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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明 図面の簡単な説明 図面

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平11−236701
(43)【公開日】平成11年(1999)8月31日
(54)【発明の名称】排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造
(51)【国際特許分類第6版】
E01C 7/35
11/24
【FI】

E01C 7/35
11/24
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願平10−355227
(62)【分割の表示】特願平3−111168の分割
(22)【出願日】平成3年(1991)4月16日
(71)【出願人】
【識別番号】391016152
【氏名又は名称】トーメンコンストラクション株式会社
【住所又は居所】東京都中央区新川1−8−6
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号
(72)【発明者】
【氏名】徳岡 文明
【住所又は居所】千葉県流山市名都借204−8
(72)【発明者】
【氏名】福富 眞
【住所又は居所】千葉県松戸市横須賀164ラフィーヌ池田402号
(72)【発明者】
【氏名】小西 偉夫
【住所又は居所】愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1ー60 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
(72)【発明者】
【氏名】青木 敏一
【住所又は居所】愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1ー60 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄


 要約


(57)【要約】
【目的】 排水性を確保した耐久性でかつ耐候性の優れた排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造の提供。
【構成】 道路基盤層上コンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布して重合硬化する。 液状混合物には、フィラー 、補強材短繊維等を配合してもよい。メタクリレート樹脂未硬化物としては、メチルメタクリレート又は/及びアルキルメタクリレートのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好ましく、アクリレート樹脂未硬化物が、アクリレート又は/及びアルキルアクリレートのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好ましい。



