書誌情報
要約
特許請求の範囲
発明の詳細な説明
《表紙》
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平7−233305
(43)【公開日】平成7年(1995)9月5日
(54)【発明の名称】ポリプロピレン樹脂組成物
(51)【国際特許分類第6版】
C08L 53/00 LMA
C08K 3/00
5/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願平6−321051
(22)【出願日】平成6年(1994)12月22日
(31)【優先権主張番号】特願平5−332401
(32)【優先日】平5(1993)12月27日
(33)【優先権主張国】日本(JP)
(71)【出願人】
【識別番号】000003126
【氏名又は名称】三井東圧化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
(72)【発明者】
【氏名】杉原 永一
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】横手 幸夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】星野 実
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】増田 和彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】是久 金造
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小川 千尋
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 美喜子
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠
(57)【要約】
【構成】 ポリプロピレン100重量部、無機フィラー2〜100重量部、炭素数が15〜20で構成される脂肪酸と亜鉛の金属石鹸0.2〜2.0重量部、必要によりフェノール系酸化防止剤0.1〜0.5重量部、アミン基が全てアルキル基により置換されたヒンダードアミン系耐光剤0.1〜1.0重量部からなりメルトインデックスが15g/10min以上である事ポリプロピレン樹脂組成物。 さらに該ポリプロピレンが特定の〔η〕を有する2種のプロピレンエチレン共重合部を含むプロピレンエチレンブロック共重合体である組成物
【効果】 本組成物は流動性が向上し、衝撃強さ、剛性、耐熱性の低下が生じない。したがって、成形品の薄肉化による剛性不足、衝撃不足、耐熱性不足が生じ難く、自動車の外装品、内装品を肉薄化し、材料費の低減、成形サイクルの圧縮、製品の軽量化に優れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリプロピレン100重量部、無機フィラー2〜100重量部、無機フィラー2〜100重量部、炭素数が15〜20で構成される脂肪酸と亜鉛の金属石鹸0.2〜2.0重量部からなる向上したメルトインデックスを有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項2】 ポリプロピレンがプロピレンの重合のあとプロピレンとエチレンの共重合を行って得られるプロピレンホモ重合部とプロピレンエチレン共重合部からなるブロック共重合体であって、該ポリプロピレン樹脂組成物中にプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含み、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であって、該ポリプロピレン樹脂組成物がステアリン酸亜鉛の代わりに同量のステアリン酸カルシウムを同量添加した場合のメルトインデックスに比べて1.2倍以上のメルトインデックスを有することを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項3】 ポリプロピレンがプロピレンの重合のあとプロピレンとエチレンの共重合を行って得られるプロピレンホモ重合部とプロピレンエチレン共重合部からなるブロック共重合体であって、プロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含み、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1である多段重合体であることを特徴とする請求項2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項4】 ポリプロピレンがプロピレンの重合のあとプロピレンとエチレンの共重合を行って得られるプロピレンホモ重合部とプロピレンエチレン共重合部からなるブロック共重合体であって、そのブロック共重合体がプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aを含むブロック共重合体と7〜15の共重合部Bを含むブロック共重合体の少なくとも2種のブロック共重合体からなり、且つその重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であることを特徴とする請求項2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項5】 プロピレンエチレンブロック共重合体のプロピレンホモ重合部の平均の〔η〕が0.7〜1.5であることを特徴とする請求項2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項6】 プロピレンエチレンブロック共重合体のプロピレン重合部の〔η〕が高〔η〕Hと低〔η〕L部分の少なくとも2種以上からなり、〔η〕Hの〔η〕の〔η〕Lの〔η〕に対する比が1.1〜2.0であって、且つ平均の〔η〕が0.7〜1.5であることを特徴とする請求項記5載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項7】 ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローインデックス(MI)が15g/10min以上である事を特徴とする請求項2〜4記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項8】 請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物にさらに酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤0.1〜0.5重量部、アミン基の水素が全てがアルキル基により置換されたヒンダードアミン系耐光剤0.1〜1.0重量部を添加してなるからなりメルトインデックスが15g/10min以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項9】 無機フィラー100部に対して不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフトされた変性ポリプロピレン0.001〜0.3重量部の量でで無機フィラー表面を処理されているものを用いることを特徴とする請求項1または8記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項10】 金属石鹸がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1または8記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項11】 請求項8記載のポリプロピレン樹脂組成物にさらに炭素数15〜20の高級脂肪酸のグリセリンエステルの添加量が0.2〜1重量部添加すること特徴とする請求項8の記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項12】 高級脂肪酸のグリセリンエステルがグリセリンモノステアレートであることを特徴とする請求項11記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項13】 無機フィラーがタルクであることを特徴とする請求項8または9記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明ポリプロピレン樹脂組成物に関し、更に詳細には流動特性、射出成形性の改良されたポリプロピレン樹脂組成物に関する。また本発明は流動特性、射出成形性が改良されさらに剛性と衝撃強さのバランスに良好なポリプロピレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパー、フェンダー等の外板材、ピラー等の内装材にポリプロピレン樹脂組成物が金属材料に代わり使用される様になってきた。ポリプロピレンにエチレン−プロピレンエラストマー(EPM、EPDM)等を加え衝撃強さを高めたり、曲げ弾性率を高める為にタルク等の無機フィラーを加え改良する方法が行われている。
【0003】ポリプロピレンは結晶性の樹脂であり成形収縮率が他の非結晶性樹脂と比べて大きいので、ポリプロピレンにエチレン−プロピレンエラストマー(EPM、EPDM)等のエラストマーやタルク等の無機フィラーを添加し成形収縮率を低く抑えている方法も行われている。
【0004】自動車に使用する部品を軽量化することは自動車の走行に使用する燃料の減少することができ、これによって大気中に放出される炭酸ガスの量を減すことができて地球環境の保全につながる。自動車等の部品を軽量化する方法として材料の比重を低下させる方法や材料の衝撃強さをあまり低下させない範囲で剛性を高め、製品を薄肉化する等の方法が考えられが、薄肉化する方法の方が成形材料費の軽減化が出来、樹脂を射出成形して部品を製造する場合には薄肉化により成形物の冷却効率が高まり、その結果成形の生産性も向上し望ましい。
