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書誌情報 要約 特許請求の範囲 発明の詳細な説明

 書誌情報


《表紙》

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平9−171639
(43)【公開日】平成9年(1997)6月30日
(54)【発明の名称】光記録媒体
(51)【国際特許分類第6版】
G11B 7/24 571
535
【FI】

G11B 7/24 571 A 8721-5D
535 C 8721-5D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願平7−331378
(22)【出願日】平成7年(1995)12月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000003126
【氏名又は名称】三井東圧化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
(72)【発明者】
【氏名】百武 宏之
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内


 要約


(57)【要約】
【解決手段】 透明基板上に、記録層、金属反射層、白色金属酸化物または窒化物層、保護層、親水性表面層を少なくとも積層してなる、カラープリントに適した光記録媒体。
【効果】 フルカラーのインクジェットプリンターで情報表示が可能な光記録媒体を提供することができる。


 特許請求の範囲


【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明基板上に、記録層、金属反射層、白色金属酸化物又は窒化物層、保護層、親水性表面層を少なくとも積層してなる、カラープリントに適した光記録媒体。
【請求項2】 白色金属酸化物又は窒化物層が、酸化あるいは窒化により白色を呈する金属を、酸素あるいは窒素雰囲気下で蒸着あるいはスパッタリング法で生成した請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】 親水性表面層が、吸水性および/又は吸油性を有する有機フィラーおよび/又は無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該表面層上を印刷可能にした請求項1又は2記載の光記録媒体。
【請求項4】 記録層が有機色素からなる請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項5】 親水性表面層に水性あるいは油性インクでカラープリントを施した請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。


