BD05
3D020BE04
5D061FF02

 要約

(57)【要約】
【課題】運転者がエンジン音から車内挙動を把握することを可能にする。
【解決手段】2次正弦波生成器4が、エンジン2の回転に伴い生成するエンジン音内に含まれる2次音の反転成分を2次低減音として生成し、運転席側スピーカ10が、2次低減音を出力する。これにより、エンジン音内に含まれる2次音と2次低減音が干渉することによって、車両の運転席近傍では2次音のみが低減されるので、車両を運転する際、運転者は、4次音からエンジンの回転数を直感的に把握することができ、不安感を感じたり、運転がし辛く感じたりすることがない。また、車両の運転を楽しもうとしている場合であっても、運転者は、4次音は聞き取ることができるので、物足りなさを感じることがない。
【選択図】図1

 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のエンジン音内に含まれる低次の周波数を有する低次音成分を生成し、生成された低次音成分の反転信号を低次低減音として出力する低次低減音生成手段と、
前記低次低減音生成手段から出力された低次低減音を出力し、エンジン音と低次低減音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる低次音を低減する低次低減音出力手段と
を備えることを特徴とする騒音制御装置。
【請求項2】
車両のエンジン音内に含まれる高次の周波数を有する高次音を生成し、生成された高次音を高次増幅音として出力する高次増幅音生成手段と、
前記高次増幅音生成手段から出力された高次増幅音を出力し、エンジン音と高次増幅音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる高次音を増幅する高次増幅音出力手段と
を備えることを特徴とする騒音制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の騒音制御装置であって、
前記低次低減音出力手段又は高次増幅音出力手段は車両の前席近傍に設けられていることを特徴とする騒音制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置であって、
前記エンジン音と低次低減音又は高次増幅音の誤差音声信号を集音する集音手段と、
前記集音手段により集音された誤差音声信号に従って低次低減音又は高次増幅音の空間伝達特性をフィードバック制御する制御手段と
を備えることを特徴とする騒音制御装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の騒音制御装置であって、
車両の後部座席近傍に設けられた後部座席側出力手段を備え、
前記高次増幅音生成手段は、生成された高次音の反転信号を高次低減音として出力し、
前記後部座席用出力手段は、前記低次低減音生成手段から出力された低次低減音と前記高次増幅音生成手段から出力された高次低減音を出力すること
を特徴とする騒音制御装置。
【請求項6】
車両のエンジン音内に含まれる低次の周波数を有する低次音成分を生成し、生成された低次音成分の反転信号を低次低減音として出力するステップと、
前記エンジン音と低次低減音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる低次音を低減するステップと
を有することを特徴とする騒音制御方法。
【請求項7】
車両のエンジン音内に含まれる高次の周波数を有する高次音を生成し、生成された高次音を高次増幅音として出力するステップと、
前記エンジン音と高次増幅音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる高次音を増幅するステップと
を有することを特徴とする騒音制御方法。