【0005】しかし、射出成形方法に於いて、薄肉化するには、樹脂の流動性と成形機の性能により限界がある。例えば、流動性が悪い材料では、金型内の狭い隙間に樹脂が流れ込む時に大きな圧力で押し込む必要があり、型締め圧の大きな成形機を用いないと型開きが起きる等の問題が生じることがある。型締め圧が高い成形機は大型で高価であり、設置面積も広く取る必要があり余り経済的でない。 樹脂の流動性を高めて肉薄化する場合、使用するポリプロピレン樹脂樹脂の分子量を低くしメルトインデックスの高いものを用いれば高流動化可能であるが、樹脂の分子量を低下させると衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度等の機械物性の機能低下が生じるので限界があり、衝撃強さを低下を極力防ぐためには、通常ポリプロピレンとしてプロピレンの重合後プロピレンとエチレン共重合を行うプロピレンエチレンブロック共重合体を用い、更に、プロピレン重合部(以下ホモ部と略記する)の分子量を低くし流動性を高め、衝撃強さを高めるために共重合部の分子量を高めて両者のバランスをとることで対応していた。
【0006】しかし、ホモ部の分子量が余り低くなると分子量の低下にともなって急激に衝撃強さ、特に常温Izod衝撃強さが低下する。一方、自動車の部品等としてポリプロピレン樹脂組成物からなる成形品を用いた場合、低温脆化温度以下では、急激に衝撃強さが低下する為、低温脆化温度が低く、低温衝撃強さに優れた材料が求められていた。
【0007】低温脆化温度を改良するには、やはり共重合部の分子量を高める必要があり、低温脆化温度は、共重合部の分子量が高い程優れていた。従って、高流動性のポリプロピレン樹脂組成物に於いて、常温Izodと低温脆化温度の両方が優れたものを製造することは、難しかった。
【0008】一方、ポリプロピレン等のポリオレフィンの繊維に於いて、静電気防止、顔料等の分散性、耐堅牢性改良の目的でステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を添加する方法も提案されている。(例えば、U.S.P2,984,634、特公昭37−15466、Belg.P.617,280、Belg.P.614,776、特公昭38−4477、特公昭44−11023等が挙げられる。)しかし、ポリプロピレンのみにステアリン酸亜鉛を添加しても流動生は、余り向上せず、過剰に加えると耐熱性、曲げ弾性率、衝撃強さの低下を招いていた。また、一般的なポリプロピレン樹脂組成物は、熱安定剤、顔料、紫外線吸収剤等を溶融状態のポリプロピレンへの分散を向上させる目的でステアリン酸カルシウムを添加している。
【0009】また、特開昭61−138652には、ステアリン酸カルシウムとステアリン酸亜鉛を併用して顔料の分散性またはウエルド強度を改良する方法が提案されている。しかし、多量のステアリン酸カルシウムを添加すると、樹脂組成物の剛性と耐熱性を著しく低下させるので通常0.2wt%程度が実用上限度であり、0.2wt%程度添加してもメルトインデックスは殆ど変化無かった。
【0010】特開昭61−138652では、ポリプロピレン100重量部に対してステアリン酸カルシウム0.6とステアリン酸亜鉛をそれぞれ0.6重量部ずつ添加すると浮き出しが見られる事が述べられている。
【0011】特開平2−300247には、メルトインデックスが低いポリプロピレン、無機フィラー、ステアリン酸ナトリウムを配合した樹脂組成物が比較例として開示してあるが、本発明が目的とする肉薄化が可能なメルトインデックスの範囲(15g/10min以上) には、達しないものであり流動性に優れたポリプロレン樹脂組成物ではなかった。
【0012】ポリプロピレン等のポリオレフィンに塩酸補足剤、静電気防止、顔料等の分散性、耐堅牢性改良の目的でステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を添加する方法は知られている。一方、ポリプロピレンは、そのままでは、耐光(候)性に劣るので各種の耐光剤を添加している。それらの中でもヒンダードアミン系の耐光剤が広く使用されている(例えば、特公昭60−16979が挙げられる)。アミン基は金属石鹸と反応し易く、反応した際に酸化金属、遊離の脂肪酸等が成形品の表面に浮きだし、射出成形の金型表面を汚染したり、成形品を長期間使用中に成形品表面の浮きだし物が目立つ様になり外観を損ねる事がある。その傾向はポリプロピレンにおいては、ステアリン酸亜鉛よりもステアリン酸カルシウムが少ない事から通常、ポリプロピレンに使用する金属石鹸は、ステアリン酸カルシウムが主であり、ステアリン酸亜鉛はあまり使用されず、使用される場合もステアリン酸カルシウムと併用して使用されていた(例えば、特開昭61−138652が挙げられる。)また、ヒンダードアミン系耐光剤とフェノール系酸化防止剤を併用した場合、黄、ピンクへの変色問題が生じる場合があった。
【0013】ポリプロピレンは、熱により酸化分解し易い性質を有しており、また分解すると変色等の問題が生じる場合がある。そのため、射出成形等に用いられるポリプロピレンは、殆どが何らかの酸化防止剤が添加されている。通常は、フェノール系、燐系、イオウ系の酸化防止剤が適当に使用され、造粒時、射出成形時の溶融状態での酸化・分解防止、高温での使用時における酸化防止に効果が得られている。これらの酸化防止剤の添加量を減らして、造粒すると一部のポリプロピレンの熱分解が生じて分子量が低下化し、そのために耐衝撃性は低下する。
【0014】ヒンダードアミンのアミン基の水素をアルキル基等で置換した化合物をポリプロピレン等の樹脂に添加した例として、ヒンダードアミンをの水素をメチル置換して耐水性を向上させる例(特開昭59−62651)、ポリオレフィン繊維の耐候性を向上させる例(例えば特開昭61−136533)、放射線に安定なポリプロピレン樹脂組成物(例えば特開昭62−235345)、樹脂組成物の耐候性を向上させる方法(例えば、特開昭63−291957)、プラズマ処理に適した樹脂組成物(例えば特開昭63−33426)等が挙げられる。これらの、特許では無機フィラー及び、又は、金属石鹸が共存しない系で述べられており、本発明が解決しようとする課題の一つである金属石鹸とヒンダードアミンの反応や、フェーノール系酸化防止剤とヒンダードアミンとの反応による悪影響を解決する方法を提案しているものではない。
【0015】また、特開昭64−36633には、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を併用した場合に耐候性が低下する事を防止する目的で、無機フィラーを充填するポリオレフィン樹脂にフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、金属石鹸を添加する事が述べられているが、本発明が解決しようとする問題点であるヒンダードアミン系耐光剤とフェノール系酸化防止剤を併用した場合の変色問題については解決方法を提案しているものではない。また、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を添加した場合のヒンダードアミン系耐光剤と金属石鹸の反応により生じる問題についての記載はなく、本発明が解決しようとする課題のひとつである金属石鹸とヒンダードアミンの反応や、フェーノール系酸化防止剤とヒンダードアミンとの反応による悪影響を解決する方法を提案しているものではない。
【0016】また、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフトされた変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンとビニールアルコールエチレン共重合体との接着剤の成分として使用されている(例えば、特開昭49−39678、特開昭49−09546、U.S.P 4,983,435)が、フィラーが含まれる樹脂組成物の改質材として使用するには変性ポリプロピレンを多量に添加する必要であり、通常不飽和カルボン酸が10%程度グラフトした変性ポリプロピレンであればガラス繊維を含むポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜5.0部程度加える必要があった。
【0017】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、衝撃強さ、剛性、耐熱性等の物性の低下が実用上問題無く、流動性を改良し、薄肉化された成形品を製造するに適し、ペレット化による黄、ピンクへの変色、金型の表面、射出成形品表面への浮き出し物が少ないポリプロピレン樹脂組成物を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果本発明に到達した。
【0019】即ち本発明はポリプロピレン100重量部、無機フィラー2〜100重量部、炭素数が15〜20の脂肪酸と亜鉛の金属石鹸0.2〜2.0重量部からなる向上したメルトインデックスを有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物である。
【0020】さらに本発明のポリプロピレン樹脂組成物は該ポリプロピレンがプロピレンの重合(以下ホモ重合部と略記する)のあと、プロピレンとエチレンの共重合(以下共重合部と略記する)を行って得られるからなるブロック共重合体であって、該ポリプロピレン樹脂組成物中にプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6(本発明で〔η〕は135℃テトラリンで測定した極限粘度を示す)の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含み、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であって、ステアリン酸亜鉛の代わりに同量のステアリン酸カルシウムを同量添加した場合のメルトインデックスに比べて1.2倍以上のメルトインデックスを有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物である。