 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布し、暫時放置して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
【請求項2】 道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物とフィラーと硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
【請求項3】 道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と補強材短繊維と硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
【請求項4】 液状混合物を重合硬化するための時間が、15〜90分間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水性道路舗装の施工方法。
【請求項5】 メタクリレート樹脂未硬化物が、メチルメタクリレート又は/及びアルキルメタクリレートのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水性道路舗装の施工方法。
【請求項6】 アクリレート樹脂未硬化物が、アクリレート又は/及びアルキルアクリレートのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水性道路舗装の施工方法。
【請求項7】 樹脂未硬化物が、下記(a)、(b)及び(c)からなるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の排水性道路舗装の施工方法。
(a)メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステル
(b)(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は共重合体
(c)パラフィンワックス
【請求項8】 樹脂未硬化物の各成分の配合比が、
(a)=90〜50重量部、
(b)=10〜50重量部、
(c)=(a)+(b)の計100重量部に対して0.1〜3.0重量部であることを特徴とする請求項7記載の排水性道路舗装の施工方法。
【請求項9】 道路基盤層と、その上層に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層と、この混合物層の表層部がその排水性を確保し得る塗布量で被覆されたメタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物被覆層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路舗装構造。
【請求項10】 コンクリート層と、その上層に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層と、この混合物層の表層部がその排水性を確保し得る塗布量で被覆されたメタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物被覆層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路舗装構造。
【請求項11】 多孔の排水性アスファルト混合物層を被覆したメタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂硬化物が、0.1kg/m2〜3.0Kg/m2の塗布量であることを特徴とする請求項9又は10に記載の排水性道路舗装構造。
【請求項12】 多孔の排水性アスファルト混合物層を被覆したメタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂硬化物が、0.5kg/m2〜1.5kg/m2の塗布量であることを特徴とする請求項9又は10に記載の排水性道路舗装構造。
【請求項13】 樹脂硬化物が、フィラーをも含むものであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排水性道路舗装構造。
【請求項14】 樹脂硬化物が、補強材短繊維をも含むものであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排水性道路舗装構造。
【請求項15】 樹脂硬化物が、フィラー及び補強材短繊維をも含むものであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排水性道路舗装構造。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は道路の舗装に関し、特に排水性を確保した耐久性でかつ耐候性の優れた排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来道路舗装においては、アスファルト又はコンクリートが用いられ、これらは優れたはっ水性、粘着性、弾力性、耐衝撃性及び良加工性等を有し、しかも安価に大量に供給されるところから、主要な舗装材として広く使用されている。
【0003】しかし特にアスファルト舗装は、高温下において剛性が低下し易く、また車の繰り返し荷重により容易に摩耗するため、深いわだちが形成され易く、表面排水形式の舗装にあっては、そのわだち部に水が容易に溜まる。該舗装道路を特に自動車専用道路や高速道路等に使用した場合には、水溜りの表面で自動車のタイヤが滑ってしまういわゆる「ハイドロプレーニング」現象が生じ、大きな自動車事故が発生する危険がある。そこで、道路舗装、特にその表層部を、アスファルトで被覆した多数の骨材の混合物で構成して排水性アスファルト混合物層となし、それらの骨材間に形成される連通した空隙により、道路の表層部から内部へ水が容易に浸透するように構成せしめたものが提供され、以て水はねやハイドロプレーニング現象に起因する自動車事故の発生を防止している。
【0004】しかしながら、このような排水性アスファルト混合物を道路表面へ積層した場合には、そうした排水性表層部は、骨材を被覆しているアスファルトを接合剤とした点接触的結合構造のものであるため、結合強度が弱く、よって自動車の繰り返し荷重を受けると、自動車のタイヤ(主にスパイクタイヤやチェーンを装着したタイヤ)の摩擦力により相当数の骨材が跳ね飛ばされてしまい、結果として道路舗装が損壊するに至る。
