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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明 図面の簡単な説明 図面

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平11−68900
(43)【公開日】平成11年(1999)3月9日
(54)【発明の名称】携帯電話機の受話音質調整用具
(51)【国際特許分類第6版】
H04M 1/02
H04B 1/38
H04Q 7/32
H04M 1/03
H04R 1/28 310
【FI】

H04M 1/02 C
H04B 1/38
H04M 1/03 C
H04R 1/28 310 B
H04B 7/26 V
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願平9−225363
(22)【出願日】平成9年(1997)8月21日
(71)【出願人】
【識別番号】390010179
【氏名又は名称】埼玉日本電気株式会社
【住所又は居所】埼玉県児玉郡神川町大字元原字豊原300番18
(72)【発明者】
【氏名】内田 亜紀子
【住所又は居所】埼玉県児玉郡神川町大字元原字豊原300番18 埼玉日本電気株式会社内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武


 要約


(57)【要約】
【課題】 フィルター回路等の電気回路を新たに追加する必要が無く、しかも構成が簡単で取り扱いが容易な携帯電話機の受話音質調整用具を提供する。
【解決手段】 携帯電話機11の筐体12に設けられたイヤピース部13に取り付けることによりイヤピース部13の受話音質を調整する用具であり、イヤピース部13に形成された音孔14に挿入・取り出しを行なうことにより音孔14の面積を調整する音質調整部材16を備えたことを特徴とする。