【0021】さらに本発明のポリプロピレン樹脂組成物はポリプロピレン100重量部、無機フィラー2〜100重量部、炭素数が15〜20の脂肪酸と亜鉛の金属石鹸0.2〜2.0重量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤0.1〜0.5重量部、アミン基の水素が全てアルキル基により置換されたヒンダードアミン系耐光剤0.1〜1.0重量部よりなり、メルトインデックスが15g/10min以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物である。
【0022】本発明のポリプロピレン樹脂組成物に使用するポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等の結晶性の高いポリプロピレンであり、ホモポリプロピレン、結晶性プロピレンエチレンランダム共重合体、結晶性プロピレンエチレンブロック共重合体、及びこれらの混合物である。本発明はポリプロピレンの流動性向上の効果があり、特に流動性と衝撃強さ、剛性のバランスに優れているのでプロピレンエチレンプロック共重合体が好ましい。
【0023】本発明で言うエチレンプロピレンブロック共重合体はプロピレン(またはエチレン量が1wt%以下のプロピレンとエチレンの混合物も含む)を重合した後、エチレン量が30〜95wt%のエチレンとプロピレンの混合モノマーを供給し共重合部を重合してを得るものが一般的であるが、同様の組成で先に共重合部を重合しその後にプロピレン重合して得られるポリマーでも良い。
【0024】さらには上記プロピレンエチレンブロック共重合体にプロピレンホモポリマーやエチレンプロピレンゴム等を添加したり、プロピレンホモポリマーとエチレンプロピレンゴムを混合したものも好ましく用いられる。
【0025】特に本発明では、該ポリプロピレンがプロピレンの重合の後プロピレンとエチレンの共重合を行って得られるホモ重合部と共重合部からなるブロック共重合体であって、該ポリプロピレン樹脂組成物中にプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含み、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であるものが好ましく用いられる。このようなポリプロピレンとして用いた本発明のポリプロピレン樹脂組成物はステアリン酸亜鉛の代わりに同量のステアリン酸カルシウムを同量添加した場合のメルトインデックスに比べて1.2倍以上のメルトインデックスを有することできて特に好ましい。
【0026】該ポリプロピレンがプロピレンの重合の後プロピレンとエチレンの共重合を行って得られるホモ重合部と共重合部からなるブロック共重合体であって、該ポリプロピレン樹脂組成物中にプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含みが、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であるものという意味は、本発明の樹脂組成物中にプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bをその比率重量A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1で含んでいれば良いのでA及びBを共に共重合で製造することによってもブレンドで樹脂組成物中に含ませても良い。
【0027】より具体的にはポリプロピレンがプロピレンの重合後にプロピレンとエチレンの共重合を行って得られるホモ重合部と共重合部からなるブロック共重合体であって、プロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aと7〜15の共重合部Bを含み、その重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1である多段重合体であるブロック共重合体が挙げられる。
【0028】また別の具体的例としては、ブロック共重合体がプロピレンとエチレンの共重合部の〔η〕が2〜6の共重合部Aを含むブロック共重合体と7〜15の共重合部Bを含むブロック共重合体の少なくとも2種のブロック共重合体からなり、且つその重量比率A:Bが0.1:0.9〜0.9:0.1であることようにブレンドたものも好ましい例として挙げられる。
【0029】プロピレンエチレン共重合部のプロピレンエチレンの比率(wt%)は30〜95、好ましくは30〜80、より好ましくは40〜70である。なお、この共重合部では通常生成する重合物は不均一で主としてエチレンが40wt%程度のゴム状エチレンプロピレンランダム共重合体、ポリエチレンに近いエチレンプロピレン共重合体及びポリプロピレンに近い組成の結晶性プロピレンエチレン共重合体が生成する。
【0030】本発明に使用されるプロピレンエチレンブロック共重合体のホモ重合部と共重合部の割合は、プロピレンエチレンブロック共重合体中のホモ重合部が95〜75wt%、好ましくは90〜78wt%、より好ましくは85〜78wt%である。
【0031】上記プロピレンエチレンブロック共重合体のホモ重合部の平均の〔η〕は0.7〜1.6、好ましくは0.8〜1.5である。さらにはポリプロピレンの流動性を良好にするために該ホモ重合部の〔η〕が高〔η〕Hと低〔η〕L部分の少なくとも2種以上からなり、〔η〕Hの〔η〕の〔η〕Lの〔η〕に対する比が好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.3〜1.8であるものが使用される。具体的にはホモ重合部が〔η〕Hであるプロピレンエチレンブロック共重合体とホモ重合部が〔η〕Lであるのプロピレンエチレンブロック共重合体を2種以上を混合して用いる方法やプロピレンエチレンブロック共重合体のホモ重合部を多段で重合して各段の生成ポリプロピレンの〔η〕を変化させたものを使用することもできる。またプロピレンブロック共重合体にそのプロピレンホモ重合部の〔η〕と異なるプロピレンホモポリマーを添加して上記〔η〕構成にすることもできる。
【0032】ホモ重合部の平均の〔η〕が0.7未満のものは、常温Izod衝撃強さ、低温脆化温度、引張破断伸びとメルトインデックスのバランスが著しく悪くなる場合がある。ホモ重合部の平均の〔η〕が1.8以上のものでは、プロピレンエチレンブロック共重合体のメルトインデックスを高いものを得るためには、共重合部の〔η〕が7〜15の範囲のものの割合を共重合体部全体の10wt%以下しないといけない場合があり、その場合は低温脆化温度が劣る。またプロピレンホモ重合部の〔η〕が1.8以上のものでプロピレンエチレンブロック共重合体のメルトインデックスを高いものを得るための別の方法は、共重合部の量を低くすることによってもできるが、この場合は常温Izod衝撃強さ、低温脆化温度、面衝撃強さに劣る。
【0033】ホモ重合部の〔η〕が0.7〜1.0のプロピレンエチレンブロック共重合体にホモ重合部〔η〕が1.2〜2.0のプロピレンエチレンブロック共重合体を10wt%以上添加するとこの組成物は流動性、常温Izod衝撃強さ、低温脆化温度が更に優れ好ましい。ホモ重合部の〔η〕が1.2未満のものを添加しても常温Izod衝撃強さは、あまり向上しない。一方、ホモ重合部の〔η〕が2.0を越えたものを添加した場合は、全体のメルトインデックスを高く保つ為に、共重合部の量も少なくする必要があり、そのため常温Izod衝撃強さ、低温脆化温度が劣るものしか得られない。さらには全体のメルトインデックスを高く保つ為には共重合部の〔η〕の高いものを混合することが難しい場合もある。
【0034】ホモ重合部の〔η〕が1.2〜2.0のプロピレンエチレンブロック共重合体の混合比率が10wt% 未満では、常温Izod衝撃強さ、低温脆化温度の改良効果が少ない。
【0035】上記の添加されるホモ重合部 の〔η〕が1.2〜2.0のプロピレンエチレンブロック共重合は共重合部の〔η〕が、2〜6の範囲のものであっても、7〜15の範囲のものであっても良い。
【0036】更に、ホモ重合部の分子量分布(Mw/Mn)を広げたり、立体規則性を高めた高結晶性ポリプロピレンにしたりすることによって、本発明のポリプロピレン樹脂組成物の剛性と衝撃強さのバランスを改良することができる。
【0037】本発明で使用するプロピレンエチレンブロック共重合体は通常製造される公知の方法によって得られる。重合方法は溶媒重合法、塊重合法、気相重合法が使用でき、バッチ重合法でも連続重合法でも良い。
【0038】使用する重合触媒は三塩化チタン、活性化三塩化チタン、電子供与性化合物で処理した塩化マグネシウムに担持した四塩化チタンなどのチタン触媒成分と有機アルミニウム化合物またはこれに電子供与性化合物を添加したは公知の触媒が使用できる。さらにはメタロセン化合物とアルミノキサンより成る触媒も使用できる。
【0039】本発明で好ましく使用されるプロピレンエチレンブロック共重合体は、先ずプロピレンまたはプロピレンにエチレンが1wt%以下混合したプロピレンを重合し後、エチレン量が30〜95wt%のエチレンとプロピレンの混合モノマーを供給して共重合を行うことによって得られる。
【0040】上記(共)重合の過程で所望によりホモ重合部並びに共重合部に水素を添加して生成重合体の分子量を調節する。その際にはプロピレンエチレンブロック共重合体が本発明の構成〔η〕になるように水素量を制御して重合を行う。必要により水素濃度を多段階変化させてで共重合部に重合を行うこともでき、またホモ重合部も必要により水素量の異なる多段階の重合を行っても良い。
【0041】特に重合触媒として四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られた三塩化チタンをエーテル化合物と四塩化チタンで活性化して得られるいわゆるソルベイ触媒と有機アルミニウム化合物及びエステル化合物などの電子供与性化合物よりなる触媒を用いるてプロピレンエチレンブロック共重合体を重合するとホモ重合部は分子量分布(Mw/Mn)が8〜12で、アイソタクチックペンタッド分率[mmmm]が0.97〜0.99のものが得られる。このブロック共重合体は、通常の高立体規則性のプロピレンホモ重合部を有するプロピレンエチレンブロック共重合体を用いて成形したときにに起こる樹脂の充填不足や可塑化時間が伸びて成形サイクルが長くなる欠点も無く、且つ成形物が適度な剛性を有するので射出成形材料としては最適である。
