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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明 図面の簡単な説明 図面

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平11−45806
(43)【公開日】平成11年(1999)2月16日
(54)【発明の名称】スペーサの作成法
(51)【国際特許分類第6版】
H01F 5/00
6/00 ZAA
27/02
// H01F 6/06 ZAA
【FI】

H01F 5/00 W
7/22 ZAA C
15/02 R
5/08 ZAA C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願平9−198642
(22)【出願日】平成9年(1997)7月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町72番地
(72)【発明者】
【氏名】金原 利雄
【住所又は居所】神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一


 要約


(57)【要約】 (修正有)
【課題】 容器の検査・試験及び真空引き工程を行わないでも、樹脂が注入出来るスペーサを提供する。
【解決手段】 被固定物間に生じる隙間に、薄板を気密に接合してなる容器2を装填し、真空状態にある容器内に樹脂を注入することによって容器を膨脹させ任意寸法の間隙を埋めるスペーサの作成法において、容器の樹脂注入口に口金7を取付け、口金に低融点金属もしくは低温で溶融する樹脂で構成される密閉栓8を内包させる共に、容器を真空中で製作して容器内を真空状態とすることを特徴とする。



 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 被固定物間に生じる隙間に、薄板を気密に接合してなる容器を装填し、真空状態にある該容器内に樹脂を注入することによって該容器を膨脹させ任意寸法の間隙を埋めるスペーサの作成法において、
前記容器の樹脂注入口に口金を取付け、該口金に低融点金属もしくは低温で溶融する樹脂で構成される密閉栓を内包させる共に、前記容器を真空中で製作して該容器内を真空状態とすることを特徴とするスペーサの作成法。
【請求項2】 前記口金の周囲に火炎・電熱・高周波及びレーザ等の熱源を配置し、樹脂注入の際に前記密閉栓を熱源で加熱溶解させ、前記容器内に樹脂を注入することを特徴とする請求項1記載のスペーサの作成法。
【請求項3】 前記口金の樹脂注入口外周部の容器側に切込み溝を周設したことを特徴とする請求項1又は2記載のスペーサの作成法。
【請求項4】 前記容器の板厚を薄くし、容器内が真空状態のとき、該容器内が負圧となり変形する容器の変形状態を監視しすることのできることのできることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載のスペーサの製作方法。
【請求項5】 前記容器を真空中で製作し、大気にさらされることなく清浄な状態で樹脂を注入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載のスペーサの製作方法。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被保護体を強固に精度よく支持固定する支持構造物の内側の隙間に、薄板を気密に接合して成る容器に樹脂を注入して該容器を膨脹させ、任意寸法の間隙を埋めて物体を固定するためのスペーサの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、核融合、超伝導エネルギー貯蔵などの装置では、大型の超伝導コイルを用いることにより装置自身の発生ロスを減らし、効率よくエネルギーを発生または貯蔵する。このためには、安定で信頼性の高い超伝導コイルを製作することが行われている。強制冷却導体を用いて超伝導コイルを作る場合、コイルを濁巻状に巻いたコイル(以下、パンケーキコイルと称す)を二つ重ねて巻きダブルパンケーキコイルとし、このダブルパンケーキコイルを単位として、これをーつまたは複数個組み合せて構成する方法が多く採られる。この場合、複数個のダブルパンケーキコイルを組み合せてなるコイル本体の周方向全体または、その一部分を剛性の高い金属などのコイルケースで束ねる形とし、このコイルケースを外部から支持することにより、コイル本体の設置する位置の精度を確保している。