 発明の詳細な説明


【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体、特に記録内容等の情報表示が可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし且つ記録層の上に金属の反射層を設け、更にこの上に保護層を設けた単板型の追記可能な光記録媒体は、例えば Optical Data Storage 1989Technical Digest Series Vol.1 45(1989)、特開平2-132656号、特開平2-168446号等に提案され、市販コンパクトディスク(以後CDと略す)プレーヤー、CD−ROMプレーヤーやCD−Iプレーヤーと互換性を有する光記録媒体としてCD−Rの名称で既に実用化されている。このCD−Rは、透明基板側から照射されるレーザー光により有機色素記録層を変化させ、情報を信号として記録するものであり、記録機としては波長が770−800nmの高出力半導体レーザーを用いたライターが、また情報記録のためのソフトウエアが、各種市販されている。
【0003】一般に、コンパクトディスクは、その記録内容等を保護層表面に紫外線硬化インクや油性インクを用いた印刷によって表示している。しかしながら、CD−Rの場合は、ユーザーが自ら情報を書き込むため、その内容等の情報を予め印刷するわけにはいかず、ディスク面になんらかの形で一目で分かる表示を行うことが要望されていた。近年、インクジェットプリンター等を用いて記録内容等をプリントする方法が実用化され、これに対応した特殊な表面を有するCD−R媒体が市販されている。これらを用いると、パーソナルコンピューターベースでユーザーがディスク上に自由に情報表示が行うことが出来るが、フルカラーの印刷を行うと、反射層の色を反映して色調が異なって印刷される問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェットプリンターに対応した表面を持つ記録媒体において、フルカラー印刷の色調を改善した光記録媒体を提供することを目的とする。フルカラー印刷の色調を改善するためには、プリント面のバックを白色にすることが必要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意検討を行った結果、反射層と保護層の間に白色金属酸化物、窒化物層を挿入することにより、上記問題が解決できることを見いだし、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、(1)透明基板上に、記録層、金属反射層、白色金属酸化物又は窒化物層、保護層、親水性表面層を少なくとも積層してなる、カラープリントに適した光記録媒体、(2)白色金属酸化物又は窒化物層が、酸化あるいは窒化により白色を呈する金属を、酸素あるいは窒素雰囲気下で蒸着あるいはスパッタリング法で生成した(1)の光記録媒体、(3)親水性表面層が、吸水性および/又は吸油性を有する有機フィラーおよび/又は無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該表面層上を印刷可能にした(1)又は(2)の光記録媒体、(4)記録層が有機色素からなる(1)〜(3)のいずれかの光記録媒体、(5)親水性表面層に水性あるいは油性インクでカラープリントを施した(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に於て用いられる透明基板としては、信号の記録や読み出しを行うための光を透過するものが好ましい。光の透過率としては85%以上であり、且つ光学的異方性の小さいものが望ましい。例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた基板が好ましい例示として挙げられる。これらの中で基板の機械的強度、グルーブや再生専用信号などの付与のし易さ、経済性の点からアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂の射出成形樹脂基板が好ましく、特にポリカーボネート系樹脂基板が最も好ましい。
【0008】これらの基板の形状は板状でもフィルム状でもよく、又円形やカード状でもよい。これらの基板の表面には記録位置を制御するためのグルーブを有してもよい。又、一部再生専用の情報等のためのピット等を有していてもよい。かかるグルーブやピット等は、射出成形や注型によって基板を作る際に付与するのが好ましい。
【0009】本発明の記録層はシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系などの有機色素を用いるのが一般的である。これらの色素は溶剤に対する溶解性のためや記録特性等のために各種の置換基で置換されていてもよい。又、これらの色素は1種又は2種以上を混合して用いることも出来る。
【0010】前記した色素を含有する記録層は通常スピンコート、スプレー、浸漬等の塗布法によって成膜することが出来る。上記色素を塗布法により成膜する際は樹脂基板にダメージを与えない溶剤、すなわち基板用樹脂を実質的に溶解しない溶剤に色素を溶解して塗布すれば良い。本発明に於いて、記録層の膜厚は通常50〜200nmが好ましい。
【0011】色素を含有する記録層を成膜する際には前記した色素の他にニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂やレベリング剤、消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲に於いて併用することもできる。
【0012】記録層としては、主に、有機色素を含有するものについて記述しているが、本発明は無機物やポリマーあるいは金属を記録層として用いた媒体についても適用できることは明らかである。
【0013】本発明に於ける記録層の上に設けられた反射層としては、金、銀、アルミニウムあるいはこれらの合金のような高反射率の金属膜が用いられる。これらの金属の反射層は蒸着、スパッター等の方法で成膜することが出来る。又、これらの反射層の膜厚は通常50〜200nm程度が好ましい。反射層は又、多層積層することも可能である。
【0014】反射層の上には白色金属酸化物層あるいは白色金属窒化物層を設ける。この層を設けることにより、インクジェットプリンターでプリントされる面のバックが白色になり、金属層の色の影響のないフルカラー対応の色調が得られる。