【0042】また、四塩化チタンを塩化マグネシウムに担持したいわゆる担体触媒成分、有機アルミニウム化合物及びアルコキシシラン化合物からなる触媒を用いてプロピレンエチレンブロック共重合体を重合するとプロピレンホモ重合部は分子量分布が(Mw/Mn)が4〜7、好ましくは4.5〜6.5で、アイソタクチックペンタッド分率[mmmm]が0.97〜0.99のものが得られる。このプロピレンエチレンブロック共重合体成形物は引張破断伸び、Izod衝撃強さと流動性のバランスに優れるので、衝撃強さが必要とされる成形材料として最適であるが、このプロピレンエチレンブロック共重合体は結晶化速度が非常に早く、細いリブ等を有する成形物の射出成形材料としては充填不足を生じ易くい欠点があるが、ゴムを添加する事により充填不足等の不具合を改良することができる。
【0043】本発明のポリプロピレン樹脂組成物のメルトインデックスは、15〜100g/10minであり,好ましくは20〜100、更に好ましくは25〜100である。メルトインデックスが15g/10min未満のポリプロピレン樹脂組成物では、流動性が悪く薄肉成形には適さない。また、メルトインデックスが100g/10minを越える場合は耐衝撃性に劣り、また、射出成形の際にバリができる場合がある。
【0044】本発明の上記特定のプロピレンエチレンブロック共重合体を用いたポリプロピレン樹脂組成物のメルトインデックスは、本発明で用いる金属石鹸を添加することにより、同量のステアリン酸カルシウムを添加した場合の組成物のメルトインデックスに比べて1.2〜2倍、好ましくは1.3〜2倍のメルトインデックスを有し、使用する樹脂を選択することで、1.4〜2倍にも及ぶことができる。また本発明の樹脂組成物はスパイラルフロー長が大きく、射出成形時の樹脂の充填不足がなく、射出成形品の残存応力によるねじれや変形がしにくい改良等の成形性改良効果も特に大きいという特徴を有している。
【0045】さらに本発明のポリプロピレン樹脂組成物はポリプロピレン100重量部、無機フィラー2〜100重量部、炭素数が15〜20である脂肪酸と亜鉛の金属石鹸0.2〜2.0重量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤0.1〜0.5重量部、アミン基の水素が全てアルキル基により置換されたヒンダードアミン系耐光剤0.1〜1.0重量部を添加してなるからなりメルトインデックスが15g/10min以上であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物である。
【0046】特定のメルトインデックス以上のポリプロピレンと無機フィラーからなるポリプロピレン樹脂組成物に特定の金属石鹸、さらに酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、アミン基の水素が全てアルキル基により置換されたヒンダードアミン系耐光剤を添加することにより衝撃強さ、剛性、耐熱性等の物性の低下をあまり招かず流動性を向上できることも本発明の実施態様である。
【0047】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン100重量部に対して無機フィラーが2〜100重量部含まれるものが最適であり、好ましくは10〜70重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。無機フィラーが2重量部以下では、少量金属石鹸を添加しても流動性はあまり向上せず、金属石鹸を多量に添加すると流動性は、向上するが衝撃強さ、剛性、耐熱性等の物性の低下を生じる。100重量部以上のフィラーを配合したポリプロピレン樹脂組成物は金属石鹸を添加しても流動性はあまり向上せず効果が無い。
【0048】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン以外の樹脂またはゴム成分を含んでも流動性改良効果が低下しない。特に、エチレンプロピレン共重合体エラストマー(EPM)、エチレンプロピレンジエン共重合体エラストマー(EPDM)、エチレンブテン−1共重合体エラストマー(EBM)、エチレン−オクテン−1共重合体エラストマー(EOM)、エチレン−ヘキセン−1共重合体エラストマー(EHM)、超低密度ポリエチレン、スチレンブタジエンブロック共重合体エラストマー、スチレンブタジエンランダム共重合体エラストマー、スチレンイソプレンブロック共重合体エラストマーなどのエラストマーをポリプロピレンに対して0〜30部適量添加すると衝撃強さが改良でき好ましい。
【0049】本発明で使用する無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ繊維、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシゥム、雲母、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、珪酸カルシウム、硝子繊維、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化アルミニウム、炭化珪素、硫化カドニウム等が例示され、特に、タルクを用いた樹脂組成物は成形品の平滑性に優れ、また、最も流動性改良効果が優れ、射出成形して得られる成形品の射出方向に対して直角方向(MD 方向) と平行方向(TD 方向) の収縮率の差が少なく好ましい。また、本発明で使用する無機フィラーとしては、比表面積が0.5〜20m2/gのものが特に好ましく、比表面積が0.5m2/g未満のものは、粒径が大き過ぎ、成形品の衝撃強さ、引張破断伸びに劣り、金属石鹸が浮きだし、製品の外観を損ねる場合がある。また例えばカーボンブラック等の20m2/gを越えるフィラーはフィラーの表面に金属石鹸が必要以上に付着して金属石鹸の流動性、機械物性改良の効果が無い。
【0050】また、使用する無機フィラーの95〜60wt%をタルク、5〜40wt%を繊維状硫酸マグネシウムウイスカ(MgSO4・8H2O)にしたものより得られる成形品は直角方向(MD方向) と平行方向(TD方向) の収縮率の差が少なく、且つ、曲げ弾性率と衝撃強さのバランスが特に優れ好ましい。更に最適なタルクとしては、平均粒径が2 μm 以下のもの、特に好ましくは、1μm 以下の物を使用して得た成形品は剛性と衝撃強さのバランスに優れ、特に中国北部の原石を使用したタルクが不純物も少なく成形品の剛性と衝撃強さのバランスが優れたものが得らる。また、タルクの表面をシラザン等で処理したものは無機フィラーとして好ましい。
【0051】本発明で使用する金属石鹸は、炭素数が15〜20である脂肪酸と亜鉛の金属石鹸である。炭素数が15〜20の脂肪酸の例としては、ペンタデカ酸、ヘキサデカ酸、パルミチン酸、オクタデカ酸、ステアリン酸、ノナデカ酸、イコサ酸、オレイン酸等の脂肪酸が挙げられる。炭素数が15未満の脂肪酸の金属石鹸を用いると衝撃強さ、剛性、耐熱性に劣り、炭素数が20以上の脂肪酸の金属石鹸を用いると流動性向上効果が十分でない。特にステアリン酸亜鉛を用いたものが最も成形品の衝撃強さ、剛性、耐熱性、流動性のバランスに優れ、且つ、少量の添加でも樹脂組成物の流動性改良の効果が大きくて好ましい。
【0052】本発明の脂肪酸と亜鉛からなる金属石鹸の使用量はポリプロピレン100重量部当たり0.2〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部、さらに好ましくは0.3〜0.7重量部である。0.2重量部未満では、樹脂組成物の流動性等の物性改良効果が十分得られず、2.0重量部を越えると金属石鹸が成形品の表面への浮きだし、また樹脂の耐熱性や衝撃強さが低下する。
【0053】本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤としてフェノール系の酸化防止剤を添加してもよい。使用する場合は、フェノール系の酸化防止剤を用いる事によりポリプロピレンの分解を生じる事無く樹脂組成物の流動性が向上出来る。通常の燐系、イオウ系酸化防止剤は脂肪酸と亜鉛からなる金属石鹸を加えた場合の流動性向上効果を阻害する。フェノール系酸化防止剤は特に限定されないが、市販の物を使用することができる。フェノール系酸化防止剤の添加量はポリプロピレン100重量部に対して0.05〜0.5部好ましくは0.07〜0.3部である。
【0054】フェノール系酸化防止剤の例としては下記のものが例示される。2、6−ジ−t−ブチルフェノール、2、4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2−t−ブチル−4、6−ジメチルフェノール、2、6−t−ブチル−4−メチルフェノール、2、6−t−ブチル−4−エチルフェノール、2、4、6−トリ−t−ブチルフェノール、2、6−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2、6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレソール、2、5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2、5−ジ−t−アミルヒドロキノン、3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸 n−オクタデシル、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、スチレネートフェノール、大内新興社製 Noclizer SCM(商品名)(化1)、エーザイ社製 ビタミンEエーザイ(商品名)(化2)、
【0055】
【化1】