【0005】また、前記排水性アスファルト混合物層の空隙部に損壊・摩損で生じた骨材等の微粒子が入り込む結果、著しく排水性能が劣化する。そしてまた、自動車タイヤの荷重によるせん断変形を生じて該排水性の表層部が圧密化されて更に空隙が少なくなり、益々排水性能の悪化を来す。さらに、アスファルトは太陽光線及び空気中の酸素の作用を受けて、その特性が著しく劣化するため、排水性アスファルト混合物層の骨材間の結合強度が一層低下し、その結果、同層の損壊・摩耗及び圧密化を促進させることとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、このような状況に鑑みて種々研究を重ねた結果、道路舗装表層部の摩耗・損壊が少なく、かつ同部の排水性空隙を長期間保持でき、ハイドロプレーニング現象生成等を防止できる排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造を開発した。すなわち本発明は、
(1)道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布し、暫時放置して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
(2)道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物とフィラーと硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
(3)道路基盤層上又はコンクリート層上に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層に対して、少なくともその表層部に、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と補強材短繊維と硬化剤を主剤とする液状混合物を、上記排水性アスファルト混合物層の多孔の排水性を確保し得る塗布量で塗布して重合硬化することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。
(3)道路基盤層と、その上層に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層と、この混合物層の表層部がその排水性を確保し得る塗布量で被覆されたメタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物被覆層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路舗装構造。
(4)コンクリート層と、その上層に積層された多孔の排水性アスファルト混合物層と、この混合物層の表層部がその排水性を確保し得る塗布量で被覆されたメタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物被覆層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路舗装構造。である。
【0007】なお、本発明の(1)の排水性道路舗装の施工方法に関しては、液状混合物に、フィラー又は/及び補強材短繊維を配合することも好ましく、液状混合物の重合硬化処理時間は15〜90分間程度が好ましい。樹脂未硬化物は、それら成分の単体又は/及びアルキルエステルのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好ましい。また、樹脂未硬化物の好ましい配合物としては、下記のものが挙げられる。樹脂未硬化物が、下記(a)又は/及び(b)からなるもの、あるいはそれらに(c)を配合したもの。
(a)メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステル
(b)(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は共重合体
(c)パラフィンワックス
そして、好ましい樹脂未硬化物の各成分の配合比は、下記のとおりである。
(a)=90〜50重量部、
(b)=10〜50重量部、
(c)=(a)+(b)の計100重量部に対して0.1〜3.0重量部、
【0008】本発明の(2)の排水性道路舗装構造に関しては、その樹脂硬化物被覆層の塗布量が0.1〜3.0kg/mが好ましく、特に0.5〜1.5kg/mが好ましい。また、樹脂硬化物被覆層には、フィラー又は/及び補強材短繊維が混入されていることが好ましい。
【0009】以下に、本発明の各構成要素について詳しく説明する。
メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物について
上記本発明に使用できる(a)成分である、メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステルは、一般に(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステルとして知られているものであればいかなるものであってもよい。この(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸1−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸非置換アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ基置換アルキルエステル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノ基置換アルキルエステルが挙げられる。これらは一種もしくは二種以上の混合系で使用される。これらの中でも、耐候性及び反応性等を考慮すると、メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの組合せの使用が好ましい。
【0010】また、上記(a)成分の(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステルに対しては、物性の改良及び接着性の向上を図るため、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のカルボン酸アミド基含有単量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体と併用されてもよい。
【0011】次に、本発明に使用できる(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は共重合体(b)としては、平均分子量が5,000〜200,000のものが使用されるが、これらは、粘度調整、硬化性の向上、樹脂硬化物物性の改良を図るために加えられるものである。その加配量は、成分(a)90〜50重量部に対して、10〜50重量部配合することが好ましい。10重量部未満では硬化性の点で好ましくなく、また50%を越えると塗工作業性が悪くなるので好ましくない。この(共)重合体を構成する単量体としては、前記成分(a)と同様のものを主成分とするものであり、目的に応じてエチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量体、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体等を添加してもよい。