 発明の詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの回転に起因する騒音を低減する騒音制御装置及び騒音制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載され、エンジンの回転に伴って発生する振動騒音を能動的に制御することにより振動騒音を低減する振動騒音制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。そして、このような振動騒音制御装置によれば、振動騒音が低減されることにより、静かで快適な車内環境を実現することができる。
【特許文献1】特開平7−30347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来までの振動騒音制御装置は、エンジンの回転に伴って発生する振動と併せてエンジン音も低減するために、運転者は、エンジン音からエンジン回転数を把握することができず、車両の加速感や減速感を感じにくい。従って、従来までの振動騒音制御装置によれば、運転者がエンジン音から車内挙動を把握することが困難になる。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者がエンジン音から車内挙動を把握することが可能な騒音制御装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る騒音制御装置及び騒音制御方法は、車両のエンジン音内に含まれる低次の周波数を有する低次音成分を生成し、生成された低次音成分の反転信号を低次低減音として出力し、エンジン音と低次低減音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる低次音を低減する。
【0006】
また、本発明の第1の態様に係る騒音制御装置及び騒音制御方法は、車両のエンジン音内に含まれる高次の周波数を有する高次音を生成し、生成された高次音を高次増幅音として出力し、エンジン音と高次増幅音を干渉させることにより、エンジン音内に含まれる高次音を増幅する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る騒音制御装置及び騒音制御方法によれば、運転者が不快に感じやすい低次音が相対的に低減される一方で高次音については相対的に強調されるので、車両を運転する際、運転者はエンジン音から車内挙動を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一般に、エンジンの回転に伴い発生するエンジン音の中には、燃焼状態に応じて不規則に変化する不明瞭な低次周波数成分(低次音)と、エンジンの回転に同期して規則的に変化する明瞭な高次周波数成分(高次音)が含まれる。具体的には、4気筒エンジンの場合、図1(a)に示すように、回転に伴い発生するエンジン音の中には、2次音及び4次音がそれぞれ低次周波数成分及び高次周波数成分として含まれ、6気筒エンジンの場合には、図1(b)に示すように、1.5次音及び3次音がそれぞれ低次周波数成分及び高次周波数成分として含まれる。なお、本明細書において、「n次音」とは、エンジンの回転数のn倍の周波数を有するエンジン音のことを意味する。そして、運転者は、低次周波数成分は不快に感じやすく、逆に高次周波数成分は心地よく感じやすい。
【0009】
そこで、本願発明の発明者らは、このような知見に基づいて精力的な研究を重ねてきた結果、以下に示すように騒音制御装置を構成することにより、車両を運転する際、運転者に不安感を感じさせたり、運転がし辛く感じさせたり、物足りなさを感じさせたりすることなく、エンジン音を低減することができるという技術的思想を想到するに至った。以下、図面を参照して、本発明の一実施形態となる騒音制御装置の構成及び動作について説明する。
【0010】
〔騒音制御装置の構成〕
本発明の一実施形態となる騒音制御装置1は、4気筒エンジン(以下、エンジンと略記)2により駆動される車両に備えられ、図2に示すように、回転数検出器3と、2次正弦波生成器4と、4次正弦波生成器5と、180度移相器6と、適応フィルタ7a,7bと、D(Digital)/A(Analog)変換器8a,8bと、増幅器9a,9bと、運転席側スピーカ10と、後部座席側スピーカ11を備える。
【0011】
回転数検出器3は、エンジン2の回転数を検出する磁気センサにより構成され、その出力端子は2次正弦波生成器4及び4次正弦波生成器5の入力端子に接続されている。2次正弦波生成器4は、正弦波発振器により構成され、その出力端子は適応フィルタ7a,7b及び後述するデジタルフィルタ14の出力端子に接続されている。
【0012】
4次正弦波生成器5は、2次正弦波生成器4と同様の正弦波発振器により構成され、その出力端子は適応フィルタ7a,180度移相器6,及びデジタルフィルタ14の入力端子に接続されている。180度移相器6は、音声信号の位相を180度ずらす(反転させる)移相器により構成され、その出力端子は適応フィルタ7bの入力端子に接続されている。
【0013】
適応フィルタ7a,7bは、係数演算器12から指示されるフィルタ係数に従って音声信号の空間伝達特性を補正するアダプティブデジタルフィルタにより構成され、その出力端子はそれぞれD/A変換器8a,8bの入力端子に接続されている。なお、係数演算器12には、A/D変換器13とデジタルフィルタ14の出力端子が接続されている。また、A/D変換器13の入力端子には増幅器15の出力端子が接続され、増幅器15の入力端子には後述する誤差音声信号を検出するマイクロフォン16が接続されている。