【0056】
【化2】

2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2、2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2、2’−メチレンビス−(6−メチルシクロヘキシル−p−クレソール)、2、2’−エチレンビス−(2、4−ジ−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−ブチレンビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4、4’−メチレンビス−(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、4、4’−ブチレンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1、6−ヘキサンジオールビス−[3−(3、5−ジ−t−ブチル−(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチェングリコールビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、N,N’−ビス−[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス−3−(3’、5’)−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルヘキサメチレンジアミン、2、2−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2−チオジエチレンビス−「3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリス[2−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシルエチル)−イソシアヌレート、トリス[4−t−ブチル−2、6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン、プロピル−3、4、5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3、4、5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3、4、5−トリヒドロキシベンゼンカルボネート、2、2’−メチレンビス−(4−m−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4−メチレンビス−(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、1、1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1、1、3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−3−メチルブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3、9−ビス−[1、1−ジ−メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2、4、8、10−テトラオキサスピロ[5、5]ウンデカン。
【0057】本発明の樹脂組成物は、好ましくは耐光性、耐候性を高める目的でアミン基の水素原子がアルキル基で置換されたヒンダードアミン系耐光剤を添加する。水素原子が置換されていないものを用いると金属石鹸とヒンダードアミン系耐光剤が反応し、成形品の表面に金属酸化物、遊離の脂肪酸が浮きだし、射出成形機の金型表面を汚染したり、成形品の外観が損なわれる。また、フェノール系の酸化防止剤と併用した場合、相互の不純物と思われるものが反応し、黄色、ピンク等に変色する場合がある。本発明で用いるヒンダードアミン系耐光剤はアルキル基の一部にカルボニル、エステル基を含むものであっても良く、またこれらの官能基の縮合反応により、高分子量化したものは、長期間成形品を使用した場合の表面への浮き出が少なく、自動車のインスルーメントパネル等を成形した場合、メーターカバーのガラスやアクリル樹脂に曇りを生じさせる揮発分の発生が少く好ましい。アミン基の水素原子がアルキル基で置換されたヒンダードアミン系耐光剤は特に限定されるものではないが、例としては次のようなものがを挙げられる。商品名アデカスタブLA−52(旭電化工業社製)(化3)、商品名アデカスタブLA−62(旭電化工業社製)(化4)、商品名アデカスタブLA−63(旭電化工業社製)(化5)、商品名アデカスタブLA−82(旭電化工業社製)(化6)、商品名サンドルーバ3058(サンド社製)(化7)、商品名サンドルーバ3056(サンド社製)(化8)。
【0058】
【化3】

