書誌情報
要約
特許請求の範囲
発明の詳細な説明
図面の簡単な説明
図面
《表紙》
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2002−280715(P2002−280715A)
(43)【公開日】平成14年9月27日(2002.9.27)
(54)【発明の名称】電子回路の鉛レス接続方法
(51)【国際特許分類第7版】
H05K 3/32
【FI】
H05K 3/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2001−75685(P2001−75685)
(22)【出願日】平成13年3月16日(2001.3.16)
(71)【出願人】
【識別番号】301011730
【氏名又は名称】若林 守光
【住所又は居所】富山県婦負郡婦中町羽根新132
(71)【出願人】
【識別番号】591282515
【氏名又は名称】株式会社斉藤製作所
【住所又は居所】富山県上新川郡大沢野町下大久保61
(72)【発明者】
【氏名】若林 守光
【住所又は居所】富山県婦負郡婦中町羽根新132番地
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319 BB01 BB11 CC01
(57)【要約】
【課題】 電子部品の実装においてはんだ付けに換わる方法をとることによりはんだ合金に含まれる環境汚染物質である鉛の使用をなくすること、および低温度実装処理により部品自体のはんだ耐熱の要求を低く出来ることから部品構成材料に含まれる鉛成分を使わないですむようにする。
【解決手段】 基板側と部品側の両方の電極面に電極と導電接続された導電体を露出させる形で接着材料で接着固定して接続面を形成し接着材料によりその導電体同士がかみ合うように接触させるとともに接着して導電性接続を行い180℃以下の温度で固定する。さらに絶縁性接着剤で機械的に固定する。はんだを用いないことにより鉛を用いない接続が実現できる。部品の耐熱温度を低く出来る事により構成材料から鉛をなくする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子回路において、部品を実装すべき基板もしくは部品の電極部もしくはその両方の電極部の実装接続面が粒子状もしくは針状導電体もしくはフレーク形状の導電体を接着材料により電極に接着しその導電体の一部が露出した形で形成されておりかつその導電体は基板もしくは部品の電極と電気的に接続されてあることを特徴とするもの。
【請求項2】 請求項1における実装面の構造は電極部に接着材料を付着したのち、導電粒子を電極部に機械的に押し付けるようにして粒子と電極を電気的に接触させ接着材料を硬化させて形成したことを特徴とするもの。
【請求項3】 請求項1における実装面の構造は電極部に接着材料を付着した後、強磁性体などよりなる感磁性導電体の粒子状もしくは針状もしくはフレーク状のものを磁界を印加した状態で接着材料に立てた形で付着するとともに、磁力もしくは機械的な押し付け力もしくはその両方の力により粒子と電極を電気的に接触させ接着材料を硬化させて形成したことを特徴とするもの。
【請求項4】 請求項3における接着材料はフィラーとして感磁性導電材料を含み、電極部に印刷などの方法でその接着材料を付着した後磁界を印加することによりフィラー分が電極面近傍に多く分布し電気的接続をより確実にするとともに、後の工程で感磁性導電体を付着する際に接着材料成分が多く分布した部分で接着することにより感磁性導電体が容易に電極面近傍に分布しているフィラーの導電体や電極面に接触できるとともに接着力も強くなることを特徴とするもの。
【請求項5】 請求項3および4における磁界印加の方向は基板側と部品側は反対方向とし、両電極面を対向させた際に相互に磁気による引力が働くようにしてあることを特徴とするもの。
【請求項6】 前記請求項1から5項までによる基板と部品の電極面での相互接続の方法として、基板面の電極部もしくは部品の電極部に接着材料を付着した後部品を所定の位置に押し付ける形で実装し双方の導電体間に電気的接続が生じるようにして接着材料を硬化したことを特徴とするもの。
【請求項7】 6項において接着材料として導電性接着材料を用いることを特徴とするもの。
【請求項8】 前記請求項1から5項までによる基板と部品の電極面での相互接続の方法として、基板面に全面に接着材料を付着したのち、部品の接続面に硬化剤もしくは硬化促進材料を塗布した部品を実装し、部品付着部が硬化し、他の部分が未硬化である間に未硬化の接着材料を洗浄して除去することを特徴とするもの。
