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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明 図面の簡単な説明 図面

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2000−212452(P2000−212452A)
(43)【公開日】平成12年8月2日(2000.8.2)
(54)【発明の名称】石炭灰含有樹脂組成物及びその成形装置
(51)【国際特許分類第7版】

C08L101/00
B29C 33/00
C08F 2/48
C08K 3/00
// B29C 45/00
【FI】

C08L101/00
B29C 33/00
C08F 2/48
C08K 3/00
B29C 45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願平11−16413
(22)【出願日】平成11年1月26日(1999.1.26)
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号
(72)【発明者】
【氏名】林 宣也
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内
(72)【発明者】
【氏名】小森 孝一
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋機器製作所内
(74)【代理人】
【識別番号】100060069
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚男 (外2名)
【テーマコード(参考)】

4F202
4F206
4J002
4J011
【Fターム(参考)】

4F202 AA44 AB16 CA11 CB01 CK41 CN01
4F206 AA44 AB16 JA07 JD01 JD04 JN43 JQ81
4J002 BE041 CD021 CD051 CD191 CF271 DJ017 DL007 DM007 EV296 EY026 FD017 FD146
4J011 QA08 QB14 QC05 SA83 SA87 TA06 TA09 UA01 UA02 UA03 UA04 UA06 UA09 VA04 WA07 WA10


 要約


(57)【要約】
【課題】 エネルギー線硬化により火力発電プラント等の産業廃棄物である石炭灰の再利用を可能にしたエネルギー線硬化樹脂の石炭灰組成物及びその成形装置を提供する。
【解決手段】 光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂混合物と、石炭灰とを含むことを特徴とする石炭灰含有樹脂組成物、並びに、金型へエネルギー線硬化型樹脂を含む組成物を送り込む注入機構と、光透過型の金型と、金型への光の導入部とを有することを特徴とする樹脂組成物の成形装置。



 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂混合物と、石炭灰と、を含むことを特徴とする石炭灰含有樹脂組成物。
【請求項2】 上記エネルギー線硬化型樹脂混合物が15重量%以上の割合で含まれることを特徴とする請求項1記載の石炭灰含有樹脂組成物。
【請求項3】 金型へエネルギー線硬化型樹脂を含む樹脂組成物を送り込む注入機構と、光透過型の金型と、金型への光の導入部と、を有することを特徴とする樹脂組成物の成形装置。
【請求項4】 上記注入機構が、加圧機構であることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物の成形装置。
【請求項5】 上記加圧機構が、ブランジャ方式の機構からなることを特徴とする請求項4記載の樹脂組成物の成形装置。
【請求項6】 上記加圧機構が、スクリュー方式の機構からなることを特徴とする請求項4記載の樹脂組成物の成形装置。