 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯電話機の筐体に設けられたイヤピース部に取り付けることにより該イヤピース部の受話音質を調整する用具であって、
前記イヤピース部に形成された音孔に挿入・取り出しを行なうことにより該音孔の面積を調整する音質調整部材を備えたことを特徴とする携帯電話機の受話音質調整用具。
【請求項2】 前記音質調整部材には、その側面に挿入深さを調整するための突部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機の受話音質調整用具。
【請求項3】 前記音質調整部材には、その側面の周方向に沿って挿入深さを調整するための突条が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機の受話音質調整用具。
【請求項4】 前記音孔は複数個形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の携帯電話機の受話音質調整用具。
【請求項5】 前記複数の音孔は、面積の異なる2種類またはそれ以上の種類の音孔により構成されていることを特徴とする請求項4記載の携帯電話機の受話音質調整用具。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、PHS等の移動体通信に好適に用いられ、特にイヤピース部の受話音質を調整することのできる携帯電話機の受話音質調整用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の通信事業の発展にはめざましいものがあり、特に携帯電話、PHS等の移動体通信に用いられる携帯電話機においては、より小型化、より軽量化が望まれている。一方、携帯電話機の音響回路は、より良い音質を得るために回路が複雑になり、部品点数も増え、回路を含め装置全体の簡易化、小型化、軽量化が難しくなりつつある。
【0003】この様な移動体通信においては、携帯電話、PHS等の携帯電話機を用いて通話する際に、この携帯電話機を使用する場所の周囲の状況や環境、また、この携帯電話機の使用時の気分によってイヤピース部の受話音質が変えられると便利である。例えば、携帯電話機を使用する時、周囲の騒音が大きい時には明瞭度の良いはっきりした音質が求められるのに対し、携帯電話機の使用者がイライラしている様な場合には耳に付く様な甲高い音質よりも柔らかいソフトな感触の音質の方が心地よく感じる。
【0004】図8は従来の携帯電話機の一例を示す斜視図であり、図において、1は携帯電話機であり、略直方体形状の筐体2に送受話器や本体回路等が収納され、この筐体2の前面にイヤピース3、テンキー等の操作子4、小型マイクロフォン5等が配置され、前記イヤピース3には横長の音孔6が形成されている。この携帯電話機1では、操作子4により受信者側の電話番号等を入力した後、イヤピース3を耳に当てて通話を行なう。この際、イヤピース3の耳への当て具合を調整することにより音孔6からの音量が最適になるように調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の携帯電話機においては、イヤピース3の受話音質を調整するには、本体回路の受話回路部分にフィルター回路を追加する等、多くの電気回路を追加する必要があり、また、これらの回路も簡単なものではなく、小型化、軽量化を図る場合に障害になるという問題点があった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、フィルター回路等の電気回路を新たに追加する必要が無く、しかも構成が簡単で取り扱いが容易な携帯電話機の受話音質調整用具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】ここで、本発明者は、様々な検討を重ねた結果、次の様な知見を得ることができた。一般に、音孔の大きさは受話音質に影響を与え、音孔を小さくすると高音域のレベルが大きくなるので、音孔面積を変えることにより周波数特性を変えることができる。この周波数特性は、明瞭度と関係が深く、周波数特性を制御することは、明瞭度を調整することにつながる。そこで、イヤピース部の音孔の開口部の面積を変えることができれば、周波数特性を変えることができ、明瞭度を調整することができる。
【0008】そこで、本発明は、上記課題を解決するために次の様な携帯電話機の受話音質調整用具を提供する。すなわち、請求項1記載の携帯電話機の受話音質調整用具は、携帯電話機の筐体に設けられたイヤピース部に取り付けることにより該イヤピース部の受話音質を調整する用具であり、前記イヤピース部に形成された音孔に挿入・取り出しを行なうことにより該音孔の面積を調整する音質調整部材を備えたものである。
【0009】請求項2記載の携帯電話機の受話音質調整用具は、前記音質調整部材の側面に、挿入深さを調整するための突部を設けたものである。
【0010】請求項3記載の携帯電話機の受話音質調整用具は、前記音質調整部材の側面の周方向に沿って、挿入深さを調整するための突条を設けたものである。
【0011】請求項4記載の携帯電話機の受話音質調整用具は、前記音孔を複数個形成したものである。
【0012】請求項5記載の携帯電話機の受話音質調整用具は、前記複数の音孔を、面積の異なる2種類またはそれ以上の種類の音孔により構成したものである。
【0013】本発明の携帯電話機の受話音質調整用具では、前記イヤピース部に形成された音孔に挿入・取り出しを行なうことにより該音孔の面積を調整する音質調整部材を備えたことにより、必要に応じて該音質調整部材を前記音孔に挿入・取り出しを行なうことで、該音孔の面積が変わり、周波数特性が変化し、明瞭度の調整が可能になる。これにより、電気回路の構成に影響を及ぼすことなく、簡単に明瞭度の調整が可能になり、電気回路の簡易化、小型化、軽量化に速やかに対応することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の携帯電話機の受話音質調整用具の各実施の形態について図面に基づき説明する。
【0015】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態の携帯電話機を示す斜視図、図2はそのイヤピース部の詳細を示す断面図であり、図において、11は携帯電話機であり、この直方体状の筐体12の前面の比較的厚みのある側にイヤピース13が配置され、該イヤピース13には、受話器の受話口の深さDを有する音孔が大小2つに分割されて大きい方の音孔14と小さい方の音孔15が横方向に一直線上に並ぶように形成されている。
【0016】そして、大きい方の音孔14には、該音孔14と同じ大きさの形状を有しその側面の周方向に沿って環状に突出するツメ(突条)16aが設けられたコマ(音質調整部材)16が該音孔14に挿入・取り出し可能に設けられている。筐体12は、その材質としては、後述するレシーバを保護し、該レシーバを基板や筐体12等周辺部材に固定することができ、落下、曲げ、ねじり等に耐えられる機械的強度を有するもので、図2に示すように、レシーバ21を固定するための固定具であるリブ22が設けられている。
【0017】図2に示すように、レシーバ21と筐体12との間に2層のクッション23、23を挟み込むことで、レシーバ21への衝撃を和らげるとともに、レシーバ21と筐体12とをより密着させて音漏れを防いでいる。さらに、これらのクッション23、23により、薄厚の柔軟性を有する防水・防塵部材の1種である防水・防塵シート24の両面が挟持されており、レシーバ21の前面を水滴や塵から保護している。
【0018】前記クッション23の材質としては、スポンジ状のもの、ゴム等、弾力性、伸縮性、気密性を有するもので、隙間を完全に埋めることにより密閉状態にすることができ、さらに、振動伝搬率が低く音漏れを防止することのできるものが好ましい。防水・防塵シート24の材質としては、不織布等のように、耐水性に優れ、塵を通過させず、振動伝搬率のよいものが望ましい。