【請求項9】 請求項8において接続表面の構成材料に硬化作用もしくは硬化促進作用を有する成分が含まれることにより基板面の全面に接着材料を塗布した後部品を実装し接続部及び接続部近傍のみを硬化させた後未硬化の部分を洗浄により除去することを特徴とするもの。
【請求項10】 請求項6および請求項8,9において接着材料に感磁性導電粉が含まれたものを使用し、磁界を印加して感磁性導電粉を双方の接続面にわたるような方向に配向して接触させ電気的接続を確保して硬化することを特徴とするもの。
【請求項11】 基板面および部品面の接続面の導電体は感磁性のものであって、磁界の存在下で双方の感磁性部分に引力が働き、磁気力による圧力をかけて相互に電気的接続がなされた状態で絶縁性接着材料により固めることで実装を行うことを特徴とするもの。
【請求項12】 請求項11における感磁性導電体はすでに磁化されており、その部分に個別粉体として遊離可能な感磁性導電粉を磁力により付着した状態で実装し、遊離感磁性導電粉の部分がクッションとなる形で自由度をもつことにより、電極部分の平行平面性のばらつきを吸収して電気的接続を確保することを特徴とするもの。
【請求項13】 基板側の接続面を請求項1から5までの方法により形成したものを用いて部品側電極面に導電性接着剤材料を付着したものを基板の所定位置に実装しおさえることにより電気的接続と接着を行うことを特徴とするもの、もしくは逆に部品側接続面を請求項1から5までの方法により形成したものを用い、基板側電極面に導電性接着剤を付着することで同様に行うことを特徴とするもの。
【請求項14】 基板側の接続面を請求項1から5までの方法により形成したものを用いて、部品側電極面に感磁性導電粉をフィラーとして含む接着材料を付着し基板の所定位置に部品を実装し磁界の存在下で接着硬化させることにより電気的接続を行うことを特徴とするもの、もしくは逆に部品側接続面を請求項1から5までの方法により形成し、基板側電極面に感磁性導電粉を含む接着材料を付着して同様に行うことを特徴とするもの。
【請求項15】 請求項6から14において電気的接続および絶縁が正常であることを確認した後絶縁性接着材料によって固めることを特徴とするもの。
【請求項16】 請求項6から15までの各項の相互接続を行った後さらに絶縁性接着材料により機械的強度を補強することを特徴とするもの。
【請求項17】 これらの導電性材料および接続される部品の電極および本体においてはんだ付け性を確保する目的で使用される、鉛を含むはんだめっきや、はんだの熱に耐える特性を実現するために使われるガラス材料などに含まれる鉛を使用していないものであることを特徴とするもの。
【請求項18】 これらの工程はおおむね180℃以下の温度で処理されることにより、従来はんだの温度に耐える目的で使用されていた耐熱性材料をもちいることなく、一般の樹脂製基板材料などを用いることが出来るとともに従来はんだ付けの際の熱に耐えなかった液晶や電解コンデンサーなどの部品も同時に実装接続できることを特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子回路基板に電子部品等を電気的に接続するとともに機械的にも固定する実装技術に関するものであり、とくに有害物質である鉛を含有する合金であるはんだなどの材料を用いることなく実装を行うこと、および部品自体に鉛を含まなくする、いわゆる鉛フリー実装技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の実装には、はんだ付けを行うのが従来の常識であり他の方法はほとんど実用に供されなかったが、近年はんだや部品自体に含まれる鉛が有害な環境汚染物質であることからこの使用が禁止される方向にあり、さらに有機錫が環境ホルモンとして有害であるとする実験結果もあり、鉛入りはんだに代わる材料もしくは、はんだ付けに代わる方法が探索されている。しかしながら従来のはんだ付けの特性レベルを実現するための鉛フリーはんだ合金は従来の温度よりも約30度はんだ付け温度を上げなければならず、低融点のはんだ合金をつくるには、ビスマスなどの材料をまぜればよいもののはんだ付け特性や機械的強度に問題があり、従来のはんだにくらべて明らかに信頼性が劣る問題があった、またいずれの場合も錫はベースとなる金属であり、錫が否定された場合は、錫を含まないはんだ付け合金はほとんど不可能であることなどの問題がある。またはんだ温度の上昇は250℃の熱歪みを基板および部品に発生させることとなり、一部のLSIなどの部品においては致命的な問題ともなるほか、液晶や電解コンデンサなど、もともと熱に弱い電子部品は実装できない問題があった。