【請求項7】 上記樹脂組成物への光の照射前に、注入機構または金型のいずれかの部分に、予熱機構を設けたことを特徴とする請求項3〜6に記載の樹脂組成物の成形装置。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線硬化型の石炭灰含有樹脂組成物及びその成形装置に関し、さらに詳しくは、エネルギー線硬化により火力発電プラント等の産業廃棄物である石炭灰(フライアッシュ等含む)の再利用(リサイクル)を可能にしたエネルギー線硬化樹脂の石炭灰組成物及びその成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭灰リサイクル製品には、例えば屋根瓦、植木鉢、建築材等があるが、マトリクス樹脂にはフェノール樹脂などの熱硬化樹脂や常温硬化樹脂を使用している。しかしながら、石炭灰リサイクル製品のマトリクス樹脂にはフェノール樹脂等の熱硬化樹脂や常温硬化樹脂を使用しているため、他の充填材含有硬化型樹脂製品同様、製作に時間と費用がかかり、製作費を始め製品単価が高いものとなっていた。そして、生産性が低い点も問題であった。
【0003】一方、近年、UV硬化樹脂に代表されるエネルギー線硬化樹脂は様々な分野・用途に使用されているが、かかる樹脂は一定量以上のエネルギー線が照射された部位のみを硬化する。そして、UVに代表されるエネルギー線は、樹脂を透過する過程で減衰するので樹脂の深部まで到達し難いか、あるいはエネルギー線と同等の波長を吸収する物質等によって減衰や吸収が大きい等の特性を有する。従って、光硬化樹脂は、エネルギー線の到達する表層数μm〜mmのみしか硬化せず、深部は未硬化のため厚肉材への適用が困難か又は不可能という問題、また、エネルギー線の透過障害となるフィラー等を含有する樹脂の場合、容易に硬化阻害が発生し硬化不能に陥るという問題等を有していた。これらのことから、利用範囲もフォトレジスト、コーティング、塗料、接着剤、ワニス等の分野に限定されていた。かかる問題点の解決策の代表的な例としては、高UV硬化性樹脂(三菱レイヨン株式会社、活性エネルギー線硬化性組成物、特開平8-283388号公報)やUV・加熱併用硬化型樹脂(旭電化工業株式会社:オプトマーKSシリーズ、日立化成工業株式会社:ラデキュア、東洋紡績:UE樹脂、特公昭61-38023号公報等)等がある。
【0004】しかしながら、高UV硬化性樹脂は、フィラー等によりエネルギー線がブロックされた場合、硬化不能に陥るという問題点は依然として残っていた。また、UV照射後加熱するUV・加熱併用型樹脂は、エネルギー線による硬化能力は従来の光硬化樹脂レベルであり、厚肉硬化やフィラー含有硬化の問題点は何等解決されておらず、かかる問題点には光硬化後(表層のみ)に行う加熱による熱硬化で対応しており、かかる問題点を解決できていないのが現状であった。仮に、上述のエネルギー線遮蔽性物質を含有したりエネルギー線の減衰、吸収が大きい厚肉の樹脂を迅速に硬化出来る技術が確立できた場合、従来利用分野だけでなく、かかる光硬化樹脂の問題点によりこれまで適用不可能だった様々な他分野への適用が可能であるが、その1つとして熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂が大部分を占めるFRP、特にCFRP用マトリクス樹脂が挙げられる。FRP特にCFRPを成形する場合の問題点としては、温度制御が複雑で硬化に長時間を要するため加工コストが高いこと、大型FRPを硬化させる際には大型の加熱炉を必要とすること、常温下で短時間に硬化可能な樹脂の場合は成形に長時間を要する大型FRPに使用できないこと、樹脂粘度の温度変化により樹脂含浸状態が変化し、成形が困難であること、残留溶剤により樹脂硬化時にボイドが発生し成形晶の品質が低下すること等がある。
【0005】最近、かかる問題点の解決策としてマトリクス樹脂への光硬化樹脂の利用が注目されている。かかるマトリクス樹脂硬化方法の代表的な例としては、特にロックタイトコーポレイションのUV硬化と加熱硬化を併用したフィラメントワインディング成形法(ロックタイトコーポレイション、繊維/樹脂組成物及びその調製法、特表平7-507836号公報)を挙げることができる。しかしながら、かかる組成物を用いたFRPの成形法は、樹脂を含浸した未硬化のFRPにUVを照射して表面を硬化並びに内部を極度に増粘(ゲル化)させ、形状並びに含浸状態の保持をある程度可能とさせた後、加熱により完全に硬化させるものである。従って、従来の勲可塑性あるいは熱硬化性樹脂による製造方法と比較して樹脂粘度の温度変化が極めて微小で且つ含浸後のハンドリングが容易であるが、完全硬化には加熱硬化過程が必要であるため、加熱硬化に要する光熱費や作業時間等による加工コストの問題や硬化完了に長時間を要する問題、更に大型FRPの成形には大型の加熱炉が必要な点などは未解決である。
