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書誌情報  要約  特許請求の範囲  発明の詳細な説明  図面の簡単な説明  図面

 【書誌情報】

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2004-250518(P2004-250518A)
(43)【公開日】平成16年9月9日(2004.9.9)
(54)【発明の名称】木粉高充填樹脂組成物の焦げ判定方法
(51)【国際特許分類第7版】
   C08L 101/00   
   C08L  97/02   
【FI】
   C08L 101/00    
   C08L  97/02    
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2003-40883(P2003-40883)
(22)【出願日】平成15年2月19日(2003.2.19)
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
(72)【発明者】
【氏名】新名 勝之
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA01W
4J002AH00X
4J002BB12W
4J002DE026

 要約

(57)【要約】
【課題】外観上問題なくても木粉高充填樹脂組成物内部に焦げが存在している場合があり、その後の成形で臭気の発生、色合いの変化、成形性の不具合等問題が出る事が多く、完全なものとは言えなかったため、簡便に木粉高充填樹脂組成物の焦げを判定することが可能な焦げ判定方法を提供することが望まれていた。
【解決手段】木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを該木粉高充填樹脂組成物と水を混合攪拌して得られる水溶液の色やその酸性度で判別する事を特徴とした焦げ判定方法を提供する。
【選択図】なし

 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】
木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを該木粉高充填樹脂組成物と蒸留水を混合攪拌して得られる水溶液の色で判別する事を特徴とした焦げ判定方法。
【請求項2】
木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを該木粉高充填樹脂組成物と蒸留水を混合攪拌して得られる水溶液の酸性度で判別する事を特徴とした焦げ判定方法。