他の方法としては導電性接着材料を用いて接着により実装する方法も知られているが、接着材料を厚く付着しなければ部品電極面での凹凸の吸収ができず接着力が不十分であり、厚くつけると部品をつけた際に接着材料が横方向にはみ出して隣の回路と短絡を生じやすい問題があった。また組み立てられる電子部品についてもはんだ付け性確保のために電極部にはんだめっきをほどこし、本体にもはんだの温度に耐えるようなものとするため、鉛を含むガラスをベースとしたメタルグレーズなどの材料が使われていたが、この鉛についても問題となっていた。別の方法としては異方性導電フィルムなどの材料により接続する方法も知られているが、この方法は完全な平面同士の接着で均等に圧力をかけられるようなものでなければ使いにくい問題があり一般の電子部品の接続には向かない問題があった。さらに米国特許4170677号(1979年10月9日出願)には本発明でも用いている感磁性フィラーを含有する接着材料を塗布した後磁界をかけることによりその感磁性フィラーが磁力線の方向に配列され導電路を形成することで電気的接続を行うことが開示されているが、発明者の経験によればこの導電路はごく細いものが限られた少数しか形成されず、しかも接触部への接触圧力も小さく酸化などによりおかされて信頼性が取れない問題があった。発明者は先に特願2001−61909において導電性接着材料を接着ベースとした接続方法を発明し出願しているが、導電性接着材料は導電性を実現するために銀などの粉末を60パーセント程度含有する必要があるため接着強度が劣る問題があり、特に発明の主眼である感磁性粉末を電極面に立てる形で付着するような場合に粉末が接着材料に突っ込んだ形での接着が実現しにくい問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題の第一は電子回路の実装および電子部品自体において鉛を使わないこと、第二は高温を用いないこと、第三は従来の導電性接着材料のみの接着方法で問題であった横方向へのはみ出しによる短絡を防ぐに有効な方法を提供すること、さらに導電性を有しない通常の接着材料を用いても導電性が確保できる接続方法を実現することにある。さらに導電性接着材料は貴金属である銀を大量に含むので高価であるがこれをなくするかまたは少なくすることでコストダウンを図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては電子部品実装にはんだ付け法を用いないことにより、鉛を使わないことおよび高温を用いないことの二点は実現し、さらに高温を用いないことにより電子部品の構成材料から鉛を取り除くことを可能ならしめたものである。また導電性接着材料のみによる接着方法における導電性接着材料のはみ出しを防ぐ方法を実現するものであり、その構造を形成するのに導電性接着材料を用いなくても接着性に優れた通常の接着材料で導電接続を可能ならしめる方法を含むものである。
【0005】従来の導電性接着材料のみによる電子部品の接着には接着材料の厚さを確保することにより、部品と接着材料との接触面を確保し接着力を確保することが行われていた、またこの厚さには部品の接続面の平坦性やICなどのように多数のリード線を持つ部品の足の並びの平坦性のばらつきを吸収してすべての接続を確保する意味もあった。しかしながらこの厚さは部品を実装した際に導電性接着材料を横方向にはみ出させる効果をもち、実装部品の位置決めのばらつきとあいまって隣のパターンとの短絡を生じやすく、実用上はリードピッチで0.7ミリ以下のものには適用しがたく、近年すくなくとも0.33ミリピッチが要求される実装には合わない問題があった。さらに高価な銀を含む材料を厚く付けることはコストが高くなる問題があり、このコストダウンも常に求められるところであった。
【0006】また発明者による先願の特願2001−61909では導電性接着材料を用いて感磁性導電粉末などを付着する方法を用いていたが、導電性接着材料はもともと銀などの成分が60パーセントほど入っており、接着性を犠牲にせざるを得ない問題があり、当然コストも問題であった。
