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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明 図面の簡単な説明 図面

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2000−216583(P2000−216583A)
(43)【公開日】平成12年8月4日(2000.8.4)
(54)【発明の名称】機器・システム用電線・ケ—ブルの電磁波シ—ルドテ—プ
(51)【国際特許分類第7版】

H05K 9/00
D21H 13/48
H01B 11/10
【FI】

H05K 9/00 L
D21H 13/48
H01B 11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願平11−13917
(22)【出願日】平成11年1月22日(1999.1.22)
(71)【出願人】
【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川製紙所
【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目5番15号
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝典
【住所又は居所】静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社巴川製紙所技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩
【住所又は居所】静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社巴川製紙所技術研究所内
(74)【代理人】
【識別番号】100074136
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 守
【テーマコード(参考)】

4L055
5E321
【Fターム(参考)】

4L055 AF02 AF21 AG02 AG03 AG74 AG76 AG79 AG89 AG96 AH01 AH37 AJ03 BE08 BE10 EA08 EA16 EA18 EA32 FA30 GA03 GA42
5E321 BB21 BB32 BB44 CC16 GG09


 要約


(57)【要約】
【課題】 機器・システムからの妨害波による他の機器・システムの障害を防止し、機器・システムが外来の電磁波の侵入によって誤動作や障害を発生しないようにすること。
【解決手段】 湿式抄造された金属繊維層の片面にゴム成分含有接着剤を含浸及び又はゴム成分含有接着剤層を積層してなる機器・システムに用いられる電線・ケーブルの遮蔽用電磁波シールドテープ。