【0014】
D/A変換器8a,8bは、デジタル形態の音声信号をアナログ形態の音声信号に変換するデジタル/アナログ変換回路により構成され、その出力端子にはそれぞれ増幅器9a,9bの入力端子が接続されている。増幅器9a,9bは、一般的な増幅回路により構成され、その出力端子はそれぞれ運転席側スピーカ10及び後部座席側スピーカ11の入力端子に接続されている。運転席側スピーカ10及び後部座席側スピーカ11は、一般的な音声出力装置により構成され、運転者及び後部座席の乗員が可聴な範囲に音声信号を出力するように、それぞれ運転席近傍及び後部座席近傍に配設されている。
【0015】
そして、このような構成を有する騒音制御装置1は、エンジン2が始動するのに応じて以下に示す騒音制御処理を実行することにより、運転者に不安感を感じさせたり、運転がし辛く感じさせたり、物足りなさを感じさせたりすることなく、エンジン音を低減する。以下、エンジン2が図1(a)に示すような2次音及び4次音を含むエンジン音を発する場合における騒音制御処理の流れについて詳しく説明する。
【0016】
〔騒音制御処理〕
図3に示すフローチャートは、エンジン2が始動するのに応じて開始となり、騒音制御処理はステップS1の処理に進む。
【0017】
ステップS1の処理では、回転数検出器3が、エンジン2の回転数を検出し、回転数に比例するエンジン回転数信号を2次正弦波生成器4と4次正弦波生成器5に出力する。これにより、このステップS1の処理は完了し、この制御処理はステップS2の処理に進む。
【0018】
ステップS2の処理では、2次正弦波生成器4が、エンジン2の回転数に対応する正弦波信号を生成し、生成された正弦波信号から2次の次数を有する音声信号を生成する。そして、2次正弦波生成器4は、生成された音声信号の位相を180度ずらしたものを2次低減音として適応フィルタ7a,7bとデジタルフィルタ14に出力する。すなわち、2次正弦波生成器4は、図4に示すような2次音の反転信号を適応フィルタ7a,7bとデジタルフィルタ14に出力する。これにより、このステップS2の処理は完了し、この制御処理はステップS3の処理に進む。
【0019】
ステップS3の処理では、4次正弦波生成器5が、エンジン2の回転数に対応する正弦波信号を生成し、生成された正弦波信号から4次の次数を有する音声信号を生成する。そして、4次正弦波生成器5は、生成された音声信号の位相を180度ずらしたものを4次低減音として180度移相器6,適応フィルタ7a,及びデジタルフィルタ14に出力する。すなわち、4次正弦波生成器5は、図5に示すような4次音の反転信号を180度移相器6,適応フィルタ7a,及びデジタルフィルタ14に出力する。これにより、このステップS3の処理は完了し、この制御処理はステップS4の処理に進む。なお、上記説明においては、ステップS2及びステップS3の処理が順に行われることとしたが、図2に示す装置構成から見ても明らかなように、実際は、ステップS2及びステップS3の処理は同時に行われる。
【0020】
ステップS4の処理では、180度移相器6が、4次低減音の位相を180度ずらし、振幅を調整した音声信号を4次増幅音として適応フィルタ7bに出力する。なお、音声信号の振幅の調整度合いは、後述する処理において4次音をどの程度増幅させるかに応じて決定される。これにより、このステップS4の処理は完了し、この制御処理はステップS5の処理に進む。
【0021】
ステップS5の処理では、適応フィルタ7bが、係数演算器12によって補正されたフィルタ係数に従って2次低減音と4次増幅音の空間伝達特性をフィードバック制御により補正し、図6に示すような2次低減音と4次増幅音を含む音声信号をD/A変換器8bに出力する。また、適応フィルタ7aは、係数演算器12によって補正されたフィルタ係数に従って2次低減音と4次低減音の空間伝達特性をフィードバック制御により補正し、図7に示すような2次低減音と4次低減音を含む音声信号をD/A変換器8aに出力する。これにより、このステップS5の処理は完了し、この制御処理はステップS6の処理に進む。
【0022】
なお、この実施形態では、係数演算器12は、最小二乗平均(Least Mean Square:LMS)アルゴリズムや学習同定法等の適応アルゴリズムを利用して適応フィルタ7a,7bのフィルタ係数を補正する。また、空間伝達特性の制御方法は、本願発明の出願時点で既に公知であるので詳述しないが、具体的には、(1)マイクロフォン16,増幅器15,及びA/D変換器13を介して運転席側スピーカ10及び後部座席側スピーカ11から出力される音声信号とエンジン音の誤差音声信号を検出し、(2)デジタルフィルタ14によって、適応フィルタ7a,7bの出力端子→D/A変換器8a,8b→増幅器9a,9b→後部座席側スピーカ11及び運転席側スピーカ10→マイクロフォン16→増幅器15→A/D変換器13→係数演算器12の入力端子なる伝達経路に相当する伝達時間だけ2次低減音と4次増幅音(又は4次低減音)を遅延させることにより誤差音声信号と2次低減音及び4次増幅音(又は4次低減音)の位相差を補正し、(3)係数演算器12によって、誤差音声信号と2次低減音及び4次増幅音(又は4次低減音)を利用して誤差音声信号がほぼ0になるフィルタ係数を演算することにより、適応フィルタ7a,7bのフィルタ係数を更新する。