【0007】本発明では接続すべき電極面に通常の接着材料もしくは感磁性導電粉を銀に比べて少量で接着力の低下が少ない20パーセント程度含んだ接着材料を塗布した後、導電性粒子もしくは感磁性導電体を電極面に立てる形で圧力もしくは磁気による吸着力を印加して接着し導電性粒子もしくは感磁性導電体による凹凸または針状突起が多数出ているような形状をつくり、実装においては基板側と部品側の突起部分がかみ合った形で導電接続がなされその状態で接着固定されるものである、このため導電性接着材料を使わなくても接続は可能であるが、より確実性を求めて導電性接着材料を使った場合においても横方向への広がりは少なく、凹凸もしくは針山の谷に押し付けられるような方法で吸収するものであり隣接する導体パターン間で短絡する可能性はきわめて少なくなくなるものである。感磁性導電粉をフィラーとして用いた接着材料は本発明では主たる導電材料である感磁性導電体の接触を補強する働きとして、絶縁性接着材料に代えてもちいており、米国特許4170677号とはその構成が全く異なり、主たる導電体は接着材料中には含まれておらず新たに外部から感磁性導電体を大量に付着させて多数の導電路を形成しているのが本発明の特徴であり、この感磁性導電粉のフィラーによっても導電路が補強されることでより高い導電性と信頼性が得られている。機械的強度の確保のため電気的接続の後にさらに絶縁性接着材料をディスペンスなどの方法で付着することで補強することができる。このような形で接続リードピッチ0.33ミリの高密度実装にも対応可能である。
【0008】本発明によれば従来のような導電性接着材料の横方向への広がりがすくなく高密度の実装にも応用可能である、また導電性はほとんどが感磁性導電体や導電性粒子により担われることから、レジンと金属粉の混成体である従来の導電接着材料よりも導電性に優れており少ない接触面積であっても従来よりは導電性に優れ信頼性もマイグレーションの可能性が低いことなどから優れている、さらに機械的な強度は絶縁性接着材料により全面的な接着を行うので問題はない。またはんだ付けの高温にさらされないので、組み立てるべき電子部品においてはんだ付け性を確保するためのはんだめっきが不要であり、部品自体の耐熱性も不要であることから鉛を含むガラスなどの高温耐熱性材料を用いないで部品を構成することが出来る。
【0009】
【実施例】本発明による低温度鉛レス実装方法の実施例を述べるに際し、まず主要材料について述べる。
【0010】1 接着材料
本発明においてはおおむね5種類の接着材料を試している。第一には基板および部品の電極面に印刷により接着する絶縁性接着剤であり、印刷性、および金属粒子の付着性に優れたものである、出来れば一液性が望ましいがライフが一日以上確保できるならば二液性のものでもよい。第二に同じく印刷に用いられるものとして感磁性導電粉をフィラーとして含んでいる接着材料がある。このフィラーは印刷性を最適にするのに役立つ程度の量である20パーセント程度を含むものであり、一般には接着材料としては導電性をもっていないものである。この20パーセントという含有量は一例であって印刷性と導電接続性の兼ね合いから決まるものである、実験的には5パーセントから50パーセントの広い範囲で実用可能であった。フィラーの材質としてはニッケルフレーク粉末で400メッシュパス程度の粒度のものであったが、ニッケル粉の表面に銀をメッキしたものも導電性向上の目的で用いている。これらの粉末は磁界の存在で磁力線の方向に並行して立ち上がった形で磁石にひきつけられ、その結果磁石の反対側の面ではフィラーの密度が低くなり、外部から感磁性導電体を付着する際に感磁性導電体がフィラーに邪魔されずに接着材料に入って行きやすく接着しやすくなる利点があり、磁石側である電極面側は導電性フィラーが電極面に高い密度で引き付けられ導電性接続がより確実になる利点がある。第三の接着材料は絶縁性であり全面に薄く塗布した後実装して接着を完了した後実装に寄与しなかった部分は洗い流すことが出来るものである。これを用いる際には硬化剤もしくは硬化促進効果をもつ材料を部品側の接着面に塗布するかもしくは導電性粒子の表面に薄くコーティングしておくなどの方法により、部品実装部分のみ硬化するかもしくは硬化を早めるかする方法に用いている。第四の接着材料は実装の機械的補強に用いるもので実装完了後ディスペンサーなどを用いて接着部分に塗布し、補強するものである。第五の接着材料は一般の導電性接着剤であり接着面の一方に印刷もしくはディスペンスなどの方法によって塗布し、双方の接続面を電気的につなぐことで接着するものである。この特性は印刷性と、凹凸面でも流れ落ちない程度の固さをもっていることである。
【0011】2 感磁性導電体
主としてニッケルフレークで50メッシュパス、200メッシュストップ程度のかなり粗い分布を持つものを用いたが分布としてはこれに限るものではなく一般に導電性接着材料などに使われている金属粉よりは粗い分布のものが好ましい結果を得ている。高密度の実装間隔が求められる場合はこの粒度分布はより細かな方を選択することになる。他にフレーク状や粒状のニッケルさらにはフレーク状または粒状のニッケルに銀メッキを1ミクロン以上の厚さに施したものさらにはフェライトなどの磁性体の針状結晶体に銀メッキを施したものも試しているが磁気に感応して吸着されるような材料でありかつ導電性を有するものであればよい。ここでは接着材料にはじめからフィラーとして入れる場合の感磁性導電粉もしくは後の工程で感磁性導電体に磁力で付着させる用途の感磁性導電粉とは区別して用い、導電粉とは400メッシュパス程度の細かなものであり、導電体とは前記の粗いものと定義してのべている。これらはいずれも従来の導電接着材料のように貴金属である銀を多く含まず、コスト的なメリットもあるものである。