【0059】
【化4】

【0060】
【化5】

【0061】
【化6】

【0062】
【化7】

【0063】
【化8】

本発明で用いるヒンダードアミン系耐光剤の添加量はポリプロピレン100重量部に対して0.1〜1重量部、好ましくは0.15〜0.5部である。
【0064】本発明の樹脂組成物は、必要によりその他の添加剤を添加しても良い。該添加剤として、例えばフィラーの分散剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、結晶化促進剤、銅害防止剤、滑剤、難燃剤、可塑剤等が挙げられる。
【0065】本発明では特に、炭素数15〜20の高級脂肪酸のグリセリンのエステルを金属石鹸と併用した場合、樹脂組成物の性率等の低下が無く衝撃強さを改良できる。高級脂肪酸とグリセリンのエステルとしては、ペンタデカ酸、ヘキサデカ酸、パルミチン酸、オクタデカ酸、ステアリン酸、ノナデカ酸、イコサ酸、オレイン酸等の脂肪酸とグリセリンのモノ、ジ、トリエステルが挙げられ、グリセリンモノステアレートが特に好ましい。
【0066】高級脂肪酸とグリセリンのエステルの添加量としては、ポリプロピレン100重量部に対してに対して0.2〜1重量部、特に好ましくは、0.2〜0.7重量部である。1重量部を越えては、製造された樹脂組成物が吸湿し易く、射出成形時に不具合を生じ易く、また耐熱性、剛性の低下が著しく大きい。高級脂肪酸とグリセリンのエステルの添加量が0.2重量部未満では、耐衝撃強さ改良効果が少ない。
【0067】本発明の樹脂組成物は、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフトした変性ポリプロピレンをポリプロピレン100重量部に対して0.001〜0.3重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部添加することにより引張破断伸び、曲げ弾性率の向上が見られる。0.001重量部未満では引張破断伸び、曲げ弾性率の向上が見られず、0.3重量部以上では、樹脂組成物の流動性が低下する。特に、無機フィラー表面を処理されているものが好ましい。無機フィラー表面が変性ポリプロピレン処理されているというの意味は無機フィラーを変性ポリプロピレンと接触させることを意味し、好ましくは両者をヘンシルミキサーなどで混合させることにより処理することができる。
【0068】該変性ポリプロピレンの製造に使用される不飽和カルボン酸もしくはその誘導体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アマイド、マレイン酸モノアマイド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム等が挙げられ、これらの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体を溶媒中でポリプロピレンと接触させるか、または押出機・ニーダー等の中で高温下の溶融状態で不飽和カルボン酸もしくはその誘導体とポリプロピレンを接触させてグラフトする方法により変性ポリプロピレンが得られる。変性ポリプロピレンの添加方法としてはポリプロピレン、無機フィラー、添加剤と共に一括して添加する方法でも可能であるが、無機フィラーと変性ポリプロピレンを予め混合した方がより好ましい。
【0069】特に変性ポリプロピレンを適当な溶媒を用いて溶解させた溶液、乳化溶液、ケン濁溶液にし無機フィラーと混合した後、適当な方法により溶媒を除いた物が引っ張り破断伸びに優れる。
【0070】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン、無機フィラー、金属石鹸、必要に応じてフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光剤等をリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等により混合した後、バンバリーミキサー、熱ロール、押出機、コニーダー等の装置に溶融混練しペレット状にした後、射出成形する方法等で加工することができる。また、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光剤、金属石鹸が5〜30wt%含まれるマスターバッチを製造し射出成形時に適当量通常のペレットに混ぜて射出成形する方法も可能である。
【0071】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレンの添加剤として通常使用される金属石鹸であるステアリン酸カルシウムに比べて亜鉛の金属石鹸を用いる事により流動製が向上する。樹脂の分子量を低下させて流動性を改良させる方法に比べ、剛性、耐熱性の低下が生じない。また、常温のIzod衝撃強さ及び低温脆化温度のいずれも優れる。したがって、成形品の薄肉化による剛性不足、衝撃不足、耐熱性不足が生じ難く、自動車の外装品、内装品を肉薄化し、材料費の低減、成形サイクルの圧縮、製品の軽量化に優れた材料である。また、ポリプロピレンの添加剤として通常、酸化防止剤を添加するがフェノール系の酸化防止剤を用いた場合に本発明の流動性改良効果が得られ、リン系等の酸化防止剤を用いても流動性改良は無い。さらに、ポリプロピレンの耐候性を補う目的でヒンダードアミン系の耐光剤を添加するが、この不純物が本発明の必要要素であるフェノール系の酸化防止剤の不純物と反応して黄色、ピンクに変色する問題点があるが、これを解決する為、アミン基の水素がアルキル基で置換されたヒンダードアミン系の耐光剤を用いる事により問題点を解決出来る。
【0072】また、本発明で使用する金属石鹸とヒンダードアミンとの反応物の浮きだし物が生成するのを防止する為にもアミン基がアルキル基で置換されたヒンダードアミン系の耐光剤が必要であり、該ヒンダードアミンの使用は通常のヒンダードアミン系の耐光剤と金属石鹸を用いて流動性を改良した場合に発生する問題点を、完全に解決したポリプロピレン樹脂組成物となる。
【0073】
【実施例】以下実施例により詳細に説明する。樹脂組成物の評価方法を次に示す。
(1)メルトインデックスは、ASTM D−1238法により測定した。
(2)曲げ弾性率はASTM D−790(曲げ速度2mm/min)法により測定した。
(3)引張破断伸びはASTM D−638−90(引張速度10mm/min)により測定した。
(4)加熱変形温度は、ASTM D−648法( 荷重18.6kg/cm2 )により測定した。
(5)Izod衝撃強さは23℃におけるIzod衝撃強さをASTM D−256法により測定した。
(6)色変え性は、材料100重量部に3重量部の顔料マスターバッチを添加し、長さが221mm、幅が19mm、厚みが3mmの引張試験片を射出成形方法により成形した後、バージン材で成形を行い、完全に色が消えるまでの射出回数とした。
(7)低温脆化温度は厚み2mm,巾6mm,長さ40mmの試験片を用い測定した。
(8)浮きだし性は、成形品を室温中に3ヵ月保管した後、成形品表面を観察し判定した。
(9)無機フィラーの平均粒径は、セイシン企業(株)製 SKC−2000を用い、光透過式粒度測定により測定した。
(10)Mw/Mnは、135℃、0.2wt% 1,2,4−トリクロロベンゼン溶液でポリスチレンを基準とし、ウオーターズ社GPC150CXを用いて測定した。
【0074】実施例1〜4
重合方法の例を表1に示したPP−1の場合について説明する。
プロピレンエチレンブロック共重合体の製造方法(1)
容積250リットルのSUS製オートクレーブに窒素気流中でヘプタン100リットルを装入しプロピレンで重合系内を置換した。一方別のガラス容器にヘプタン、塩化マグネシウムにフタル酸ジエチルを添加粉砕して得た粉砕物を四塩化チタンで熱処理したあと洗浄して得た担持触媒成分、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルメチルジメトキシシランよりなる触媒を準備し、これをオートクレーブに装入し、温度を75℃、圧力を5kg/cm2Gの条件で4時間重合を行った。その間、水素を調節して生成ポリプロピレンの〔η〕約1になるように水素分圧を調製した。以上によってプロピレンホモ重合部が生成した。
【0075】次いでオートクレーブ内を真空ポンプで減圧にして残存するプロピレンと水素を除去し、重合温度55℃、重合圧力2kg/cm2Gの条件で、共重合部での生成共重合体のエチレン(EL)/プロピレン(PL)が1(wt)で〔η〕が約9になるように気相のEL、PL、水素の分圧を調節して2時間重合を行った。なお共重合部での生成ポリマーの割合が全ポリマーに対して約15wt%になることを目標に重合を行った。PP−1の実際の重合結果を表1に示す。上記重合でのプロピレンホモ重合部で水素濃度、プロピレンエチレン共重合部でのEL/PL比と水素濃度を変化させて重合を行い表1記載のPP−1〜PP−6、PP−8のブロック共重合体を得た。
【0076】プロピレンエチレンブロック共重合体の製造方法(2)