【0006】同様に、単純に熱硬化樹脂をエネルギー線硬化ポリマーに置き換えた場合、混合される石炭灰やセラミック等が、紫外線(UV)、電子線(EB)、赤外線、熱線、レーザー光線(エキシマ、アルゴン、CO2等)可視光線、太陽光線、X線等に代表されるエネルギー線を通さないため、硬化させて成形することが不可能であった。そして、仮に、光ファイバー等を有する金型を用いても、光が内部まで透過しないので、液状のまま硬化せず、石炭灰等が高充填した組成物を製造することはできなかった。また、従来の光硬化型の樹脂を用いたのでは、単に硬化しただけで圧力を加えられず、強度等に優れた製品を提供するのは困難であった。すなわち、圧力を加えるためには金属型を使う必要が生じるが、従来の装置を用いたのでは、光そのものが照射できず、通常、成形加工は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問題点に鑑み、石炭灰のような光を通さないものを高充填した組成物であっても、完全に光硬化させることができる組成物、さらにはその光硬化に用いることができる装置を開発すべく、鋭意検討した。その結果、本発明者らは、特定のエネルギー線硬化型の樹脂混合物を用いて石炭灰含有樹脂組成物を調製することによって、かかる問題点が解決されることを見い出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、光重合性樹脂および光重合開始剤系を含有するエネルギー線硬化型樹脂混合物と、石炭灰と、を含む石炭灰含有樹脂組成物を提供するものである。ここで、上記エネルギー線硬化型樹脂混合物は15重量%以上の割合で含まれることが好ましい。また、本発明は、金型へエネルギー線硬化型樹脂を含む組成物を送り込む注入機構と、光透過型の金型と、金型への光の導入部と、を有する樹脂組成物の成形装置を提供するものである。ここで、上記注入機構は加圧機構であることが好ましく、該加圧機構はブランジャ方式の機構もしくはスクリュー方式の機構からなることが有効である。さらに、このような樹脂組成物の成形装置では、樹脂組成物への光の照射前に、注入機構または金型のいずれかの部分に、予熱機構を設けてあることが好適である。
【0009】本発明によれば、石炭灰リサイクル製品のマトリクス樹脂に、エネルギー線により樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず硬化可能で板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物を使用し、エネルギー線によりかかる製品を硬化させることができる。従って、本発明は、石炭灰リサイクルの際、紫外線(UV)、電子線(EB)、赤外線、熱線、レーザー光線(エキシマ、アルゴン、CO2等)可視光線、太陽光線、X線等に代表されるエネルギー線により、樹脂組成物中のエネルギー線を遮蔽する遮蔽物質(エネルギー線遮蔽物質)の有無に関わらず、板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物を石炭灰製品のマトリクス樹脂として用いることで、強化繊維の種類や板厚に関係なく石炭灰含有樹脂製品の易成形性、短時間成形、生産性向上、低加工コスト化、低設備費、低ランニングコスト化等を可能にする。
【0010】そして、これらを可能にするための本発明の樹脂組成物としては、エネルギーを付与又はエネルギー線を照射した際、これらとは別に硬化に有効なエネルギーを樹脂内部に自己発生させる樹脂組成物、更に硬化に有効なエネルギーを樹脂内部に連続的に自己発生させる樹脂組成物、これら硬化に有効なエネルギーとして熱エネルギーを樹脂内部に自己発生或いは連続的に自己発生させる樹脂組成物、これら熱エネルギーとして硬化反応熱を積極的に発生或いは連鎖反応的に硬化反応させて連続的に自己発生させる樹脂組成物、これら一連の硬化反応に、カチオン、ラジカル、アニオンを利用する樹脂組成物、樹脂内部にカチオンと硬化反応熱を積極的に発生或いは連続的に自己発生させる樹脂組成物等が挙げられる。以下、本発明について、詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。実施の形態(その1)本発明の石炭灰含有樹脂組成物は、カチオン系光重合開始剤および光重合性ポリマーを含むエネルギー線硬化型樹脂混合物(連鎖硬化樹脂)と、石炭灰とから構成される。本発明の石炭灰含有樹脂組成物の組成比は、エネルギー線硬化型樹脂混合物が15重量%以上の割合で含まれることが好ましい。具体的には、例えばフライアッシュ400g(80重量%)に対して、上記エネルギー線硬化型樹脂混合物100g(20重量%)の割合、あるいは、フライアッシュ425g(85重量%)に対して、エネルギー線硬化型樹脂混合物75g(15重量%)の割合において、エネルギー線照射により容易に硬化する。