【0012】3 導電体粒子
これは磁性を利用しない場合のものであり、ここでは銅粉で50ないし150メッシュのものを用いた、これは接着剤に付着した際に押し付けても接着材料中に埋まってしまわない程度の粗さとして選んでいる、この粒度分布も前記同様にこれに限るものではない。
【0013】次に作業についてのべる。
1 まず基板の電極面に第一の接着材料のペーストをスクリーン印刷法により指定のパターンで付着する、この際スクリーンのメッシュは125メッシュで印刷厚さは20−30ミクロン、乾燥硬化後は10−20ミクロンになるようなものであったがこれは細かな粒度の導電体を用いる場合には薄くすることになる。
【0014】2 この印刷直後の基板を平面型のフェライト磁石の表面にシートを敷いた状態で磁石の中心付近に置き、上から篩いを用いて感磁性導電体を全面にくまなく行き渡るように振りかけた。フェライト磁石の磁力は表面で500ガウス以上あれば十分であり他の磁石でもかまわない。
【0015】3 この後全面にシートをかけてゴムなどを介して軽く圧力を全面に行き渡るように印加し第一の接着材料に感磁性導電体を食い込ませるようにした。なお感磁性導電体は磁力線の方向に整列する性質がありそのことから基板面に垂直に立った状態に保たれており、この方向性をそこなわないように圧力印加をおこなっている。この押さえ工程は強力な磁石を用いて感磁性導電体を確実に電極と導電接続できる場合などには省略することも可能である。
【0016】4 この後磁石からほぼ垂直な方向に基板を引き上げて取り出した後、接着されなかった感磁性導電体を振り落とし、必要な場合にはガラスなどを用いて再度全面をおさえて平面性を確保する試みも行ったが通常この押さえの必要はない。
【0017】5 この後120℃5分の加熱硬化工程に通した、この際感磁性導電体の垂直方向性を保持するため磁石の上に置いた状態で加熱すればより完璧である、その後表面側からサマリウムコバルト磁石のような強力な磁石をもちいて残留の接着しなかった感磁性導電体を取り除いた。この温度に関しては用いる材料によりその最適条件を選べばよいが、通常はエポキシなどでは150℃以下,シリコン系などでは180℃以下である。磁石の耐熱劣化などの観点からも低い温度がのぞましい。
【0018】6 この基板に第一の接着材料をほぼ同じパターンで印刷するかもしくはディスペンスすることにより感磁性導電体の付着した部分に付着した。この際の材料は先の印刷材料よりは幾分固いものであり、厚さは30ミクロン以上を確保するようにマスクもしくはディスペンサーを選定している。この硬さは感磁性導電体の表面で接着材料が流失してしまわない程度のものであり、この後の工程で部品側の導電体との接着が可能な程度のものである。
【0019】7 この状態で基板を磁石の上に置き電子部品を正確な位置に配置し実装した、この際圧力を印加して部品の電極部の導電体が基板の感磁性導電体の先端部と噛み合わさる程度にまで押しこむとともに磁力でその状態を保つようにした。この際部品の電極表面にも同様の方法で感磁性導電体もしくは導電体粒子を施したものを用いている。双方の材料が感磁性でない導電体粒子の場合は機械的圧力のみで押さえることになり磁石は用いなくても良い。この部品への感磁性導電体もしくは導電体粒子の接着方法については後に詳述する。
【0020】8 この後再度加熱硬化した、条件は同じく120℃5分であった。
9 この状態で回路機能テスト等に供し接続不良などがないかを検査し問題があれば速乾性の銀塗料を細い筆で塗布する方法などにより修正した。
【0021】10 この後第四の接着材料である透明エポキシ接着剤を接着部の上から塗布し硬化して部品の機械的接着強度を確保した。
11 原則として銀を含む導電性塗料などは使わないかもしくは少なくしていることは本発明の主眼の一つであるが、このことは銀が水分と電界の存在下でマイグレーションと称される移行現象を発生して短絡を生ぜしめる可能性をなくするかまたは少なくし、信頼性を高めることにつながっているほかコストダウンにもつながっている。
【0022】ここでこの方法に用いる部品の特徴および部品の電極に感磁性導電体もしくは導電性粒子を接着する方法についてのべる。ここに用いる部品としては代表的なものとしてチップ抵抗器とリード端子をもっているLSIなどの表面実装部品について説明する。