PP−7は触媒として四塩化チタンをジエチルアルミニウムモノクロライドで還元して得られた三塩化チタンをイソアミルエーテルと四塩化チタンで活性化して得られたいわゆるソルベイ触媒成分とジエチルアルミニウムモノクロライド及び安息香酸メチルよりなる触媒を使用し、ポロピレンホモ重合部での重合温度を70℃とする以外は上記方法に準じて重合を行った。
【0077】共重合部量とホモ部の組成が表−1のプロピレンエチレンブロック共重合体PP−1,PP−2をそれぞれ45重量部、無機フィラーとしてタルク" LMS00”(富士タルク(株)製)10重量部、熱安定剤として”アイオノール”0.05重量部、”イルガノックス1010”を0.1重量部添加し、ステアリン酸亜鉛を0.3、0.5、1.0、1.5重量部添加しヘンシェルミキサーで混合した後、36mmニーデングデスク付二軸押出機にて220℃、15kg/hrの 押出条件で押出しペレットを得、型締圧100トンの射出成形機にて、物性測定用の試験片を得た。表2に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ引張破断伸び、低温脆化温度を示す。
【0078】各表において、MIZn /MICaはステアリン酸カルシウムを使用した組成物のメルトインデックスに対するステアリン酸亜鉛を用いた組成物のメルトインデックスの比を示す。
【0079】実施例5
実施例2に高級脂肪酸エステルとしてグリセリンモノステアレートを0.5重量部加えた以外は、実施例2と同様にしてペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表2に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。23℃Izod衝撃強さが実施例2より優れていた。
【0080】比較例1〜4
ステアリン酸亜鉛の代わりに同量のステアリン酸カルシウムを添加した以外は、実施例1〜4と同様のポリプロピレン、タルク、熱安定剤を用いペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表3に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。実施例1〜4に比べメルトインデックス(MI)、曲げ弾性率が劣っていた。
【0081】実施例6〜8
ホモ部と共重合部が表1に記載のプロピレンエチレンブロック共重合体PP−3,PP−4をそれぞれ用いた以外は、実施例5と同様にタルク、熱安定剤を用い、ペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表4に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。
【0082】比較例5〜7
ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸カルシウムを使用した以外は、実施例6〜8と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表4及び5に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。実施例9〜11と比べてメルトインデックス、曲げ弾性率が、低かった。
【0083】比較例8〜10
ホモ部と共重合部が表3に記載のプロピレンエチレンブロック共重合体PP−5,PP−6,PP−7をそれぞれ用いた以外は、実施例5〜7と同様にタルク、熱安定剤を用い、ペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表5に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。実施例6に比べ共重合部の〔η〕差が無い場合、低温脆化温度、Izod衝撃強さが劣った。共重合部の〔η〕が非常に高いものを用いると共重合部がホモ部のマトリクス相への分散が悪く成形品表面にブツが見られた。また低温脆化温度、Izodも劣った。
【0084】実施例9,10
多段ブロック共重合体の製造方法
表6に示すPP−9〜12及び14は実施例1で記載プロピレンエチレンブロック共重合体の製造方法(1)に準じて共重合部の重合条件を異なるポリマーが生成させるように2段階に分けて重合した。
【0085】またPP−13は実施例1で記載プロピレンエチレンブロック共重合体の製造方法(2)に準じて共重合部の重合条件を異なるポリマーが生成させるように2段階に分けて重合した。
【0086】プロピレンエチレンブロック共重合体PP−9,PP−10を用いブレンドした以外は、実施例5と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表7に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。
【0087】比較例11,12
ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸カルシウムを用いた以外は、実施例9,10と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表7に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、成形収縮率、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。実施例9と比べ曲げ弾性率、メルトインデックスが低かった。
【0088】実施例11
表6に示す様に共重合部を2段回に分けて重合したプロピレンエチレンブロック共重合体PP−9,PP−11を用いプロピレンエチレンエラストマー”ビスタロン878P”(エクソン化学(株)製、ムーニー粘度 100 、プロピレ ン量50wt%)を実施例5と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表7に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。
【0089】比較例13
ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸カルシウムを添加した以外は、実施例11と同様にペレット化し、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表8に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、低温脆化温度を示す。実施例11に比べメルトインデックスが低かった。
【0090】実施例12
表6に示す様に共重合部が2段回の重合であり第1段目と第2段目の共重合部〔η〕に差を付けたプロピレンエチレンブロック共重合体PP−13を用いた以外は実施例9と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表8に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。
【0091】比較例14
ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸カルシウムを用いた以外は、実施例12と同様にしてペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表8に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、加熱変形温度、23℃Izod衝撃強さ、引張破断伸び、低温脆化温度を示す。実施例12に比べてメルトインデックス(MI)、曲げ弾性率が劣った。
実施例13−14
ホモ部の分子量分布(Mw/Mn)が8.0、共重合部のエチレン/プロピレン比が2/1(wt)で共重合部量が15wt%でメルトインデックスが20g/10minのエチレンプロピレンブロック共重合体パウダー(PP−9)100重量部、無機フィラーとしてタルク" JA13R" (浅田製粉 (株) 製)10重量部、フェノール系の酸化防止剤として ”アイオノール”(シェル化学製)0.05重量部、”イルガノックス1010”(チバガイギ製)を0.2重量部、アミン基がメチル基で置換されたヒンダードフェノール系耐光剤”アデカスタブLA−52”(旭電化工業(株)製)0.2重量部、金属石鹸としてステアリン酸亜鉛またはオレイン酸亜鉛を0.5重量部添加しヘンシェルミキサーで混合した後、36mmニーデングデスク付二軸押出機にて22℃、15kg/hrの押出条件で押出しペレットを得、型締圧100トンの射出成形機にて、物性測定用の試験片を得た。表9に、に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さおよび色変え性、浮きだし性を示す。ステアリン酸亜鉛またはオレイン酸亜鉛を添加することによりメルトインデックスが大きく、曲げ弾性率の向上も認められた。
【0092】実施例 15