【0012】本発明に使用できるパラフィンワックス(c)は、液状混合物の硬化時の表面硬化性を改善させるものであり、一般にパラフィンワックスとして知られているものであればいかなるものであってもよい。このパラフィンワックスとしては、例えば、40〜80℃の融点を有するものが挙げられる。これらの中でも、融点の異なる2種以上のパラフィンワックスの使用が好ましい。この(c)成分の配合割合は(a)+(b)成分100重量部に対し、通常0.1〜3.0重量部が好ましい。この配合割合が0.1重量部未満では表面硬化性が十分でなく、3重量部を越えると他の成分との相溶性が低下して析出量の増加を招き望ましくない。好ましくは0.5〜1.5重量部である。
【0013】さらに、本発明に使用される(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステル(a)に対しては、液状混合物の硬化性及び樹脂硬化物の耐溶剤性を向上させるため、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3ーブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能単量体と併用されてもよい。
【0014】そして、上記により得られる樹脂未硬化物の硬化剤としては、一般に知られたラジカル重合触媒を使用することができる。このラジカル重合触媒としては、例えば、ベンゾイルパーオキシドと第3級アミン、メチルエチルケトンパーオキシドとナフテン酸コバルト等で代表されるレドックス系触媒が挙げられる。この重合触媒の配合割合は樹脂未硬化物全体100重量部に対し、通常、0.5〜10重量部である。このようにして、本発明の液状混合物が得られる。
【0015】本発明の液状混合物には、更に必要に応じて、硬化物の伸度の増大と硬化時の収縮の低減を図るための可塑剤が配合されていてもよい。この可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジ2ーエチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ2ーエチルヘキシルアジベート、オクチルアジベート等のアジピン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジ2ーエチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類;ジ2ーエチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼライン酸エステル類の2塩基性脂肪酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化高分子可塑剤;トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル類;トリオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の亜燐酸エステル類;アジビン酸1,3ーブチレングリコール系等のポリエステル類が挙げられる。これらは1種若しくは2種以上の混合系で使用される。この可塑剤の配合割合は前記した(a)成分と(b)成分との合計量100重量部に対し、通常、30重量部以下である。この配合割合が30重量部を超えると液状混合物の硬化性が低下して硬化物の表面にその滲出を招き望ましくない。好ましくは10〜20重量部である。
【0016】本発明の液状混合物には、更に必要に応じて、シランカップリング剤;各種消泡剤レベリング剤;アエロジル等の揺変付与剤;2ヒドロキシベンゾフェノール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体等の紫外線吸収剤;2,6ーtブチルー4ーメチルフェノール、2,2'ーメチレンビス(4ーメチルー6ーtーブチル)フェノール等の酸化防止剤;顔料、染料等の着色剤が配合されていてもよい。
【0017】また、本発明の液状混合物には、従来舗装材に利用されていた微粉状のフィラーを混合することも好ましい。それら微粉状フィラーの材質としては、珪石、玄武岩、堆積岩等の岩石のほか、シリカヒューム、シャモット、セルベン、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス、あるいはアルミニウム、鉄、銅、ニッケル、コバルト、チタン、ステンレススチール等の金属、更にポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
【0018】フィラーはメタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物被覆層に十分な剛性や弾力性、耐摩耗性等を付与するのに役立つが、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物に対するフィラーの配合割合は、液状混合物中のその容量百分率が30%以下であることが好ましく、30容量%を超えると、上記液状混合物がペースト状となって厚く付着する結果、多孔の排水性アスファルト混合物中の多くの空隙部が塞がれ、排水性能を低下させるおそれがある。また、上記樹脂硬化物は樹脂硬化物被覆層に弾力性を与え、わだち掘れ抵抗性、及び優れた消音性を付与することのほかに、フィラーと共同して連続的な空隙を確実に保持形成する(目詰まりを起こさない)のに役立つ成分であるが、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂は液状混合物中の容量百分率が70%未満では上記作用が十分に得られない。
【0019】その他、補強材としての各種短繊維を混入させることも好ましい。短繊維としては、例えばパルプ、ナイロンファイバー、ビニロンファイバー、カーボンファイバー等の有機短繊維やグラスファイバー、ステンレススチールファイバー、金属、セラミック等のヒゲ結晶等の無機繊維を使用することができる。