【0023】チップ抵抗器の工程においては一般に平面状のセラミック基板に印刷等によりガラスを含むメタルグレーズ系材料をもちいてスクリーン印刷法により所定形状に形成した後おおむね850℃で焼成して抵抗体や電極を形成し、レーザーによるトリミングを行い、絶縁保護および表示印刷などを行った基板をチョコレート形状に一次分割し、分割側面に導電性材料を塗布し硬化させた後個別に分割し、めっき工程において電極部分にニッケルとはんだのめっきをかさねてはんだ付け性を確保することをおこなっている。
【0024】本発明においてはまずめっきの工程をなくすることにより工程短縮と鉛を用いないことを可能にしている。さらに抵抗器や電極などの材料は、はんだの熱にさらされないことからはんだ耐熱性への配慮が不要であり、鉛を含むガラスをベースとした従来の材料から鉛を含まないレジンをベースとした材料に変更することができる。一般にこれらレジン系材料は高温系材料のようにパラジウムやルテニウムなどの高価な材料を含まずコストにおいても大きなメリットがある。一例をあげれば抵抗材料としては150℃程度で硬化するフェノール、エポキシなどのレジンにカーボンブラックなどの導電粉末を混ぜたものや、さらには250℃以上の温度で硬化するドリルレジン(ポリイミド系)をベースにカーボンブラックなどを混ぜたものなどである。
【0025】ドリルレジンによる抵抗や電極はその後の工程で用いられるエポキシなどの材料の乾燥硬化温度よりもはるかに高い温度で硬化処理されることから、工程変化が少ない利点がある。電極材料としては前記の抵抗材料の中で低抵抗値の材料を用いることも可能であるが銀粉末などを前記レジン材料に混ぜたものがよい。
【0026】この工程においてはレジン系材料を用いて一般の工程と同様にセラミック基板表面に抵抗体を印刷し、さらに表と裏の面に電極を印刷しそれぞれ所定の乾燥硬化をおこない、レーザーなどにより抵抗値のトリミングを行い、表側に絶縁性保護材料をほどこす。この段階で裏面の電極で分割線から0.1ミリほど離れた位置に接着材料を印刷し、先に基板について行ったと同様に磁界をかけた状態で感磁性導電体を振り掛け、押さえることにより接続面を形成する。この場合の接着材料は導電性を有する第五のタイプが良い。後に他の実施例として基板について詳述するが感磁性を有しない導電体粒子を付着する場合については磁界をかけないことをのぞいては同様に行っている。この後チョコレート状に分割し、側面に主として銀塗料などを塗布して表裏を導通させる。
【0027】これらの乾燥硬化温度は一般例に述べたガラス系材料の場合の850℃と異なり、よく用いられるエポキシ系材料では150℃以下、もっとも高いドリル系材料でも300℃以下であり、はるかに低いものである。これをさらに個別に分割することによりチップ抵抗器が完成される。
【0028】別の作り方として特に小型のチップ抵抗器の場合、側面電極形成部にスリットを形成してスパッターなどの方法によりスリットの側面に薄膜を形成して表裏を導通することも行われているが、この場合は側面電極形成後に接着材料を印刷することで同様に感磁性導電体もしくは導電体粒子を接着し形成すればよい、この際はスリット部から離れたパターンなどは不要であり裏面の電極全面に印刷してよい。
【0029】LSIなどの場合、リード線は平面に並ぶように作られており、この平面性を損なわないように治具などを作りそこにはめ込んで印刷法により、リード部表面に接着材料を付着し、先の方法と同様に感磁性導電体や導電体粒子をつける方法やマスクした状態で接着材料をスプレーにより付着した後感磁性導電体や導電体粒子を付着する方法がある。できるならばリードフレームを切断する以前にこれをやったほうがリードの平面性を損ないにくく有利である。このリード部についてもはんだ付け性は不要であり、鉛を含むはんだなどの材料のめっきは不要である。以上のように本発明によれば接続のみならず、部品レベルでも鉛を含まない工程が実現できるものである
【0030】「その他の実施例」
1 感磁性導電体を用いない方法としては基板面に30ミクロン程度に第一の接着材料を所定パターンに塗布したのち、50メッシュパス、150メッシュストップ程度の導電体粒子を基板の接着面にふりかけた後、圧力をかけて接着部分に導電体粒子を接着する方法も試みた。この後付着しなかった導電体粒子は振り落として取り除いた。他の工程については先に述べたと同様におこなった。