【0012】これに対し、エネルギー線硬化型樹脂混合物が15重量%未満、石炭灰が85重量%を越える組成比では、迅速かつ確実な硬化は困難であり好ましくない。そして、エネルギー線硬化型樹脂混合物5重量%、石炭灰95重量%程度では硬化自体が行われない。逆に、硬化した成型物としてはその用途によって、配合する樹脂の量が大きく異なっていても良く、その組成比は特に限定されるものではない。よって、エネルギー線硬化型樹脂混合物が15重量%以上であれば、該樹脂の量比をどの程度にするかはケースバイケースであり、用途によって好ましい組成比が決定される。一般に、上記組成比の範囲内においては、石炭灰を多く配合した場合、得られる成型物は硬く強度高くなり、一方、樹脂を多く配合した場合、軟らかくなる。ここでは先ず、上記エネルギー線硬化型樹脂混合物について説明する。
【0013】本発明で用いられるエネルギー線硬化型樹脂混合物(連鎖硬化樹脂)には、カチオン系光重合開始剤系および光重合性樹脂が含まれる。ここで、光重合性樹脂はオリゴマーとも表現されるが、特に、カチオン系光重合性ポリマー又は光重合性エポキシポリマーの適用が好ましい。この種の光重合性ポリマーの具体例としては、脂環式エポキシ、グリシジルエーテル型エポキシ、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。また、上記光重合性樹脂には、カチオン系光重合性モノマーや光重合性エポキシモノマーが含まれていてもよく、そのような光重合性モノマーの具体例としてはエポキシモノマー、アクリルモノマー、ビニルエーテル、環状エ一テル等が挙げられる。そして、上記具体例の中でも光重合性樹脂としては、光重合性脂環式エポキシポリマーや光重合性脂環式エポキシモノマーを含有することが好ましく、光重合性脂環式ポリマーとしては、特に脂環式エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
【0014】また、上記光重合開始剤系には、少なくとも2成分からなる光重合開始剤が用いられ、光重合開始剤としては、カチオン系光・熱重合開始剤又はカチオン系光重合開始剤が含まれる。そして、具体的には、カチオン系光重合開始剤としてアリール系スルホニウム塩タイプ(トリアリールスルホニウム塩等の光開始剤)の少なくとも一種と、カチオン系光・熱重合開始剤としてスルホニウム塩の少なくとも一種と、を含む少なくとも2成分からなる光重合開始剤系が好適に用いられる。
【0015】本発明におけるエネルギー線硬化型樹脂混合物の好ましい混合比は、光重合性樹脂(光重合性のオリゴマーやモノマー)100重量部に対し、少なくとも2成分からなる光重合開始剤系(反応触媒系)成分が0.5〜6.0重量部、より好ましくは1.5〜3.5重量部で、且つ、光重合開始剤系成分を構成する光・熱重合開始剤/光重合開始剤の重量比が1〜4、より好ましくは1.3〜3.5である。少なくとも2成分からなる光重合開始剤の割合が0.5重量部未満では、その光重合開始の効果が殆どなく、全体に対する量が少ないためそのものが機能しにくい。一方、6.0重量部を超えても光硬化機能そのものは変わらず、コストの面等からも6.0重量部以下が好ましい。また、カチオン系光・熱重合開始剤/カチオン系光重合開始剤の重量比が1より小さいと、硬化初期の発熱が得られにくく、本発明の特徴である硬化機能が発揮しにくいため樹脂表面のみの硬化となりので好ましくない。一方、この重量比が4を超えると硬化特性、特にその発熱特性が異常に高まるため急激な発熱硬化により樹脂が発泡するという問題が生じて好ましくない。