【0015】白色金属酸化物、窒化物層は、酸化あるいは窒化により白色を呈する金属を酸素あるいは窒素雰囲気下で蒸着あるいはスパッタリングを行うことにより生成される。金属としては、アルミニウム、珪素、チタン、亜鉛、タンタル、マグネシウムなどの酸化物あるいは窒化物が白色を呈する金属が用いられる。このうちアルミニウムが取扱い易さ、コスト等の面で好ましい。酸素あるいは窒素雰囲気は蒸着あるいはスパッタリング時に供給するアルゴンなどの不活性ガスに酸素あるいは窒素を混合させて達成される。この時の真空度は10-3〜10-5torr程度、混合比はアルゴン/酸素あるいは窒素容積比で1〜10/1程度が好ましい。これらの白色金属酸化物、窒化物層の膜厚は10〜100nm程度が好ましい。
【0016】保護層としては通常樹脂が用いられる。保護効果からは熱硬化性樹脂、特に生産性などの点からUV硬化樹脂が好ましい。保護層の膜厚は1〜15μm程度が好ましい。保護層の成膜方法としてはスピンコート、スクリーン印刷、浸漬、スプレー法等がある。
【0017】保護層は、1層だけではなく、例えばその耐スクラッチ性を向上させるために2層以上の保護層を積層してもよい。また、保護層の上に全面あるいは部分的にスクリーン印刷等でレーベル等の印刷を行うことも可能である。
【0018】本発明の親水性表面層は、インクジェットプリンターのインクを十分に吸収、定着させるためのものであり、特には、吸水性および/又は吸油性を有する有機フィラー、無機フィラー、あるいはこれらの混合物を含有するUV硬化樹脂で作製することにより、インクの吸収速度が増し、良好な吸収、定着性が得られる。
【0019】有機フィラーの具体例としては、アクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、変性メラミン樹脂微粒子、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等の微粒子、またはこれらポリマーの架橋微粒子、さらにリグニン、プロテイン、セルロースの粉末等が挙げられる。この際油性ペンや水性ペンのインクがはじかないようにするため、添加するフィラーは吸水性や吸油性の高いものが必要である。この点からはリグニン、プロテイン、セルロースの粉末が好ましい。インクジェットプリンターのインクのように乾きにくい溶剤を含む場合は特に効果的である。
【0020】無機フィラーの具体例としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。シリカフィラーについては、破砕によって製造されたものの場合、吸水性または吸油性が低いため十分な効果が得られない。しかし細かい一次粒子が集まって二次粒子を形成している合成シリカ等の場合、その二次粒子の隙間に油性ペンや水性ペンの溶剤が染み込むため効果的である。
【0021】無機フィラーの場合、吸油量が測定されていることが多い。一般的にJISK5101法に準じ、フィラー100g当りに吸収されるアマニ油の量で表される。本発明では5ml/100g(フィラー量)以上が望ましく、15ml/100g(フィラー量)以上が更に望ましい。
【0022】吸水量は一般的な測定方法はないが、フィラーに水を滴下したときに水滴がフィラーに吸い込まれるものが望ましい。表面がフッ素処理されているようなフィラーの場合、水滴はフィラーに吸収されることなく球状になる。このようなフィラーを用いると油性でも水性インクでも乾燥せずはじいてしまう。
【0023】上記有機フィラーや無機フィラーは、単独で用いることもできるが、書き込み後の乾燥性の改善、インクの粘度調整、または色調改良のために併用することがある。この際混合する比率はその目的によっていろいろ変えることが可能である。
【0024】なお、インクの粘度調整のためにアエロジルのように増粘作用のあるフィラーを添加してもよい。また、その他目的に応じ各種添加剤を用いることができ、印刷時のレベリング剤や消泡剤、脱泡剤、増粘剤、タレ止め剤、沈降防止剤、顔料分散助剤、湿潤剤や分散剤等が挙げられる。
【0025】フィラーを含有する樹脂としてはUV硬化樹脂が好ましい。熱硬化樹脂等の溶剤含有樹脂は、煩雑な乾燥工程を必要とし、さらに乾燥によって放出された有機溶剤は作業環境の点で好ましくない。UV硬化樹脂は通常無溶剤で用いられるが、通常UV硬化樹脂にフィラーを添加する場合、粘度上昇のため添加量が限られてしまう。そのためにインクの乾燥速度が遅くなり本発明の目的には好ましくない。
【0026】該親水性表面層の特性をさらに向上させるためには、該層をさらに工夫することが好ましい。すなわち該親水性表面層層には1種類または2種類以上の親水性ポリマーと、1種類または2種類以上の親水性モノマーと1種類または2種類以上の架橋性モノマーと、ラジカル開始剤を含有するUV硬化樹脂を用いる。
【0027】該親水性表面層に親水性ポリマーを加えることにより、表面に付着したインクを定着しやすくする。親水性ポリマーにはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等のホモポリマー及びコポリマーがある。コポリマーの場合は親水性ポリマーでないものとの組合せでもよい。これは1種類加えても良いし2種類以上組み合わせて用いてもよい。多く入れれば入れるほどペンやプリンターのインクの定着がよくなるが、樹脂粘度が高くて成膜出来なくなったりポリマーが析出してしまうため、樹脂組成のうち親水性ポリマーの総量が1〜50重量部になるように加える。望ましくは1〜30重量部にするのがよい。
【0028】本発明に於いては前記親水性ポリマーは極性の高い親水性モノマーに溶解する。親水性モノマーとしてはヒドロキシ(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートのように分子内にOH基を有するもの、またジメチル(メタ)アクリルアミドやジエチル(メタ)アクリルアミド、アクロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような極性の高いものが用いられる。単官能でも良いし、2官能以上のモノマーでもよい。
【0029】これらのモノマーは溶剤のように親水性ポリマーを均一に溶解し、さらに有機溶剤や水を多く含んだペンやインクジェットプリンターで樹脂層に文字を書き込んだ場合、にじみやはじきを抑える。特に親水性の高いポリマーを用いた場合は、分子内に水酸基やカルボキシル基、アミノ基等の極性の高い基を有するモノマーを用いると親水性ポリマーが溶解し易い。親水性ポリマーの溶解性を向上させるために水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類、アセトン、シクロヘキサノンの様なケトン類、ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン系等の溶媒を一部使用してもよい。樹脂組成のうち親水性モノマーの総量は20〜98重量部加える。望ましくは50〜90重量部加える。