【0031】2 基板に部品を実装する場合において、まず基板に全面に第三の接着材料であるエポキシ接着剤の硬化の遅いタイプを薄く塗布した後、部品の実装側の面に硬化剤もしくは硬化促進剤を薄く塗布し基板を磁石の上に置いた状態で部品実装を行い部品の電極部および他の接触面で接着し硬化した後、接続部以外の硬化の遅いかまたは硬化しないエポキシ接着剤を洗い流す方法も試みた。この方法によれば接着材料の位置決めによる塗布の面倒がなく、部品実装の位置決めの精度のみで実装の位置決め精度が決定する点で有利である、また接着材料の印刷性を考慮する必要がないので流動性の高い接着材料を薄く付着して、導電体同士の接着に邪魔にならないように出来る点でも有利である。部品側の感磁性導電体もしくは粒状導電体に導電性を損なわない程度に硬化剤もしくは硬化促進剤をコーティングしておくことで接続面および部品表面近傍のみ硬化を早める方法も有効であった、また硬化促進性のある金属イオンを発生させる材料を用いそれに反応しやすい接着材料を選択することも一つの方法である。いずれの場合も磁石で引き付けておくことで部品の接続が強固になり動きにくい効果があった。
【0032】3 感磁性導電体に強磁性体であるニッケルやフェライト粉に銀メッキしたものなどを選択しそれぞれ基板側および部品側に付着した後も磁石作用が残っているようにし、実装の前に遊離した感磁性導電粉をその磁化された感磁性導電体に吸着させて実装し、磁力により電気的接続を確保した状態で接着剤で固めることも行なった。これによれば遊離感磁性導電体がクッション作用をして部品やICの足の平坦性のばらつきを吸収して確実な接続がえられた。
【0033】4 部品を基板に実装するに際し感磁性導電粉をフィラーとして含む接着材料を基板側接続面に塗布し磁界をかけた状態で部品を実装し硬化させることもおこなった。この方法の利点は接着材料中の感磁性導電粉が接続面に垂直に立つ方向で配向されるので電気的接続を強化できることにある。とくに感磁性導電粉は基板電極表面に押し付けられる方向に磁力が働くので接触する確率が高く、また反対側は接着成分の比率が高く、外部から付着する感磁性導電体がフィラーに邪魔されずに接着材料に入り込み、さらに接着成分が多いことから接着しやすい利点がある。また感磁性導電粉は総体として感磁性導電体を包むような形で接触し、これがない場合の平面との点接触に比較して接続の確実性が高まる効果がある。この際接着材料が所定位置よりはみ出すことがあっても感磁性導電粉は垂直方向に配向され水平方向には絶縁されるので問題はないことから接着材料の塗布の位置決めはラフなものでも良い利点がある、さらには部品本体部分もこの接着材料で同時に固定することが出来るので機械的強度も向上する。
【0034】5 これまで述べたいずれの場合においても基板側はN極を上に向けた磁石に載せ、部品側はS極を上に向けた磁石の上に載せる事で統一した、この方向は逆でもかまわないのだが統一基準としてこのようにした。これにより基板側の感磁性体表面はN極、部品側はS極に磁化され実装の際にお互いに引き合うことから位置決めに対してセルフアラインメント効果が生じ好都合であった。これが反対であったならば反発力で位置をずらす効果をもつことになり、この点は重要である。感磁性導電体同士が引き合うことで導電接続が完全になり、外部の磁石にも引き付けられることから強固に接続され、接着材料で固める際にも位置ずれが発生しにくい効果もあった。
【0035】6 先に特願2001−61909に出願したごとく基板側を本発明による感磁性導電体などが表面に露出した構造とし、部品側に導電性接着材料を塗布して接着することも有効であった。この際は部品側の導電接着材料は50ミクロン程度に比較的厚く付着し、部品電極面の平坦性のばらつきを吸収するようにしたが、接着材料は感磁性導電体の間に垂直に押さえつけられて吸収され、横方向へのはみ出しは少なく、0.33ミリメートルピッチの高密度実装に耐えられる方法であることが確認されている。これについては部品側と基板側の構成を逆にして基板側に導電性接着材料を塗布する方法も同様に有効であった。
【0036】7 (0035項)に述べた方法において接着材料を絶縁性のものにして部品を押し付ける形で電気的接続を図ることも試みたが、感磁性導電体などの表面は微視的には平坦ではなく、接触点が少なくなることから採用しなかった。