【0016】エネルギー線硬化型樹脂混合物の混合パターンとしては、本発明の範囲内であれば特に限定されることなく用いられるが、具体的には、以下のようなエネルギー線硬化型樹脂混合物が好ましい態様として挙げられる()。これらは、いずれも本発明の好ましい実施の形態であり、容易かつ迅速に硬化するという特性を有しており、本発明で用いられるエネルギー線硬化型樹脂混合物の基本形である。
【0017】セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチル−3,4一エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI-80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を混合したもの、
セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4一シクロヘキシルメチル−3,4一エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)50重量部に対し、エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製:ビスフェノールA型エポキシ)50重量部、サンエイドSI-80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.75重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.75重量部を混合したもの、
【0018】セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製:脂環式エポキシ樹脂;3,4−シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)100重量部に対し、サンエイドSI-80L(三新化学(株)製:カチオン系光・熱重合開始剤)1.50重量部、DAICAT11(ダイセル化学工業(株)製:カチオン系光重合開始剤;アリール系スルホニウム塩)0.50重量部、4,4'−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート0.50重量部、2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート0.50重量部を混合したもの、などが好適な混合物に挙げられる。
【0019】上記のエネルギー線硬化型樹脂混合物に硬化可能な範囲で添加することのできる添加剤としては、エネルギー線遮蔽性物質〔例えば炭素及び炭素繊維(短繊維、長繊維、連続繊維、カーボンクロス等)、無機フィラー、金属粉等の石炭灰以外の遮断性物質〕、及び各種フィラー、有機成分、光増感剤、反応性希釈剤、先鋭感剤等慣用される添加剤を一種以上添加することができる。
【0020】次に、本発明で用いられる石炭灰等について説明する。本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤系および光重合性樹脂を含むエネルギー線硬化型樹脂混合物(連鎖硬化樹脂)と、石炭灰とから構成される。石炭灰には、無機物含有物としてフライアッシュと呼ばれるもの等が広く含まれる。フライアッシュとしては、種々のものが考えられるが、通常、火力発電所等から排出されたようなフライアッシュについて適用され、ガラス(シリカ)粒子のセラミックを含むような構成からなるものである。石炭灰の量比は多く、本発明の石炭灰含有樹脂組成物中、85重量%以下の広い範囲で、成型物の用途に合わせて使用される。例えば、フライアッシュ400gに対し、上記エネルギー線硬化型樹脂混合物が入る割合が15重量%以上であれば限定されないが、好ましくは80g〜400g、より好ましくは100g〜200gである。フライアッシュのリサイクルの点からはフライアッシュの比率が高い方がよいが、これらの比は対象とする製品の要求仕様にあわせて決定する必要があり、一般的にフライアッシュが多い剛性・強度・耐熱性等の物性が高く、フライアッシュが少ないと易成形性と考えられる。
【0021】また、本発明の樹脂組成物は、エネルギー線硬化型樹脂混合物および石炭灰以外に、補強用繊維や色素等が含まれていても良く、それらの量比は特に限定されるものではないが、例えば、石炭灰400g,エネルギー線硬化型樹脂混合物100gの場合に、補強用繊維を約0.5〜5g,色素を5〜50g程度混合するのがよい。