 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 湿式抄造された金属繊維層の片面にゴム成分含有接着剤を含浸及び又はゴム成分含有接着剤層が積層されたことを特徴とする機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープ。
【請求項2】 繊維長1〜10mm,繊維径が1〜20μmの金属短繊維を含有するスラリーを湿式抄造してなり、未焼結又は焼結されて坪量30〜300g/m ,空隙率50〜93%であることを特徴とする請求項1記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープ。
【請求項3】 ゴム成分含有接着剤が、ゴム成分としてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、バインダー樹脂成分として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂、及び導電性フィラーとを主成分とすることを特徴とする請求項1もしくは2記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープ。
【請求項4】 ゴム成分含有接着剤が、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体100重量部に対してバインダー樹脂が20〜500重量部にして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体とバインダー樹脂の総量100重量部に対して、導電性フィラーを1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1、2、もしくは3記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープ。
【請求項5】 接着剤中に導電性のカーボン粉末、金、銀、銅、アルミニウム等の金属粉を含有せしめたことを特徴とする請求項1、2、3もしくは4記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープ。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子機器からの妨害電磁波による他の機器・システムの障害を防止し、機器・システムが外来の電磁波の侵入によって誤動作や障害を発生しないようにするための電磁シールド特性のある遮蔽用電磁波シールドテープ特に、機器・システムに使用される入出力用、インターフェイス用のケーブルに使用可能な電線・ケーブル類の遮蔽に好適な遮蔽用電磁波シールドテープに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にノイズ対策用の入出力用、インターフェイス用のケーブルには、フラットケーブル、丸型ケーブル、同軸ケーブルがある。この中でも電子機器用には同軸ケーブル(同軸コードを含む)線が多く用いられている。中でも、電磁波妨害対策用の信号伝送線としては、シールド線が一般に用いられており、特に高周波信号用には、規定の特性インピーダンスを持つ同軸ケーブルが有効で、信号線及び負荷と整合をとって使用されている。但し同軸ケーブル外被の金属編組のシールド特性は完全でないため、必要により2重シールドケーブルやセミリジッドケーブルが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに用いられるシールド用金属層は、金属編組単独もしくはアルミニウム箔と金属編組の複合等が多く実用されているが、編組は特別な機械を必要とし、ケーブル芯への被覆速度も遅いことから製品がコスト高となるという問題がある。また、電子機器間の結線には前記の電磁波シールドのないケーブルを使用し、金属箔をもってその外部を手細工で覆うということが行われており、甚だ面倒であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の問題点を解決するもので、請求項1の発明は、湿式抄造された金属繊維層の片面にゴム成分含有接着剤を含浸及び又はゴム成分含有接着剤層が積層されたことを特徴とする機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープであり、請求項2の発明は、繊維長1〜10mm,繊維径が1〜20μmの金属短繊維を含有するスラリーを湿式抄造してなり、未焼結又は焼結されて坪量30〜300g/m,空隙率50〜93%であることを特徴とする請求項1記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープであり、請求項3の発明は、ゴム成分含有接着剤が、ゴム成分としてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、バインダー樹脂成分として熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂、及び導電性フィラーとを主成分とすることを特徴とする請求項1もしくは2記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープであり、請求項4の発明は、ゴム成分含有接着剤が、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体100重量部に対してバインダー樹脂が20〜500重量部にして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体とバインダー樹脂の総量100重量部に対して、導電性フィラーを1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1、2、もしくは3記載の機器・システム用電線・ケーブルの電磁波シールドテープであり、請求項5の発明は、接着剤中に導電性のカーボン粉末、金、銀、銅、アルミニウム等の金属粉を含有せしめたことを特徴とする請求項1、2、3もしくは4記載の機器・システム用電線・ケーブルの遮蔽用電磁波シールドテープである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を図面を参照しながら説明する。