フェノール系酸化防止剤として”アイオノール”の替わりにエタノックス330”(エチルコーポーレーション製)を0.1重量部添加した以外は実施例13と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表9に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。
【0093】実施例 16
フェノール系酸化防止剤としてアイオノールの替わりに”エタノックス330”(エチルコーポーレーション製)を0.5、高級脂肪酸エステルとしてグリセリンモノステアレートを0.5重量部添加した以外は実施例13と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表9に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。特に、色変え性が優れていた。
【0094】比較例 15
金属石鹸としてステアリン酸亜鉛の替わりにの替わりにステアリン酸カルシウムを0.5重量部添加した以外は実施例13と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表10に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。浮きだし物が観察され、MI、Izod衝撃強さ、曲げ弾性率、加熱変形温度に劣った。また、色変え性も実施例13と比べて劣った。
【0095】比較例 16
ステアリン酸カルシウムを0.1重量部添加した以外は比較例17と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表10に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。浮きだし物は観察されなかったが、引張破伸び、色変え性が更に劣った。また、比較例17と比べMIの差は殆ど無く、ステアリン酸カルシウムの添加によりMIの向上が見られない事が観察される。
【0096】比較例 17
酸化防止剤として”アイオノール”、”イルガノックス1010の替わりにリン系酸化防止剤”イルガノックス168”(チバガイギ製)を0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表10に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。特に、MIが実施例13に比べ低かった。
【0097】比較例 18
NH基を有するヒンダードアミン系耐光剤として”アデカスタブLA−57”(旭電化工業(株)製)0.2重量部添加した以外は実施例1と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表10に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。浮きだし物が観察され浮きだし性に問題があった。
【0098】実施例17−19
ホモ部の分子量分布(Mw/Mn)が9.0、共重合部のエチレン/プロピレン比が1.5/1(wt)で共重合部量が18wt%でメルトインデックスが23g/10minのエチレンプロピレンブロック共重合体パウダー(PP−10)100重量部に、無機フィラーとしてタルク" LMS−300" (富士タルク (株) 製) 5,30,80重量部、フェノール系の酸化防止剤として ”イルガノックス1010”(チバガイギ製)を0.2重量部、アミン基の水素がメチル基で置換されたヒンダードアミン系耐光剤”アデカスタブLA−52”(旭電化工業(株)製)0.2重量部、金属石鹸としてステアリン酸亜鉛0.5重量部,グリセリンモノステアレートを0.5重量部添加した実施例1と同様にペレット化し成形し、物性測定用の試験片を得、物性を測定した。表11に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。
【0099】比較例19−20
エチレンプロピレンブロック共重合体パウダー(PP−10)100重量部に、タルクを200、0重量部使用した以外は、実施例17と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表11に樹脂と無機フィラーの配合比、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。タルク200重量部使用したものは極めてMIが低く流動性に問題があった。また、タルクを添加しないものは実施例17に比べてMIが低く無機フィラーが存在しない系では流動改良効果が無い事が認められた。
【0100】実施例20
ポリプロピレンとしてホモ部の分子量分布(Mw/Mn)が11、共重合部のエチレン/プロピレン比が1.5/1(wt)で共重合部量が18wt%でメルトインデックスが13g/10minのエチレンプロピレンブロック共重合体パウダー(PP−11)を使用し、無水マレイン酸でグラフトしたポリプロピレン(Mw 10000 無水マレイン酸 10%)をテトラリンに溶解し、実施例18で使用したタルクと混合した後、テトラリンを完全に気化し除き処理タルクを得た(変性ポリプロピレン量 0.1wt%)。このタルクを使用した以外は実施例6と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表12に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。実施例18に比べて引張破断伸びが優れていた。
【0101】実施例21
無水マレイン酸の替わりにアクリル酸を使用した以外(変性ポリプロピレン量0.1wt%は実施例20と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表12に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。実施例20に比べて引張破断伸びが優れていた。
【0102】比較例 21
無水マレイン酸変性ホリプロピレン量が2.0wt%の処理タルクを使用した以外は実施例20と同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表12に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。実施例18に比べMIが低く、引張破断伸びも劣った。
【0103】実施例 22
ポリプロピレンとしてホモ部の分子量分布(Mw/Mn)が6、共重合部のエチレン/プロピレン比が1.5/1(wt)で共重合部量が15wt%でメルトインデックスが24g/10minのエチレンプロピレンブロック共重合体パウダー(PP−12)を100重量部、実施例8と同様なタルクを30重量部、後添加ゴムとしてエチレンブテン共重合体”EBM 1021P”(ブテン量 16wt%,MI 30g/10min 日本合成ゴム(株)製)を14重量部使用した以外は、実施例20と同様に同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表13に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。
【0104】実施例 23
タルクを15重量部、硫酸マグネシウムウイスカ”モスハイジ”(宇部興産(株)製)15重量部とした以外は実施例10と同様に同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表13に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。実施例22に比べて、Izod衝撃強さ、曲げ弾性率が更に優れていた。
【0105】比較例22
イオウ系酸化防止剤としてジステアリルチオプロピオネートを0.3重量部追加した以外は実施例23と同様に同様にペレット化、成形し機械物性測定用の試験片を得た。表13に樹脂と無機フィラーの配合比、混合後の変性ポリプロピレン量、メルトインデックス(MI)、曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性を示す。実施例22に比べて曲げ弾性率、引張破断伸び、加熱変形温度、Izod衝撃強さ、色変え性、浮きだし性は、あまり差がなかったが、MIが劣りイオウ系酸化防止剤の添加が金属石鹸による流動性向上効果を阻害する事が認められた。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【0108】
【表3】

【0109】
【表4】

【0110】
【表5】

【0111】
【表6】

【0112】
【表7】

【0113】
【表8】

【0114】
【表9】

【0115】
【表10】

【0116】
【表11】

【0117】
【表12】

【0118】
【表13】

【0119】
【発明の効果】本組成物は流動性が向上し、衝撃強さ、剛性、耐熱性の低下が生じない。したがって、成形品の薄肉化による剛性不足、衝撃不足、耐熱性不足が生じ難く、自動車の外装品、内装品を肉薄化し、材料費の低減、成形サイクルの圧縮、製品の軽量化に優れる。