【0022】上述した組成からなる本発明の石炭灰含有樹脂組成物は、熱または光によって硬化し、あるいは熱および光の両方によっても硬化する。硬化に際しては、連鎖反応型であり、外部からのエネルギーとともに、樹脂組成物内部で自己発生する別のエネルギーによって硬化が進行する。したがって、エネルギー線の照射の仕方によって、硬化の仕方の変化してくるが、従来の熱硬化型の組成物に比較すると格段に速く硬化が進行する。また、エネルギー線照射の際に熱を与えれば(例えば120℃程度)、さらに容易に硬化を制御することができる。
【0023】硬化条件として、具体的には、光源、時間等が変化する。樹脂組成物に対し、エネルギー線を照射する際には、硬化時の加熱条件を適宜最適な条件に変更できる。また、硬化前に、樹脂組成物を予備加熱しておき、その後、エネルギー線を照射して成形することも可能である。予備加熱した場合には、より短時間(通常の約1/2〜2/3)で硬化可能となる利点がある。エネルギー線として、紫外光(UV)を用いて照射を実施の際、例えば以下のような必要条件を満たすことにより、UV照射による硬化ができる。
硬化条件:
ランプ種類:メタルハライドランプ、 ランプ強度:120W/cm
ランプ長:250mm、雰囲気・温度・圧力:空気中・室温・大気圧
照射距離:20cm、 照射時間:5分間[5分間で硬化完了]
【0024】本発明の樹脂組成物を用いれば、光を通さない石炭灰を高充填した成型物であって、強度等にも優れた製品は提供できる。本発明の樹脂を用いれば、高充填した組成物を硬化させることができ、かつ、圧力を加えた良製品ができる。これは、圧力を加えることによって、細部にも十分に樹脂組成が行き渡り、かつ、十分に密に詰まった組成物となり、強度を有する製品ができるからである。
【0025】実施の形態(その2)
装置的には、通常の金型を有する成形装置では、光を用いた硬化方法は採用できない。上記本発明の石炭灰含有樹脂組成物の成形に際しては、圧力を負荷できて、且つ、光照射することができるような装置が必要になる。そこで、本発明の成形装置としては、例えば図1図3にあるような光ファイバーを有する成形装置が挙げられる。これらの図1図3の装置では、可動金型に穴を開けて、そこから光ファイバーを通して照射する方法を採用している。以下、上記石炭灰含有樹脂組成物の成形方法とともに、本発明の成形装置について説明する。
【0026】本発明の成形装置には、注入機構としていくつかの機構が採用できるが、図1には、その一例として注入機構がスクリュー方式であるスクリュー型射出成形装置を示す。この装置には、ホッパー20,スクリュー18等が設けられており、射出成形するために単に押し出すだけではなく、スクリュー18の先端が弁11付きになっている。先ず、樹脂組成物をホッパー20に貯め込んだら、圧力をかけて、押し出す。押し出すには、そのためのシリンダー19が用意され、スクリューを回すためのモーター23も用意される。
【0027】そして、シリンダー19の先端には、樹脂組成物を貯め込んでいる間、流れ込んで固まってしまっては困るので、回転弁11が設けられている。回転弁11を締め切った状態で、樹脂を送り込んでいくと、樹脂が一定量蓄積したら、回転弁11を回して、樹脂組成物を押し出す。押し出された側には、成形すべき形状の金型1,2が設けられている。ここで、上記実施の形態(その1)の樹脂組成物を金型内に打ち込んだ後には、硬化させるために光を照射しなければいけない。本発明の成形装置においては、図1の右側の金型が固定金型1であり、左側が可動金型2である。可動金型2が前進すれば、成形品キャビテ3が出来上がり、可動金型2が後退すれば、空間が開いて、インジェクターがでて出来上がった製品を抜き取る。
【0028】本発明の成形装置では、原料の供給工程が重要である。原料供給では、上述したエネルギー線硬化型樹脂混合物と石炭灰とを、ホッパー20で混ぜ込んで投入する。この際の粘度は特に限定されないが、通常3分程度の粘性の少ない状態のものである。石炭灰をホッパー20の中に入れながら、上記樹脂や触媒を含む樹脂混合物を別々に入れて、かき混ぜる。具体的には、例えばホッパー20の中に一気に一定比率で混合物や石炭灰を投入しておいて、ホッパー20、それに続くスクリュー18で、よくかき混ぜることにより、石炭灰含有樹脂組成物とする。