【0003】図3は強制冷却型超伝導コイルの構成例を示す概略図、図4は超伝導コイルの拡大図である。図3において、超伝導コイル本体21は、複数個のダブルパンケーキコイルを重ねてなり、コイルケース22によってその全体を束ねる。また、コイルケース22は外部の支持構造物23および支持構造物フランジ24と機械的に取り合って、超伝導コイル本体21を支え、超伝導コイル本体21の位置精度を確保する働きをする。超伝導コイル本体21を支持構造物23に組み込むためには、コイルケース22の外側と支持構造物13の内側に隙間が必要である。そこで図4に示すように、超伝導コイル本体21はコイルケース22に納められ、支持構造物23および支持構造物フランジ24の内側とコイルケース22の外側との隙間に、詰め物25が挿入されている。
【0004】しかし、組込みが完了した後はこの隙間をなくし、コイルケース22と支持構造物23が隙間なく取り合うことが必要がある。
【0005】この隙間を固定するために、従来は、図5に示すようなテーパー板28、図6に示すようなパテ29、及び矢を挿入して調整していた。
【0006】しかし、矢は物体に対して線で接触するため物体を損傷する可能性があった。一方、テーパー板28、パテ29によるスペーサ調整は物体の間隔を測定しながら、スペーサを加工するため熟練と労力を要する等問題があった。
【0007】そこで、3次元的間隔を有する物体の固定を目的として、図7に示す詰め物5を挿入して調整していた。この詰め物5は、図8に示す薄板25a、25bを気密に接合し、樹脂充填ホース27を接続して構成される容器である。容器内に樹脂を注入し容器が膨脹することで、物体を固定する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これまでのスペーサなどは容器内に樹脂を注入する際に一旦容器内を真空にした後、樹脂を加圧注入していた、また、容器を真空状態にするため容器を非破壊検査及びリーク試験等を実施していた。
【0009】本発明は上記容器の検査・試験及び真空引き工程を行わないでも、樹脂が注入出来るスペーサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のスペーサの作成法は、被固定物間に生じる隙間に、薄板を気密に接合してなる容器を装填し、真空状態にある容器内に樹脂を注入することによって容器を膨脹させ任意寸法の間隙を埋めるスペーサの作成法において、容器の樹脂注入口に口金を取付け、口金に低融点金属もしくは低温で溶融する樹脂で構成される密閉栓を内包させる共に、容器を真空中で製作して容器内を真空状態とすることを特徴とする。
【0011】本発明のスペーサの作成法によると、真空状態で容器を製作するので、容器製作後、容器の内部は大気にさらされないため、埃・水分等の影響を受けず清浄な状態で樹脂が注入出来る。
【0012】容器内が真空状態つまり負圧であるので、外圧により容器が変形するため、いわゆる漬れた状態となり、外観検査で容器製作の良否判定が可能となる。
【0013】容器製作過程で欠陥が発生した場合には、リークにより真空状態が保持できずに、潰れた状態にならない。
【0014】また、容器の樹脂注入口に密閉栓を内包した口金を取付けたことにより、容器内が真空状態に保たれ、樹脂注入の際の真空引きの必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の一実施例のスペーサの全体構成図、図2図1のスペーサの樹脂注入部を詳細に示す断面図である。
【0017】同図に於いて、本発明のスペーサは、例えば被保護体を強固に精度よく支持固定する3次元空間を有する被固定物1a、1bの間隙に充填して固定する容器2と、容器2に図示されていない樹脂を注入する注入機3、注入機3から容器2に樹脂を供給するホース4と、容器2への樹脂の注入圧力を保持するためのバルブ5と、樹脂の注入圧力をモニタリングするためにバルブ5から分岐した圧力計6とから構成されている。
【0018】容器2は、非磁性金属あるいは繊維強化プラスチックなどの絶縁材を薄くし、気密に接合して製造される。このように容器2の板厚を薄くしてあるので、容器2内が真空状態のとき、容器2内が負圧となり変形する容器の変形状態を監視しすることができる。更に、容器2は真空中で製作するので、大気にさらされることなく清浄な状態で樹脂を注入するこ。
【0019】容器2に充填してスペーサを形成するする樹脂としては、常温硬化の樹脂に、ガラスなどのフィラーを混ぜたものが好適に使用される。
【0020】図2図1のスペーサの樹脂注入部の要部を拡大した断面図である。樹脂注入口金7は容器2の一端に直接接合又は締結されている。樹脂注入口金7は容器2の製作時に容器2内の真空を保持するための密閉栓8が内包されている。この密閉栓8は、低融点金属もしくは低温で溶融する樹脂で形成され、加熱されると溶解する性質のものである。