【0030】これらに架橋性モノマーを加える。これらにはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が使われる。なお、上記の親水性モノマーがグリセリンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのように多官能の場合は必ずしも加える必要がない。架橋性モノマーを加えることで表面に露出している保護層の架橋密度が上がり塗膜硬度が増す。樹脂組成のうち架橋性モノマーの総量は1〜40重量部加える。望ましくは1〜20重量部加える。
【0031】UV光で硬化可能な親水性モノマーや架橋性モノマーの混合物に親水性ポリマーを添加すると粘度が上昇する。それらの混合物にフィラーを加えればさらに粘度上昇が見られる。そのためモノマーの粘度があまり高いと、フィラー添加後非常に粘度が上がってしまい塗布できなくなってしまう。本発明ではUV硬化樹脂にはなるべく粘度の低いものを選ぶ必要がある。
【0032】これらにラジカル開始剤を用いる。ラジカル開始剤としては1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2、2−ジエトキシアセトフェノンや4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系、2、4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系等が挙げられる。この際加える量は樹脂分のうち、0.1〜10重量部混ぜる。望ましくは1〜8重量部である。この時光開始剤は1種類でもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】フィラーは該樹脂100重量部に対して1〜80重量部添加するが、望ましくは5〜50重量部添加する。保存安定性を考えるとディスパー等で均一に攪拌するのが望ましい。三本ロールで何度も混練すると、合成シリカのように細かい一次粒子から二次粒子を形成しているフィラーは分散されてしまい、本来の特性が発揮できなくなってしまう。また、天然物を利用しているプロテインやセルロースのような有機フィラーの場合、柔らかいためつぶれてしまい吸水性や吸油性が落ちることがある。
【0034】該親水性表面層を形成する方法は、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法があるが、表面を凹凸にする事で筆記性を更に向上させることができるため、スクリーン印刷法が特に望ましい。本発明に於いては該親水性表面層を形成する際に塗布性を改良するために、UV硬化樹脂に溶媒を使用することもできる。膜厚1〜100μmに設計されるがディスクの反りに対する影響を考えると1〜20μmが望ましい。なお、反射層上に一層保護層があればディスク全面に設けても、または部分的にこの層を設けても良い。
【0035】塗布された親水性表面層はUV光で硬化させるが、UV光をあてて硬化する場合、150〜2000mJ/cm2 のエネルギーを与える。好ましくは250〜1000mJ/cm2 あてる。この際数秒で塗膜が硬化する。
【0036】硬化に用いるUVランプは水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられるが、発生エネルギーやランプの価格から考えると高圧水銀灯、メタルハライドランプが望ましい。
【0037】文字を書き込んだりプリントしたりする部分以外にさらに部分的に層を重ねてもよい。例えばそれぞれの媒体で異なるタイトルやナンバーや日付等を書くところ以外の部分は共通の社名やマーク、媒体商品名や中に記録するソフト名等を表記する場合がある。そのような場合スクリーン印刷やオフセット印刷等でさらに何層か重ねてもよい。
【0038】このように構成された親水性表面層に書き込む場合、油性ペンや水、水溶性有機溶剤を含む水性ペン、油性スタンプ、水性スタンプを用いることができる。また、油性、または水性インクを用いたインクジェットプリンター、昇華型プリンター、熱転写型プリンターを使用することもできる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるものではない。
〔実施例1〕厚さ 1.2mm、直径 120mmのスパイラル状のグルーブ(深さ140nm 、幅 0.5μm、ピッチ1.6 μm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂基板にPdを中心金属とするテトラアルコキシフタロシアニン色素からなる記録層を、オクタン溶液を用いたスピンコート法で成膜した。この記録層の上に反射層として厚さ100nmのAu薄膜をスパッターにより成膜した。
【0040】更に、この反射層の上に、アルミニウムターゲットと酸素含有キャリヤーガスを用いた反応性スパッタにより、酸化アルミニウムの層を厚さ30nm成膜した。更にこの上にダイキュア−SD−17(大日本インキ化学工業株式会社の紫外線硬化樹脂)をスピンコートした後、2000mjの紫外線を照射して硬化し、6μmの保護層を成膜した。更に、この保護層上に、ビスフェノールAエポキシアクリレート20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、N−ビニル−2−ピロリドン65重量部、ラジカル開始剤ダロキュア1173 5重量部の組成の樹脂に、プロテインを主成分とする有機フィラー(平均粒径10μm)を上記の樹脂100重量部に対し10重量部加えディスパーで混ぜた。それをスクリーン印刷により膜厚20μmに印刷した。その後80W2灯5m/minに設定されたUV照射装置でUV照射してCD−R媒体を作製した。この印刷表面にキャノン社製インクジェットプリンターでフルカラー印刷を行ったところ、解像度も色調も非常に良好なフルカラープリント像が得られた。
【0041】〔比較例1〕反射層上の酸化アルミニウムのスパッタ膜形成を除いた以外は、実施例1と同様にしてCD−R媒体を作製した。この印刷表面にキャノン社製インクジェットプリンターでフルカラー印刷を行ったところ、解像度は良好であったが、黄色系統の色が不鮮明で、原画に忠実な色調が得られなかった。
【0042】
【発明の効果】実施例から明らかなように、白色金属酸化物あるいは窒化物層を反射層と保護層の間に導入した媒体に、親水性表面層を組み合わせることにより、フルカラーのインクジェットプリンターに対応した光記録媒体を提供することが出来る。