【0020】本発明の液状混合物の塗布方法としては、例えば上記液状混合物を保持させたスポンジローラを表層部である排水性アスファルト混合物層上に転動・接触させる方法やスプレーガンにより噴出塗布する方法が採用できる。スプレーガンを利用する場合には、(a)メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂未硬化物と(b)樹脂用硬化剤とを別管路を通じて先端スタティックミキサーへ圧送供給し、その先端から混合物を噴出塗布する2液混合スプレー方式のものを採用することが好ましい。混合物層上への液状混合物の塗布量は、0.1kg/m2〜3.0kg/m2の範囲内であってよいが、特に0.5kg/m2〜1.5kg/m2の範囲が最も好ましい。 該塗布量が3.0kg/m2を越えると、表層のアスファルト混合物層が目詰まりするようになってその排水性が確保できなくなる恐れが生じる。一方、塗布量が0.1kg/mより少なくなってあまりに薄くなりすぎると、骨材間の接合力が十分に向上せず自動車のタイヤとの摩擦や衝撃力により該排水性アスファルト混合物層が磨り減ってしまうので、この樹脂の塗布量は0.1kg/m2以上であることが好ましい。
【0021】上記樹脂未硬化物と硬化剤及び必要に応じてフィラー又は/及び補強材短繊維を配合した混合物を硬化処理することにより、適度の剛性、弾性、粘着性、耐候性及び耐摩耗性を有する混合物となるが、硬化剤としては通常レドックス触媒を用い、屋外の一般の下地温度においては15〜90分間で硬化する。そのときの加熱温度が10℃よりも低いと、上記の重合が短時間では十分に達成されなくて、適度の特性を備えた塗布層が得られず、一方、40℃を越えると、樹脂未硬化物中のモノマーが過度に蒸散するため、適度な特性を備えた排水性アスファルト混合物層が得られ難い。よって本発明では前記混合物の加熱温度は10〜40℃が好ましい。この加熱処理は、上記温度において通常10〜60分間施せば十分である。
【0022】
【作用】本発明によれば、道路基盤層上又はコンクリート層上等に積層された排水性アスファルト混合物層の表層部のアスファルトで被覆された骨材各粒子が、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物で被覆され、強固に連結され、かつ該樹脂硬化物被覆層は物理、化学特性が優れたものであるため、自動車のタイヤが強く接触しても、各粒子の内層部(骨材及びそれを被覆しているアスファルト)は損傷を受けることがない。このように強度、耐候性等の劣る内層部のアスファルト混合物粒子が、タイヤと直接接触しないようにしたので、従来のように自動車のタイヤとの摩擦や衝撃によって内部の骨材粒子が摩耗あるいは飛散してしまうことが防止される。また、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化物は紫外線を吸収しかつ対抗力が高いため、日光に当たっても内部のアスファルトが劣化せず、排水性アスファルト混合物層の耐候性が大いに改善される。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。まず、本発明に係る道路の構造を図1に示す。また、高架式の場合の道路構造を図2に示す。Rは道路であり、その最下層は約1mの厚みを有する路床11である。路床11の上方には、土又は/及び砕石等から成る下層路盤12と、上層路盤13とが積層されている。なお本明細書においては、路床11と、下層路盤12と、上層路盤13とをまとめて「基盤層」と称しており、符号1で示してある。ここで高架式の道路の場合は、基盤層1はコンクリート又は鋼板で構成されると考えられる。そして、基盤層1には、アスファルトコンクリートからなる基層2が積層されており、該基層2には排水性アスファルト混合物からなる排水性アスファルト層3が積層されている。
【0024】ここで、該排水性アスファルト混合物層3が、道路R表面の水を基盤層1以下のいわゆる地盤中へ浸透させることを目的とする場合は、基層2のアスファルトコンクリートは省略することができ、基盤層1へ直接積層される。また、高架式の道路の場合は、コンクリート又は鋼板で構成された基盤層1の上に、防水層5が積層される場合が多く、この防水層5の上方にアスファルトコンクリートからなる基層2が積層されており、該基層2がには排水性アスファルト混合物からなる排水性アスファルト層3が積層される。ここで、道路R表面の水を該防水層5上にて排水することを目的とする場合は、基層2のアスファルトコンクリートは省略することができ、排水性アスファルト層3は、直接防水層5に積層される。
【0025】本実施例の場合、アスファルトとして、「セナファルト」(商品名:株式会社ブリヂストン社製)を用い、これに骨材や石粉を混ぜて加熱混合することにより、アスファルトで被覆された骨材粒子の多数個からなる排水性アスファルト混合物を得ている。次いで、該排水性アスファルト混合物層3の表層部には、メタクリレート又は/及びアクリレート系樹脂から成る硬化膜41が形成されている。これらメタクリレート又は/及びアクリレート系樹脂の未硬化物を各骨材に被覆、連結するには、該樹脂の未硬化物液状混合物の塗布量は0.1kg/m2〜3.0kg/m2である。
【0026】排水性アスファルト層3中の塗布層4がメタクリレート又は/及びアクリレート系樹脂により被覆されている状態の詳細が、図3に示されている。この図から明らかなように、メタクリレート又は/及びアクリレート系樹脂から成る硬化膜41は排水性アスファルト層3の全表面を覆って平坦にしてしまう訳では無い。排水性アスファルト混合物中の骨材31…間の間隙に対応してアスファルト32で被覆された骨材表面に一様に硬化膜41が形成されており、連通した空隙34が確保されている。したがって、雨等により道路Rの表面に水が溜まったとしても、この連通した空隙34が水排水溝として作用してその水を逃す(排出する)。そのため図1又は図2に図示の塗布層4上に水が溜まることが無くなり、ハイドロプレーニング現象の発生も防止される。一方、排水性アスファルト混合物中の骨材31…は表面が露出していないので、自動車のタイヤと接触することも無い。そのため、骨材31…の摩耗による表面の目潰れや粉塵の発生が防止されるのである。
【0027】ここで塗布層4の樹脂未硬化物の塗布量は0.1〜3.0kg/m、特に好ましくは0.5〜1.5kg/mとしているが、これは図4に示す実施例1の液状混合物を用いた、液状混合物塗布量−摩耗量の実測関係曲線に基づいて設定されたものである。この図から明らかなように、液状混合物塗布量(kg/m、すなわち面密度が単位となっている)が、0.1kg/m未満では、その摩耗量が極めて多くなり、また3.0kg/mを越えると、摩耗量の低減効果がそれ以上変わらなく、また塗布層4に連通した空隙34が形成されなくなってしまい、塗布層4上に水溜まりが出来てしまう。図4からみて特に、0.5kg/m未満では摩耗量が急激に増加している。一方、面密度が1.5kg/mを越えると、摩耗量の低減効果が変わらなく、また塗布層4に連通した空隙34が形成され難くなる。