 発明の詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げの判定方法に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを判断する方法としては従来外観上の焦げの有無、又はにおい等の官能試験的方法が主流であった。
例えば、特許文献1〜3の如くである。
【0003】
ところが、外観上問題なくても木粉高充填樹脂組成物内部に焦げが存在している場合があり、その後の成形で臭気の発生、色合いの変化、成形性の不具合等問題が出る事が多く、完全なものとは言えなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−158294号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−217468号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2000−103424号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な問題を解決するために、なされたものであり簡便に木粉高充填樹脂組成物の焦げを判定することが可能な方法を提供する物である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような問題を解決するために本発明請求項1においては木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを該木粉高充填樹脂組成物と蒸留水を混合攪拌して得られる水溶液の色で判別する事を特徴とした焦げ判定方法を考案した。
【0009】
更に請求項2においては木粉を含有する高分子量体成型物においてその成型物を作成する材料としての木粉高充填樹脂組成物の混練時における木粉の焦げを該木粉高充填樹脂組成物と蒸留水を混合攪拌して得られる水溶液の酸性度で判別する事を特徴とした焦げ判定方法を考案した。
【0010】
【発明の実施の形態】
木粉高充填樹脂組成物は主に木粉と熱可塑性樹脂を二軸混練押し出し機にてコンパウンディングされるがその用途により木粉添加量やその他添加剤として相溶化剤、無機フィラー、等が添加される。
【0011】
押し出し温度としては通常熱可塑性樹脂の溶融温度に合わせて設定されるが木粉の焦げを防ぐため出来るだけ低めに設定されるのが普通である。
【0012】
しかしながら、二軸押し出し機のスクリュー形状によっては練りを優先するためにより混練の強いスクリューエレメントを使用する事があり混練時に発熱を起こす場合が多い。
【0013】
又、生産性を向上するために回転数を高く設定し吐出量を高くすると更に発熱が大きくなり木粉が焦げる可能性が大きくなる。
【0014】
ところが、木粉が焦げた状態の木粉高充填樹脂組成物が外観上明らかに焦げていると判断できることはすくない。木粉高充填樹脂組成物の色は使用する材料によって違ったり、二軸混練する際に木粉からでる水分の脱気状態によっても変化するからである。
【0015】
そこで筆者らは木粉に含まれるリグニン、ヘミセルロース等の200℃程度で分解を始める物質に着目し、それらが分解する際に生成される木酢液を判定に使用する事ができないか検討した。
【0016】
二軸押し出し機で木粉と熱可塑性樹脂を混練して木粉高充填樹脂組成物を作成し、任意量を蒸留水に混ぜ攪拌すると焦げの多い木粉高充填樹脂組成物からは褐色の抽出液が滲みだし蒸留水に褐色の色を与える。
【0017】
一方焦げの少ない若しくは無い木粉高充填樹脂組成物からは抽出液が得られず蒸留水の着色は起こらない。
【0018】
上記方法によれば木粉高充填樹脂組成物を作成した時点で判定を行うことが可能であり、蒸留水の着色度合いと焦げの相関を事前に検証しておけば色見本という形で判定基準を設ける事が可能となる。
【0019】
更に筆者らは抽出液である木酢液の性質に着目し、木酢液の主成分が酢酸であることから酸性度を測定することにより焦げを判定できるか検証したところ、リトマス試験紙やPH指示薬で判断が可能であることを確認した。
【0020】
PH指示薬はフェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、ブロモチモールブルー、アリザリン、ブルモクレゾールパープル、ニュートラルレッド、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、コンゴーレッド、メチルオレンジ、メチルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド等があるが、木粉高充填樹脂組成物に添加される酸性分又は塩基成分の量により初期の酸性度が変化するためその変色域に適した指示薬を使えば良い。
【0021】
特に木酢液の中和や木粉からでる水分吸着目的にCaO等の酸化物を添加している場合は初期にアルカリを示すので変色域がPH7.0〜10.0付近の指示薬を使う必要がある。
【0022】
PH指示薬と同様リトマス試験紙においても同様の変色域を考慮して適宜選定すれば良い。
又、市販されているPH測定器を用いて測定する事も可能である。
【0023】
なお、以上の判定基準はその焦げの程度の許容範囲やその焦げの許容度による品質の選別基準により適宜選択するものである。
【0024】
以下、詳細を実施例にそって記述する。
【0025】
【実施例】
市販のホモポリプロピレン樹脂100重量部と木材をカッターミルで破砕しこれをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径100μmの木質系充填剤100重量部とを2軸押し出し混練機にて押し出し温度180℃でペレット化して木粉高充填樹脂組成物を作成した。
この木粉高充填樹脂組成物を10gとりガラス瓶に入れた後蒸留水40gをガラス瓶に添加し10分間攪拌し、得られた水溶液を別のガラス瓶に移し替えた。
【0026】
<比較例>
市販のホモポリプロピレン樹脂100重量部と木材をカッターミルで破砕しこれをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径100μmの木質系充填剤100重量部とを2軸押し出し混練機にて押し出し温度200℃でペレット化して木粉高充填樹脂組成物を作成した。
この木粉高充填樹脂組成物を10gとりガラス瓶に入れた後蒸留水40gをガラス瓶に添加し10分間攪拌し、得られた水溶液を別のガラス瓶に移し替えた。
【0027】
実施例及び比較例で得られた水溶液の色を確認し更にメチルレッドを滴下して変色を確認した後該木粉高充填樹脂組成物50重量部と市販のホモポリプロピレン樹脂50重量部をドライブレンドして一軸押し出し機を用いて異形成型品を得た。それぞれの水溶液の色と成型時の臭気、色を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1の様に、木粉高充填樹脂組成物の外観はほとんど見分けが着かない場合でも成型時の臭気、成型物の色に差があり、かつ本発明による木粉高充填樹脂組成物の判定方法により実施例及び比較例の木粉高充填樹脂組成物に差が有ることが判別できた。
本実施例の場合、色見本による判定基準では基準の色より赤みが少ない場合に合格品質とし、指示薬による判定基準では、指示薬が緑の場合に合格品質とする。
【0030】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した様に本発明による判別方法は木粉高充填樹脂組成物の外観からは判断しえない焦げを判別することが可能であり、木粉高充填樹脂組成物の製造時判定方法として簡便且つ正確な判定機能を有するものである。