図1は金属繊維層11の片面に、ゴム成分含有接着剤12Aを薄く含浸させて構成された機器・システムに用いられる電線・ケーブルの遮蔽用電磁波シールドテープを示し、図2は金属繊維層11の片面に、ゴム成分含有接着剤12Aを薄く含浸させると共に、接着剤層12を形成した場合の機器・システムに用いられる電線・ケーブルの遮蔽用電磁波シールドテープを示し、図3は金属繊維層11の片面に、ゴム成分含有接着剤層12を前記金属繊維層11に含浸させることなく接合した場合の構造を示す断面図である。
【0006】上記の各図に示された機器・システムに用いられる電線・ケーブルの遮蔽用電磁波シールドテープの材料及び製法について説明すれば、以下のとおりである。
【0007】本発明で用いられる金属繊維としては、ステンレス繊維、チタン繊維、ニッケル繊維、真鍮繊維、銅繊維、アルミニウム繊維等が使用できるが、高周波領域でのシールドは電界が主体であるので高導電材料が用いられ、低周波領域では磁界が主体となるのでアモルファス合金やパーマロイ等の高透磁率材料が用いられる。なお、細線加工、耐熱性、耐錆性、及び電磁波シールド効果の点からステンレス繊維が最も好ましい。
【0008】金属繊維の繊維径は1〜20μm、好ましくは4〜10μmであり、繊維長は1〜10mm、好ましくは2〜6mmである。結着用繊維としては、例えば水中溶解温度40〜100℃の易溶解性ポリビニルアルコール繊維が好ましい。かかる金属繊維をスラリーとして湿式抄造させ、未焼結又は焼結して、坪量30〜300g/m,空隙率50〜93%の本発明のシールドテープが得られる。
【0009】本発明の金属繊維層は、金属繊維を含有するスラリーを、湿式抄紙法により抄造し、シート化して脱水プレスおよび加熱乾燥して、一旦金属繊維高配合シートを作製する。次いで該金属繊維高配合シートを、低抵抗化をはかり、かつ金属繊維表面の酸化防止と還元効果を向上させるために、乾燥した水素ガス雰囲気下で、金属繊維の融点を超えない温度に加熱し、繊維間を焼結することにより得ることが出来る。
【0010】ここで低抵抗とは150mm×5mmの短冊状の接着剤側の抵抗値が20Ω未満の場合をいう。焼結温度は金属繊維の融点近くの温度、例えばステンレス繊維の場合は約1200℃である。ステンレス繊維を連続焼結炉で焼結する場合は、約1200℃の温度で100〜700mm/minの線速度で焼結することができる。焼結は水素ガスと不活性ガス、例えば窒素ガス、アルゴンガスの混合ガス雰囲気下で行ってもよい。もし、比較的高抵抗でもよい場合には、上記の焼結工程を省いてもよい。ここで高抵抗とは150mm×5mmの短冊状の接着剤側の抵抗値が20Ω以上の場合をいう。さらに、金属繊維層の繊維表面に、Au,Pt,Ag,Cu,Niなどの異金属を電解または無電解めっきによって薄膜を付け、電気伝導度を高めてもよい。
【0011】つぎに、金属繊維層に含浸及び又は積層するゴム成分含有接着剤は、ゴム成分とバインダー樹脂と導電性フィラーとを含有するが、ゴム成分としてはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(IR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(BR),エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM),アクリルゴム(ACM,ANM),ウレタンゴム(AU,EU)等の合成ゴムや、天然ゴムが本発明に適用されるが、中でも加硫後の物性すなわち、耐寒性、耐油性、耐老化性、耐摩耗性及び衝撃緩和性があり、低コストの観点よりアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)が好適である。該NBRとしては、ニトリル含有量が10〜45%、好ましくは20〜45%の比較的高ニトリル含有量であって、分子量5〜100万。好ましくは10〜50万のものが本発明に供される。
【0012】このゴム成分としてはアクリロニトリル−ブタジエン共重合体100重量部に対して、バインダー樹脂は20〜500重量部を配合することにより適当な硬度と接着性を有するものが得られる。バインダー樹脂が20重量部未満では、配合物に接着性が不十分であり、500重量部を超えた場合は、ゴム成分が少なすぎて固く成り過ぎる。
【0013】また、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体と、バインダー樹脂との総量を100重量部としたときに、導電性フィラーを1〜100重量部添加することにより、電磁波遮蔽機能を一層好ましいものとすることができる。導電性フィラー1重量部未満では、その配合効果は余りに小さすぎて評価することができないし、100重量部を超えた場合には、導電性フィラーの量が多過ぎて、金属繊維層に含浸しがたくなり、または積層しても接着しにくくなるので好ましくない。
【0014】さらに、バインダー樹脂として熱硬化性導電性接着剤を使用する場合の主剤樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂が使用される。また、該バインダー樹脂中には例えば、2−エチル−4(5)メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4(5)メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾールアジン、2−ウンデシルイミダゾールなどのイミダゾール類からなる潜在性硬化剤を含める必要がある。それらに加えて、一定レベルの導電性を発現させたい場合には、導電性フィラーを含めた接着剤である必要がある。ゴム成分含有接着剤に含有させる導電性フィラーとしては、Au,Pt,Pd,Ag,Cu,Niなどの金属粉、カーボン、グラファイト及びそれらの複合粉などが使用できる。また、フェライト粒子を混ぜて磁界遮蔽対策を施してもよい。