【0037】8 (0035項)に述べた方法において接着材料に感磁性導電粉をフィラーとして含む接着材料を部品電極側に付着して磁界の存在下でフィラーを磁石で部品電極側に引き付けつつ部品をおさえつけて接着硬化する方法も試みて有効であることを確認した。この際の感磁性導電粉の含有比率は基板側の場合よりも高く25ないし50パーセント程度とし、ステンレスマスクなどで印刷するかもしくはディスペンサーを用いて50ミクロン程度の厚さに付着した、厚く付けることの必要性と、導電路を増やす目的からもフィラー分が多いほうが固めの接着材料に出来るので有利であり、さらに基板側の感磁性導電体の平坦性のばらつきは感磁性導電粉のフィラーで吸収されて導電路が確保され、しかも感磁性導電体は接着材料成分比率の高い部分で接着固定されるので機械的強度の点でも有利である。これについては部品側と基板側の構成を逆にして、基板側に感磁性導電粉を含む接着材料を塗布する方法も同様に有効であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば高温で処理する必要のあるはんだ付けをなくすることが出来るので鉛を用いない実装および部品自体に鉛を用いないことが可能となりまた従来のように導電性接着剤のみで接続する場合に比較して高密度に実装することも可能になった。また接着性の良い材料を使うことから確実な接続も可能となった。さらに低い温度で処理することから従来はんだ付けでは実装出来なかった電解コンデンサーや液晶などの電子部品も同時に実装出来るようになった、従来液晶などは基板に直接実装することは出来ずゼブラゴムやフレキシブルケーブルを使っていたがこれらの部品をなくすることも出来るようになった。
【0039】「参考文献」 特願2001−61909
米国特許 第4170677号
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は基板もしくは部品の導体電極に接着材料を付着した後磁界を印加して感磁性導電体を電極面にほぼ垂直に立てるとともに電極と接触することで電気的に導通するようにしさらに加熱硬化して固めたものの模式断面図である。ここで磁界の方向を矢印で示しているが、部品の場合は磁界の方向はS極となるものである。
【図2】 図2は基板もしくは部品の導体電極に接着材料を付着した後導電性粒子を付着し押し付けることにより電極と接触することで電気的に導通するようにしさらに加熱硬化して固めたものの模式断面図である。
【図3】 図3はフィラーとして感磁性導電粉を含む接着材料を基板もしくは部品の導体電極に付着した後磁界を印加してこのフィラーを電極面にひきつけて電気的接触を図るとともに感磁性導電体を付着してそれを電極面にほぼ垂直になる形で立てて電極面方向に引き付けて、電極と直接接触するかもしくは導電性を有するフィラーを介して電極と電気的に導通するようにした後加熱硬化して固めたものの模式断面図である。ここにおいて磁界の方向は基板の場合はN極、部品の場合はS極とするが図では矢印でN極を示している。
【図4】 図4は基板側を下、部品側を上として図1に示す形の電極部を対向させて接続し、接着材料で固定した形の接続方法の模式断面図である。ここでは双方に感磁性導電体を用いた場合を示しているが、導電性粒子を一方または双方に用いた場合も磁界を印加するかしないかの違いを除いてはほぼ同様である。
【図5】 図5は基板側を下、部品側を上として図1に示す形の電極部を対向させて双方の間に感磁性導電フィラーを含む接着剤を介在させ、フィラーにより導電性を向上させた形で接続する方法の模式断面図である。ここでは感磁性導電体を用いた場合の例を示しているが、一方もしくは双方に導電体粒子を用いた場合についても同様の形状で導電性の向上が期待できる。銀などを含む導電性接着材料を用いた場合の形状も感磁性導電フィラーが磁気により配向されることを除けばほぼ同様の形状に仕上がる。
【図6】 図6は基板を下、部品を上として感磁性導電体に感磁性導電粉を付着させて感磁性導電粉を介して上下の電気的接続を図るとともに接着材料により固めた形の接続方法を示す模式断面図である。
【図7】 図7は基板を下、部品を上として基板側は感磁性導電体を付着した接続部を有し、部品側には導電接着材料を付着して所定の位置に実装して押さえつけて硬化せしめることにより導電接続した場合の模式断面図である。
【図8】 図8は基板を下、部品を上として基板側は感磁性導電体を付着した接続部を有し、部品側には感磁性導電粉をフィラーとして含む接着材料を付着して所定の位置に実装して押さえて磁界の存在下で硬化せしめることにより導電接続した場合の模式断面図である。
【符号の説明】
1 基板本体
2 基板側電極
3 基板側接着材料
4 感磁性導電体
5 導電性粒子
6 感磁性導電粉を含む接着材料
7 感磁性導電粉によるフィラー
8 接着材料
9 部品側感磁性導電体
10 部品側電極
11 部品本体
12 部品側接着材料
13 感磁性導電粉末
14 導電性接着材料
15 部品電極側の感磁性導電粉末を含む接着材料
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図7】

【図8】

【図5】

【図6】