【0019】前記リブ22は、デザイン設計上の制約にもよるが、レシーバ21を固定できるものであればよい。特に円筒形のリブ22であればレシーバ21を確実に固定することができるため好ましい。リブ22の高さは、レシーバ21を保護するクッション23と筐体12との間に空気室を設けられるくらいの高さを有するものから、クッション23を筐体12に直接接着する程の高さのものまでの設計自由度を有する。
【0020】一方、大きい方の音孔14と同じ大きさの形状を有するコマ16は、ゴム等からなる弾力性及び伸縮性に優れたもので、音孔14を密閉状態にすることができるように、図3に示すように、音孔14の深さD以上の高さH1を有するコマ16、もしくは、図4に示すように、音孔14の深さDと同じ高さH2を有するコマ(音質調整部材)31を用いる。
【0021】前記コマ16の場合、直径を音孔14の直径と略同じ直径Rとし、音孔14の深さDと同じ高さhの位置に周方向に沿う環状のツメ16aを設け、音孔14に挿入する際の押し込み過ぎに因る防水・防塵シート24の破損を防ぐようになっている。
【0022】一方、前記コマ31の場合、直径を音孔14の直径と略同じ直径Rとし、音孔14の深さDと同じ高さH2の位置に周方向に沿う環状のツメ(突条)31aを設け、該コマ31の上面中央部に音孔14に着脱し易いようにツマミ31bを設けることにより、音孔14への挿入及び取り出しが容易になるばかりでなく、音孔14に挿入する際の押し込み過ぎに因るコマ31の取り出し不能等の不具合を防ぐようになっている。
【0023】次に、この携帯電話機11の動作について説明する。この携帯電話機11では、イヤピース13において、深さDを有する音孔が大小2つに分割された大きい方の音孔14の面積を調整することを特徴とする。音孔14の面積を調整する手段として、該音孔14と同じ形状を有し、音孔14の深さDと同じ高さh位置にツメ16aを有しかつ音孔14の深さDより高い高さH1を有するコマ16を用いる。
【0024】例えば、携帯電話機11を含め通信機器を用いて通話する際に、周囲の状況や環境に依って明瞭度の高い音質が求められる場合がある。この場合に、音孔14と同じ形状を有し、音孔14の深さDと同じ高さh位置にツメ16aを有しかつ音孔14の深さDより高い高さH1を有するコマ16を前記音孔14に挿入することで、音孔面積を調整する。
【0025】音孔面積を小さくすると、低い周波数成分が切り捨てられるために、相対的に高い周波数成分のレベルが上がるため、周波数特性が変化し、明瞭度が向上する。
【0026】一般に、低い周波数成分をかなり切り捨てても明瞭度はあまり下がらず、音質に対する影響も少ないが、高い周波数成分を除くと、明瞭度は著しく下がり、特に子音の明瞭度が甚だしく低下する。これは周波数の高い領域に多くの情報が含まれているためで、多くの情報を正確に受け取るためには、高い周波数成分のレベルを上げて明瞭度を向上させることが必要である。特に、日本語は、英米語と比較してアクセントがはっきりしない言葉であるから、明瞭度を上げないと、了解度が低下してしまうことになる。
【0027】この携帯電話機11では、イヤピース13の大きい方の音孔14にコマ16を挿入することで、イヤピース13の音孔面積を調整し、周波数特性を変化させる。イヤピース13の音孔面積が小さくなると高音域のレベルが上がるため、明瞭度が増す。したがって、音孔14にコマ16を挿入するだけで受話音質の調整が可能になり、コストメリットも大きい。なお、ここでは音孔面積の調整は大きい方の音孔14のみで行っており、小さい方の音孔15では行っていない。
【0028】図5は、音の周波数と受話レベルとの間の周波数特性を示す図であり、音孔14の深さDと同じ高さh位置にツメ16aを設け音孔の深さDより高い高さH1を有するコマ16を音孔14に挿入し音孔面積を調整した場合の周波数特性(図中、A)と、大きい方の音孔14の音孔面積を調整していない場合の周波数特性(図中、B)とを比較したものである。
【0029】この図によれば、コマ16を音孔14に挿入し音孔面積を調整した場合の周波数特性(A)は、音孔面積を調整していない場合の周波数特性(B)と比べて約3kHzの高い周波数領域で受話レベルがなだらかに上昇していることがわかる。この結果から、コマ16を音孔14に挿入して音孔面積を調整した場合、音孔面積を調整しない場合と比べて高い周波数成分を得ることができ、明瞭度を向上させることができることが明白である。
【0030】この携帯電話機11によれば、音孔14と同じ形状を有し、音孔14の深さDと同じ高さh位置に周方向に沿う環状のツメ16aを有しかつ音孔14の深さDより高い高さH1を有するコマ16を前記音孔14に挿入するので、音孔14、15の大きさ(音孔面積)が受話音質に影響を与えることにより、音孔を小さくすると低い周波数成分は切り捨てられ、高い周波数成分のレベルが上がり、周波数特性が変わり、得られる高い周波数成分が増加し、容易に低い周波数成分を除き高い周波数成分を得ることができる。したがって、明瞭度の良いはっきりした音質を得ることができ、了解度も向上させることができる。
【0031】また、コマ16を音孔14に挿入するだけで、容易に音孔面積を変えることができ、複雑な電気回路を追加することなく、容易に周波数特性を変えることができる。したがって、容易に明瞭度を向上させることができ、通話の際に、周囲の状況や環境に合わせてイヤピース13の音孔面積を変化させ、最良の受話状態を得ることができる。
【0032】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2の実施の形態の携帯電話機を示す斜視図、図2はそのイヤピース部の詳細を示す断面図であり、図において、41は携帯電話機であり、この直方体状の筐体42の前面の一方の側にイヤピース43が配置され、該イヤピース43には、受話器の受話口の深さDを有する音孔が大小2つに分割されて大きい方の音孔14と小さい方の音孔15が縦方向に互いに平行に並ぶように形成されている。そして、大きい方の音孔14には、第1の実施形態において既に説明されているコマ31が該音孔14に挿入・取り出し可能に設けられている。
【0033】この携帯電話機41では、イヤピース43において、深さDを有する音孔が大小2つに分割された大きい方の音孔14の面積を調整することを特徴とする。音孔14の面積を調整する手段として、該音孔14と同じ形状を有し、音孔14の深さDと同じ高さh位置に周方向に沿う環状のツメ31aを有し、その上面中央部に音孔14に着脱し易いようにツマミ31bを設けかつ音孔14の深さDと同じ高さH2を有するコマ31を用いる。
【0034】例えば、携帯電話機41を含め通信機器を用いて通話する際に、周囲の状況や環境に依って明瞭度の高い音質が求められる場合がある。この場合に、音孔14と同じ形状を有し、音孔14の深さDと同じ高さh位置にツメ31aを有し、その上面中央部に音孔14に着脱し易いようにツマミ31bを設けかつ音孔14の深さDと同じ高さH2を有するコマ31を前記音孔14に挿入することで、音孔面積を小さくし、低い周波数成分を除き高い周波数成分を得ることができ、明瞭度の良いはっきりした音質を得ることができ、了解度も向上させることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の携帯電話機の受話音質調整用具によれば、前記イヤピース部に形成された音孔に挿入・取り出しを行なうことにより該音孔の面積を調整する音質調整部材を備えたので、必要に応じて該音質調整部材を前記音孔に挿入・取り出しを行なうことにより、該音孔の面積を変えることができ、周波数特性を変化させることができ、明瞭度の調整を行なう事ができる。したがって、電気回路の構成に影響を及ぼすことなく、簡単に明瞭度の調整を行なうことができ、電気回路の簡易化、小型化、軽量化に速やかに対応することができる。