【0015】また、バインダー樹脂として熱可塑性導電性接着剤を使用する場合には、熱可塑性の主剤樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が使用される。熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤のどちらもゴム成分が含有されているために、タック性があり、電線・ケーブルの被覆の外側にテープを巻いた後に、テープが解けることがなく、作業性が向上する。
【0016】金属繊維層の片面にゴム成分含有接着剤を含浸させるには、通常の塗工機及び含浸機にて接着剤を塗布、含浸後乾燥すれば良い。一方、ゴム成分含有接着剤層を金属繊維層に積層するには、剥離用ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに該接着剤を塗工機によって塗布乾燥して接着剤層を形成し、しかる後金属繊維層を該接着剤層の表面に重ね合わせ加熱圧着することにより実施することが出来る。この場合の加熱圧着温度はバインダー樹脂が熱硬化性か熱可塑性か、またはその融点等で選択して設定される。なお、熱硬化性の場合は半硬化の状態にコントロールされる。
【0017】このようにして作製された本発明のシールドテープを電線・ケーブルに巻き付けるには、予め適度の幅にカットされて形成された長尺状のテープを導体外側の外被面にスパイラル状に巻き付ける。その際、前記剥離用PETフィルムは剥離される。また、スパイラルは、常に二重に重ね合わせた厚みの均一な状態にすると、インピーダンス変化が少なくシールド効果が良い。なお、最適なテープ幅は電線・ケーブルの太さに依存する。
【0018】
【実施例】実施例1
ゴム成分含有接着剤として下記の熱硬化型導電性接着剤を用いた。なお、「部」は「重量部」を意味する。
・アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 50部
・ビスフェノールA型レゾールフェノール樹脂 50部
・カーボン粉末 70部
【0019】上記の接着剤をメチルエチルケトン(MEK)600部に分散し、この分散液を剥離用ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、熱風循環型乾燥機で150℃、5分間乾燥し、ゴム成分含有接着剤層を得た。なお、分散液の塗布量は、乾燥後の接着剤層の厚さが35μmとなるように調整した。一方、繊維径8μm、繊維長5mmのステンレス繊維75部と結着用繊維(クラレ社製、商品名:クラレビニロンフィブリッドVPA)25部をスラリー化したものを湿式抄造して金属繊維高配合シートを作製し、さらにこれを焼結することによりステンレス繊維シートからなる金属繊維層を作製した。この金属繊維層は坪量50g/m 、空隙率78%、厚み35μmであった。
【0020】上記のPETの表面のゴム成分含有接着剤層と金属繊維層とを熱ラミネーターを使用して、ラミネートスピード1m/min、温度100℃の条件で貼り合わせた。なお、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体としては、Mnが62,000、Mw/Mnが12.29、(日本ゼオン社製、商品名:NIPOL1001)を使用し、また、ビスフェノールA型レゾールフェノール樹脂としては昭和高分子工業社製、商品名:CKM−908を使用し、さらに、またカーボン粉末としてはアセチレンブラック(吸油量125ml/100g、電気化学工業社製、商品名:デンカブラックHS−100)を使用した。この剥離用PETが裏打ちされた接着剤層付き金属繊維シートを幅5mmにスリットしてテープ状にして本発明の電磁波シールドテープを得た。その後、導体外側の絶縁層に前記剥離用PETフィルムを剥がしながらスパイラル状に本発明のシールドテープを巻付け、150℃、5分間加熱して硬化させてシールド層を作った。
【0021】比較例
実施例1において 焼結して得た金属繊維層に対してゴム成分含有接着剤層を積層することなくそのまま幅5mmにスリットし、比較用のシールドテープを作成した。そのテープを2mmφの導体に巻きつけた。
【0022】実施例と比較例を比較したところ、シールドテープ巻き作業性、テープ切れトラブル、電線・ケーブルへの損傷が実施例では見られなかったが、比較例のそれでは見られ、特にシールドテープ巻き作業性が不良であった。
【0023】本発明によるテープの接着剤側を内側にして、電線・ケーブルを包む絶縁体の外側を長手方向に巻付け、接着剤により電磁波シールド層を設けることによって、インターフェイスその他電気・電子機器に用いられ電線・ケーブルなどへ応用を拡大することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明による電磁波シールドテープは、使用する金属繊維材料により高周波から低周波まで有効なシールド材が得られ、特に金属繊維層に含浸及び/又は積層されるゴム成分含有接着剤層を有するので、製品である電磁波シールドテープに可撓性が付与され、金属繊維層を保護する機能があり、電線・ケーブルの周囲に密巻きすることが容易で、これを用いることにより好ましい遮蔽効果を達成することができる。


 図面の簡単な説明


【図面の簡単な説明】
図1】本発明の一実施例の断面図。
図2】本発明の一実施例の断面図。
図3】本発明の一実施例の断面図。
【符号の説明】
11 金属繊維層
12 ゴム成分含有接着剤層
12A ゴム成分含有接着剤


 図面


【図1】

【図2】

【図3】