【0029】一方、現在では熱可塑性樹脂だけでなく、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂等)についても、射出成形機(エクストルーダー)を用いて射出成形が行われている。したがって、本発明の樹脂組成物を硬化させるのに好適な成形器は、特に、金型部においてエネルギー線(UV光,可視光等)による照射が可能な点に特徴がある。迅速な硬化を主に考慮する場合には、エネルギー線はUVとすることが好ましい。図1に示された成形器は、UV光源の光を、光ファイバーを用いて金型内に導き、成形品を製造するものである。ここでは、可動金型2に穴をあけて、光ファイバー7を通してある。
【0030】樹脂を含む成型品を作製する際に、圧力を加えたものは大変良い性能を発揮し、このような圧力を加えられるのが射出成形を行うメリットである。それは、成形品の中身が、密に詰まって、密度の高いものが出来るからであり、強度その他の品質が向上するからである。本発明の成形装置を用いれば、可動金型2および固定金型1によって、硬化の際に十分な圧力を加えることが可能であり、強度等に優れた製品を得ることができる。そして、金型内での圧力の強弱は、製品の要求される強度等との兼ね合いで決定される。強度が要求される場合には、高圧力を負荷する必要があるが、エネルギーを要するのでコスト的には高くなる傾向にある。
【0031】ここで、図1における光源とコネクターとの関係について説明する。コネクター9は、複数の光ファイバー7を束にして1本にまとめる役割を有しており、光源8の近傍に配置される。光ファイバー7は、UV光を通す材料であれば良い。また、細い光ファイバー7の束であっても、より太い光ファイバー7を用いて一度に照射しても良い。但し、均一に照射するには、複数の細い光路を設けた光ファイバー7を用いることがより好ましい。光ファイバー7を用いることで、同様の硬化作用を有する同一光源の光を任意に方向を変化させて、光路を自由に曲げて、金型内に光を誘導することができる。また、光ファイバー7はエネルギーのロスが少なく、効率が良い。但し、ガラス等を用いることも可能である。
【0032】金型内における光路の確保の仕方としては、例えば、金型そのものに穴を開けて、そこに、光ファイバー7を埋める、あるいは、ガラスを埋めることができるが、金型の形状によって適宜選択できる。金型が真っ直ぐに穴(光路)を開けられるのであれば、金型の入り口までは光ファイバーで光を移動して、金型内の光路はガラスという構成でも良い。すなわち、ガラス等の材料であっても、光路が真っ直ぐで、周囲が金属であるので、喪失される光が少ないのであれば、ガラス等を用いることも十分に可能である。よって、金型の中では、光ファイバーを用いなくても、光路の確保ができ、樹脂組成物ある成形品キャビテ3の箇所まで、高価な光ファイバー7を用いる必要性はない。したがって、例えば金型の入り口までは光ファイバーを用いて、金型内部では、一定の反射効率を満たすガラス等の材料により光路が設けられる態様が考えられる。
【0033】実施の形態(その3)
本発明の成形装置は、エネルギー線(例えば、UV、可視光等)の光路を有する特定の金型と、例えばスクリュー方式等の注入機構(好ましくは加圧装置)と、金型への光の導入部と、からなる装置である。ここで、本発明では、上記実施の形態(その2)のような構成が好ましい一例であるが、上記特定の金型と組み合わせた樹脂組成物の注入機構好ましくは加圧機構としては、幾つかの機構が適用できる。すなわち、上記スクリュー18や固定金型1については、本発明の成形装置において、他の形態のものと置き換えることができる。ここでも、光の送り方を決める光透過型の金型である可動金型2と、、光ファイバー7等の光の導入部等の送り装置は、上記実施の形態(その2)と同様である。
【0034】注入機構としては、圧力を加えた状態で金型内に樹脂組成物を導入できる装置(加圧装置)、例えば、図1の逆止弁付きスクリュー装置が挙げられ、逆止弁として、スクリュー先端にチェックリング16がある。そして、このチェックリング16があると樹脂組成物が流れていかないので、溝12が切ってある構造である。一方、注入(導入)の際の圧力は必ずしも必要ではないが、石炭灰等を含む組成物を注入するには、通常、ある程度の圧力が必要とされる。金型内に行き渡るように、注入出来ればよい。