【0023】
ステップS6の処理では、D/A変換器8a,8bがそれぞれ、適応フィルタ7a及び適応フィルタ7bから出力された音声信号をアナログ形態に変換し、アナログ形態に変換された音声信号を増幅器9a,9bに出力する。これにより、このステップS6の処理は完了し、この制御処理はステップS7の処理に進む。
【0024】
ステップS7の処理では、増幅器9a,9bが、アナログ形態の音声信号を増幅し、運転席側スピーカ10及び後部座席側スピーカ11がそれぞれ、前述の図6及び図7に示す音声信号を出力する。このような処理によれば、エンジン音と運転席側スピーカ11からの出力音声との間で音響的干渉が生じることにより(図6参照)、運転者の耳には、2次音及び4次音がそれぞれ低減及び増幅された音声信号が伝達される。
【0025】
すなわち、運転者は、不快に感じやすい2次音が低減された状態で、心地よく感じやすい4次音を明瞭に聞き取ることができる。従って、車両を運転する際、運転者は、4次音からエンジンの回転数を直感的に把握することができるので、不安感を感じたり、運転がし辛く感じたりすることがない。また、車両の運転を楽しもうとしている場合であっても、運転者は、4次音は明瞭に聞き取ることができるので、物足りなさを感じることがない。
【0026】
一方、後部座席側の乗員の耳には、エンジン音と後部座席側スピーカ10からの出力音声との間で音響的干渉が生じることにより、2次音と4次音が低減された音声信号が伝達される。すなわち、後部座席側においては、全てのエンジン音が低減される。従って、車両の運転に関係がない後部座席側の乗員に対してはエンジン音が気にならない静かな空間を提供することができる。これにより、ステップS7の処理は完了し、この制御処理はステップS1の処理に戻る。
【0027】
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態となる騒音制御処理によれば、2次正弦波生成器4が、エンジン2の回転に伴い生成するエンジン音内に含まれる2次音の反転成分を2次低減音として生成し、運転席側スピーカ10が、2次低減音を出力する。そして、このような構成によれば、エンジン音内に含まれる2次音と2次低減音が干渉することによって、車両の運転席近傍では2次音のみが低減されるので、運転者がエンジン音から車内挙動を把握することができる状態で、静かで快適な車内環境を実現することができる。
【0028】
また、本発明の一実施形態となる騒音制御処理によれば、4次正弦波生成器5が、エンジン音内に含まれる4次音を4次増幅音として生成し、運転席側スピーカ10は、2次低減音と共に4次増幅音を出力する。そして、このような構成によれば、車両の運転席近傍では2次音が低減されるのと同時に4次音は増幅されるので、運転者は、心地よく感じやすい4次音を明瞭に聞き取ることにより、車両挙動を的確に把握することができ、不安感を感じたり、運転がし辛く感じたり、物足りなさを感じたりすることがない。
【0029】
また、本発明の一実施形態となる騒音制御処理によれば、180度移相器6が、4次音の反転成分を4次低減音として生成し、後部座席側スピーカ11は、2次低減音と4次低減音を出力するので、後部座席側の乗員に対しては、2次音と4次音の双方が低減され、エンジン音が聞こえない快適な車内環境を実現することができる。
【0030】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、上記実施形態は本発明に係る騒音制御装置を4気筒エンジンに適用したものであるが、本発明に係る騒音制御装置は3気筒エンジン,6気筒エンジン,8気筒エンジン,12気筒エンジン等のエンジンにも適用することができる。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。

 図面の簡単な説明

【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】4気筒エンジン及び6気筒エンジンの場合の回転に伴い発生するエンジン音の一例を示す波形図である。
【図2】本発明の一実施形態となる騒音制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態となる騒音制御処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施形態となる2次低減音の一例を示す波形図である。
【図5】本発明の一実施形態となる4次低減音の一例を示す波形図である。
【図6】運転席側スピーカから出力される音声の一例を示す波形図である。
【図7】後部座席側スピーカから出力される音声の一例を示す波形図である。。
【符号の説明】
【0032】
1:騒音制御装置
2:エンジン
3:回転数検出器
4:2次正弦波生成器
5:4次正弦波生成器
6:180度移相器
7a,7b:適応フィルタ
8a,8b:D/A変換器
9a,9b:増幅器
10:運転席側スピーカ
11:後部座席側スピーカ
12:係数演算器
13:A/D変換器
14:デジタルフィルタ
15:増幅器
16:マイクロフォン

 図面

【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】