【0021】注入機3から樹脂を供給するためのホース4の先端にはホース部口金9が取付けられ、ホース口金9を介して樹脂注入口金7に接続する。
【0022】樹脂を容器2に注入する際に、樹脂注入口金7に内包されている密閉栓8を溶解して、容器内に樹脂を注入する。密閉栓8を溶解するめに樹脂注入口金7の外周部に環状の熱源10が配設されている。熱源10は、火炎・電熱・高周波及びレーザ等構成され、樹脂注入口金7の周囲を加熱して、密閉栓8を溶解させて貫通させる。
【0023】また、樹脂注入口金7の樹脂注入口外周部の容器側に切込み溝11が周設されている。切込み溝11は、容器と熱源の間に空隙を形成して加熱時の熱量を減少させて、容器に熱が伝わりにくくして容器の変形を抑止する。また、切込み溝11が周設されているので、樹脂注入後、樹脂注入口金7の上部をねじり或いは切込み溝11をカッターで切断して除去し、容器2から樹脂注入口7を容易に取り去ることができる。
【0024】次に本実施例のスペーサによる3次元間隔を有する被固定物1a、1bの固定について説明する。
【0025】容器2を真空中で製作するため、密閉栓8により容器2の内部は真空封止されている。従って、容器2の内部は大気圧に比べマイナス1気圧となる。その結果容器2が大気圧に押されて変形する。
【0026】容器2を真空中で製作する際に、欠陥が発生した場合、その欠陥部から空気が侵入する。その結果、容器2の内部は大気圧となり、容器2の変形は復元する。従って、容器2の製作過程の欠陥が外観検査で容易に検査できる。
【0027】3次元を有する被固定物1a、1bの間隔に容器2を設置し、樹脂注入口金6を熱源10で加熱することにより、低融点金属もしくは低温で溶融する樹脂で構成される密閉栓8は溶解する。その際に樹脂注入口金7に於いて容器2側に断熱を目的とした切込み溝を設けており、容器2を変形すること無く、小さい入熱で密閉栓8を溶解することが可能である。
【0028】密閉栓8が溶解すると注入機3内の樹脂が開放されたバルブ5を介して吸引され、容器2に樹脂が充満する。更に注入機3で加圧することにより、容器2が膨脹し3次元的間隔を有する被固定物1a、1bに密着する。
【0029】容器2の膨脹状態はバルブ5から分岐した圧力計6の指示値が注入機3の注入圧力と同程度に達することで確認できる。
【0030】容器2が被固定物1a、1bに密着した時点でバルブ5を閉止することで、樹脂がその状態で凝固する。その結果3次元的間隔を有する被固定物1a、1bが固定される。
【0031】樹脂が凝固した後、樹脂注入口金6の頭頂部、すなわち切込み溝10の上部をねじったり或いはカッターで切断して樹脂注入口金7の切込み溝10から容易に破断することができる。その結果でスペーサには突起物がなくなり、外観がよくなる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスペーサによれば、真空中で製作するため製造中の欠陥が外観検査で容易に検査が可能である。すなわち、容器内が真空状態、つまり負圧であると、外圧により容器が変形するため、いわゆる漬れた状態となり、外観検査で容器製作の良否判定が可能となる。また、容器製作過程で欠陥が発生した場合には、リークにより真空状態が保持できずに、潰れた状態にならない。
【0033】容器は、真空中で製作した後大気にさらされないため、埃・水分等の影響を受けず清浄な状態で樹脂を注入することが出来る。
【0034】容器の樹脂注入口に密閉栓を内包した口金を取付けられているので、容器内が真空状態に保たれており、真空引きすること無く樹脂を注入することが出来る。樹脂を注入する際に使用した口金を切込み溝から容易に取り去ることが可能であり、突起物がないスペーサを提供する事ができる。


 図面の簡単な説明


【図面の簡単な説明】
図1】本発明の一実施例のスペーサの全体構成図。
図2】スペーサの樹脂注入部を拡大した断面図
図3】強制冷却型超伝導コイルの構成例を示す概略図
図4】超伝導コイルの拡大図
図5】従来のテーパー板を詰めた状態の断面図
図6】従来のパテを詰めた状態の断面図
図7】従来の詰め物を詰めた状態の断面図
図8図7の詰め物の斜視図
【符号の説明】
1a,1b…被固定物 2………容器
3………注入機 4………ホース
5………バルブ 6………圧力計
7………樹脂注入口金 8………密閉栓
9……ホース口金 10………熱源
11………切込み溝


 図面


【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】