【0028】実施例1:樹脂未硬化物としてのメタクリレート又は/及びアクリレート系塗布剤の具体的適用例について説明する。まず、メタクリル酸メチル55重量部、アクリル酸2ーエチルヘキシル15重量部にメタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル=40/60共重合体(平均分子量MW=60,000)30重量部を加え、更にm.p.130°Fのパラフィンワックス1.0重量部、N,NージメチルーPートルイジン1.0重量部を加えて加温溶解し、粘度約200cpsの樹脂溶液(1ーA)を得た。この樹脂溶液(1ーA)102重量部に硬化剤ベンゾイルパーオキサイド(B.P.O)の50%濃度品を2重量部加え溶解した後直ちに、空隙率20%のアスファルト系排水舗装材(排水性アスファルト混合物層)の表面に約1kg/mになるようにローラーで塗布した。塗布した液状混合物の硬化性は良好で気温20℃で約20分で硬化した。
【0029】実施例2:メタクリル酸メチル35重量部、メタクリル酸ブチル15重量部、アクリル酸2ーエチルヘキシル25重量部にメタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル=60/40(平均分子量MW=40.000)22重量部を加え、更にジメタクリル酸エチレングリコール3重量部、可塑剤ジオクチルフタレート10重量部、m.p.130°Fのパラフィンワックス1.0重量部、N,NージメチルーPートルイジン1.0重量部を加えて加温溶解し粘度約100cpsの樹脂溶液(2ーA)を得た。この樹脂溶液(2ーA)112重量部に硬化剤ベンゾイルパーオキサイド(B.P.O)の50%濃度品を3重量部加えて溶解後、珪石粉20重量部を加えて混合した後、直ちに空隙率20%のアスファルト系排水舗装材の表面に約1kg/mになるようにローラーで塗布した。塗布した液状混合物の硬化性は良好で気温15℃で約40分で硬化した。
【0030】実施例3:メタクリル酸メチル35重量部、メタクリル酸ブチル15重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル25重量部にメタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル=60/40(平均分子量MW=40,000)22重量部を加え、更にジメタクリル酸エチレングリコール3重量部、ジオクチルフタレート10重量部、m.p.130°Fのパラフィンワックス1.0重量部を加え加温溶解し、約100cpsの樹脂溶液(3−A)を得た。この樹脂溶液(3−A)55.5重量部に、N,Nージメチル−P−トルイジン1.0重量部と重質炭酸カルシウム(a)(三共精粉株式会社製)10重量部を加え混合し、樹脂溶液(3−B)を得た。また、残りの樹脂溶液(3−A)55.5重量部にカドックスB−50p(BPO50%品)3重量部と重質炭酸カルシウム(a)10重量部を加えて混合し、樹脂溶液(3−C)を得た。この樹脂溶液(3−B)と(3−C)を混合比率1対1の二液エアスプレー装置により、空隙率20%のゴムアスファルト系排水舗装材の表面に約2kg/mになるようにスプレー塗布した。塗布した液状混合物の硬化性は良好で気温20℃で約30分間で硬化した。
【0031】上記各実施例をまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
*1.メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル
=60/40共重合体(平均分子量MW=40,000)
*2. 〃 / 〃
=40/60 〃 ( 〃 MW=60,000)
*3.化薬アクゾー社製 BPO 50%品(粉状)
*4. 〃 〃 〃 (ペースト状)
*5.三共精粉(株)製 重質炭酸カルシウム
【0034】次に各実施例の作用効果を示す試験結果について、表1〜表3、及び図4を参照して説明する。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】試験に用いられた排水性アスファルト混合物試料の配合は表2に示すとおりである。この表2において、バインダとは排水性アスファルト混合物において骨材や石粉のつなぎとして作用するアスファルト材料を意味している。また、No.2は、排水性アスファルト混合物層の表層部に本発明実施例1のアクリル樹脂硬化物を被覆している。換言すれば、試料No.1、No.3は図1図2及び図3における塗布層4を有しておらず、表層3が露出するような構成となっている。試験方法としては、スパイクラベリング試験を行った。ここで回転式スパイクラベリング試験とは、回転するスパイクピンにより強制的に試料を摩耗するものである。スパイクラベリング試験の結果が図4に示されている。この試験結果から明らかなように、回転するスパイクピンによる摩耗に対する抵抗性に関しては、本発明実施例の樹脂硬化物により被覆した排水性アスファルト混合物試料(No.2)は、被覆していない試料(No.1、3)に比較して優れている(摩耗量が小さい)。これ等の試験結果より、本発明に係る樹脂硬化物で被覆することによって自動車のタイヤ等による摩耗に対する抵抗性が極めて向上することが理解される。
【0038】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本発明によると、以下のように優れた特性を有する道路舗装が構築できる。
、排水性アスファルト混合物から構成された表層が優れた物理・化学特性の樹脂から成る表面層によって被覆されているので、自動車のタイヤとの摩擦や衝撃により骨材が摩耗あるいは飛散することが防止される。
、排水性アスファルト混合物の排水性は保持されるので、路面に水が溜まることによる水はねやハイドロプレーニング現象は発生しなくなり、かつ路面の凍結も回避される。
、液状混合物の塗布量を0.1kg/m〜3.0kg/mに限定することにより、耐摩耗性に優れかつ排水性の良好な道路舗装が構築できる。
、本発明の樹脂硬化物によりアスファルト混合物粒子間の結合力が強められるため、わだち掘れが低減できる。
、アスファルト混合物粒子間の空隙率を多く保持でき、その空隙による吸音効果によって、交通騒音が低減される。


 図面の簡単な説明


【図面の簡単な説明】
図1】 実施例道路の断面図、
図2】 他の実施例道路の断面図、
図3】 実施例道路断面図の部分拡大図、
図4】 液状混合物塗布量と道路面の摩耗量との相関関係図、
【符号の説明】
1…基盤層 、11…路床、12下層路盤、13…上層路盤、2…基層 、3…排水性アスファルト層 、31…骨材、32…アスファルト、34…連通した空隙、4…塗布層 、41…硬化膜、5…防水層 R…道路


 図面


【図1】

【図2】

【図3】

【図4】