 図面の簡単な説明


【図面の簡単な説明】
図1】 本発明の第1の実施の形態の携帯電話機を示す斜視図である。
図2】 本発明の第1の実施の形態の携帯電話機のイヤピース部を示す断面図である。
図3】 本発明の第1の実施の形態の携帯電話機のコマの一例を示す側面図である。
図4】 本発明の第1の実施の形態の携帯電話機のコマの他の一例を示す側面図である。
図5】 音の周波数と受話レベルとの間の周波数特性を示す図である。
図6】 本発明の第2の実施の形態の携帯電話機を示す斜視図である。
図7】 本発明の第2の実施の形態の携帯電話機のイヤピース部を示す断面図である。
図8】 従来の携帯電話機を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
2 筐体
3 イヤピース
4 操作子
5 小型マイクロフォン
6 音孔
11 携帯電話機
12 筐体
13 イヤピース
14 大きい方の音孔
15 小さい方の音孔
16 コマ(音質調整部材)
16a ツメ(突条)
21 レシーバ
22 リブ
23 クッション
24 防水・防塵シート
31 コマ(音質調整部材)
31a ツメ(突条)
31b ツマミ
41 携帯電話機
42 筐体
43 イヤピース
A 音孔面積を調整した場合の周波数特性
B 音孔面積を調整していない場合の周波数特性
D 音孔の深さ
H1 コマの高さ
H2 コマの高さ
h 音孔の深さと同じ高さの位置
R コマの直径


 図面


【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】