【0035】このようなことから、スクリュー方式に限らず、一般的に、石炭灰と混合樹脂とを投入して、攪拌し(攪拌部があり)、金型への注入(例えばピストン等)ができる装置であれば良く、例えば図2に示すようなブランジャ方式の注入機構が挙げられる。また、図2のブランジャ方式と同じような方式として、金型に流し込んでから、プレスで圧力を加える、図3に示すようなプレス成形用の装置を応用した態様も可能である。
【0036】これらいずれの注入機構を使用する場合にも、金型、シリンダー、ブランジャ等を予めある程度、予備加熱しておくことが好ましい。例えば、スクリュー方式を用いる場合には、予めスクリューを加熱しておくことができるが、このように硬化前に、予熱レベルの温調を行うことにより、効率的に成形が可能である。成形過程における予熱は、金型等を予熱しておいても良いし、樹脂組成物自体を予熱しておいても良い。
【0037】本発明で用いられる樹脂系は、連鎖反応型なので、熱を加えると、樹脂組成物自体が発熱して、徐々に硬化していく傾向にある。最初に、エネルギー線を照射すると、エネルギー照射量(ジュール)は積算されるので、そこは反応(硬化)して、樹脂の温度は上昇していく。そして、一定の温度を超えると、熱硬化(パターン)樹脂自体の反応になるので、硬化速度が変化するのである。すなわち、第一に、予熱をしておくということは、一定の温度に達っして熱硬化するまでの時間を短縮できる利点がある。硬化が始まる前(熱反応する前)の時間を短くできるので、硬化反応を迅速に開始できる。但し、樹脂組成物の硬化自体は、金型内で行わなければならない。また、第二に、成形の周囲の温度が上昇していれば、樹脂組成物が硬化して、樹脂自体がエネルギーを自己発生して熱を発する際に、すぐに、周囲をさらなる一定の温度にまで熱することができ、硬化時間そのものが極端に短くなる。そして、硬化が始まった後(熱硬化反応開始後)の時間も短くでき、硬化反応を迅速に進行させられる。
【0038】したがって、例えばスクリュー方式(エクストルーダー)の場合には、供給ホッパー20の部分、スクリュー18の部分、あるいは金型1,2の部分などに予熱を行うことが効果的である。予熱温度としては、上記実施の形態(その1)の組成物では、しきい値が約100℃(80〜120℃)程度なので、これより低い温度である必要がある。但し、この温度に近い範囲では、スクリュー内での摩擦等によっても、ある程度の熱がでるために、装置内で硬化が開始してしまうおそれがあり、これらを回避するには、通常約60℃程度が好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、石炭灰リサイクル製品のマトリクス樹脂に、エネルギー線により樹脂組成物中のエネルギー線遮蔽物質の有無に関わらず硬化可能であり、板厚の厚いものでも硬化可能な樹脂組成物は熱硬化樹脂を使用し、エネルギー線によりかかる製品を硬化させることができる。また、本発明はかかる製品に限らず、他のフィラー高充填製品にも応用可能である。これにより、本発明は、
エネルギー線硬化により短時間(数分レベル)で硬化可能。この為生産性向上や低コスト化が期待できる。
エネルギー効率が良く、ランニングコストが安い。
UVランプ等設備が小型で費用&場所を必要としない。
等の優れた利点を有する。


 図面の簡単な説明


【図面の簡単な説明】
図1】図1は、本発明に係る成形装置の一例として、注入機構がスクリュー方式であるスクリュー型射出成形装置の断面図である。
図2】図2は、本発明の成形装置に用いられる注入機構の一例として、ブランジャ方式注入機構の断面図である。
図3】図3は、本発明に係る成形装置の一例として、プレス成形用装置に応用した態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定金型
2 可動金型
3 成形品キャビテ
4 ダイヘッド
5 プラタン
7 光ファイバー
8 UV光源
9 コネクタ
10 シート
11 回転弁
12 溝
13 通路
14 ガス抜け溝
15 ガス溜まり
16 チェックリング
17 スクリューチップ
18 スクリュー
19,28 シリンダー
20 ホッパー
21 油圧シリンダー
22 油圧ピストン
23 油圧モーター
24 加熱バレル
25 攪拌スクリュー溝
26 攪拌スクリュー
27 ヒーター
29 ブランジャ
30 空間部
31 ノズル
32 チェック弁
33 ラム
34 インロー
35 ボルト
36 溝
37 注入口
38 ベッド


 図面


【図1】

【図2】

【図3】