書誌情報
要約
特許請求の範囲
発明の詳細な説明
図面の簡単な説明
図面
《表紙》
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平7−169100
(43)【公開日】平成7年(1995)7月4日
(54)【発明の名称】光情報記録媒体
(51)【国際特許分類第6版】
G11B 7/24 537 E 7215-5D
J 7215-5D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願平6−247882
(22)【出願日】平成6年(1994)10月13日
(31)【優先権主張番号】特願平5−259547
(32)【優先日】平5(1993)10月18日
(33)【優先権主張国】日本(JP)
(71)【出願人】
【識別番号】000003126
【氏名又は名称】三井東圧化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区霞が関三丁目2番5号
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐子
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 純夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】相原 伸
【住所又は居所】神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井東圧化学株式会社内
(57)【要約】
【構成】 透明基板上に記録層と金属反射層、保護層を順次積層してなる光記録媒体に於いて、保護層、またはその上に一層または二層以上積層された層の最上層が吸水性および/または吸油性のある有機および/または無機フィラーを含有したUV硬化樹脂からなる光記録媒体。
【効果】 水性インクまたは油性インクにより効果的に印刷できる光記録媒体が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明基板上に記録層、金属反射層、1層または2層以上の保護層を順次積層してなる光記録媒体に於て、表面に露出している保護層が吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該保護層表面を印刷可能に構成したことを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】 透明基板上に記録層、金属反射層、1層または2層以上の保護層を順次積層してなる光記録媒体に於て、表面に露出している保護層が吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなる請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が
a)親水性ポリマー1〜80重量部、
b)親水性モノマー20〜98重量部、
c)共重合可能モノマー0〜40重量部、および
d)ラジカル開始剤0.1〜10重量部
からなる硬化性組成物とフィラーとの混練物をUV硬化せしめて得られたものである請求項1または2記載の光記録媒体。
【請求項4】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が
a)親水性ポリマー10〜70重量部、
b)親水性モノマー50〜90重量部、
c)共重合可能モノマー1〜20重量部、および
d)ラジカル開始剤1〜8重量部
からなる硬化性組成物とフィラーとの混練物をUV硬化せしめて得られたものである請求項3記載の光記録媒体。
【請求項5】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層に含まれる有機フィラーがリグニン、プロテイン、セルロースのうち少なくとも1つである請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項6】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層に含まれる無機フィラーが合成シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含む請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項7】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層がUV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が1〜80重量部とからなる請求項1〜6のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項8】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる層が、UV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し、有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が5〜50重量部とからなる請求項7記載の光記録媒体。
【請求項9】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層がスクリーン印刷、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法またはロールコート法によって形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項10】 前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が保護層を形成後UV光をあてて硬化して得られるものである請求項1〜9のいずれかに記載の光記録媒体。
【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の光記録媒体の前記表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層表面にインクを付着させて固定することによって印刷する光記録媒体の表面印刷方法。
【請求項12】 インクが水性のものである請求項11記載の印刷方法。
【請求項13】 前記請求項11記載の光記録媒体の表面印刷方法において、インクがインクジェットプリンター、昇華型プリンター、熱転写型プリンターによって表面に露出している保護層に付着される光記録媒体の表面印刷方法。
【請求項14】 吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーと請求項3または4記載のUV硬化性組成物からなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インク。
【請求項15】 前記請求項14記載において、UV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し、吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が1〜80重量部とからなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インク。
【請求項16】 前記請求項15記載において、UV硬化樹脂と、UV硬化樹脂100重量部に対し、吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が5〜50重量部とからなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インク。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光記録媒体、特に表面に筆記用具やインクジェットプリンターや昇華型プリンターで書き込みができる媒体、特に光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在広く一般に普及しているコンパクトディスク(CD)やレーザーディスク(LD)のような再生専用型の光記録媒体は通常スタンパーと呼ばれる原盤を基にして射出成形法によって情報を持つ基板を製造する。この方法では同じ情報を持つ媒体を安価にかつ大量に製造することが可能であるが、スタンパーが非常に高価なため少量の媒体を作製するには向いていない。また近年の情報化社会の進展にともない、磁気記録媒体よりも高密度記録が切望されてきた。そこで少量の媒体を作製するため、あるいは利用者が自由にデータを記録、保存を行うための光記録媒体が開発されてきている。
【0003】光記録媒体には情報の記録及び再生が可能な追記型と、記録後データの消去が可能な書換型の二種類に分けられる。そのなかで単板構造の追記型コンパクトディスクはCD−Rと呼ばれ、通常の再生専用CDと互換性を持つことから徐々に利用者が増えてきている。このCD−Rは、データの入っていない媒体を購入した後利用者がそれぞれその利用者固有の種々の情報やデータを書き込ので使用する。そのため該媒体には、どんな情報が記録されているかを何等かの方法で、一見してわかるようにしておくことが好ましい。
【0004】一般的に、書き込んだ情報のタイトル等を表示する方法には、油性フエルトペンで表面に手で書く方法が取られるが、CD−Rにデータを入れた後に末端ユーザーに媒体を販売する場合には、見栄えの点から手書きはあまり好まれない。一方フロッピーディスクのように、紙やフィルムのラベルを貼る方法はプリンターできれいにデザインされた文字や絵をプリントできる利点があるが、ディスク全面に文字を入れたい場合大きい面積のドーナツ型のラベルを用いる必要があり、位置を合わせて貼るのは非常に難しい。また、はがれかかった場合装置内で剥離し引っかかる恐れがあると云う欠点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの用途から、媒体の光入射面と反対側に親水性のコート層を施し、直接油性ペンや水性ペン、各種プリンター、特に溶剤を含むインクを用いているインクジェットプリンター等で書き込む方法が考えられる。ちなみに、すでに市販されているインクジェットプリンター用のOHPシート等は、塗膜の樹脂層に親水性のポリマーを含有させて水性インクを定着出来るように加工されている。さらにまた、充填剤や無機フィラーを表面層中に分散せしめることにより、表面を微細な粗面として、印刷特性を上げている。
【0006】しかしながら、前記の方法は、基本的に、溶剤に親水性ポリマーを溶解しているため、塗布後長時間の乾燥工程を必要とする。CD−Rは一般に使用されているCDと同じく、ごく短いタクトタイムで製造されているため、長い加熱乾燥を必要とすることは煩雑であり好ましくない。また、タクトタイムを短くする為には規模の大きい装置を用意しなければならない。
【0007】それにもまして問題であるのは、そもそも親水性ポリマーを溶剤に溶解して使用するために、使用した溶剤、特に水やアルコール類に対しての耐溶剤性が極めて低いことである。このため、誤って、媒体の表面を水で濡らした場合、表面の塗膜に容易にダメージを与えてしまい十分な特性が得られなくなってしまう。また、高湿度環境に保存した場合、印刷特性が急激に低下して仕舞う。それらに加えて、大きな問題であるのは、有機溶剤を用いた場合、溶剤を乾燥して除く方法は作業環境や大気の汚染問題の点から、避けなければならないことである。そのため、無溶剤系UV硬化樹脂で成膜をすることがきわめて望ましいことを本発明者らは見いだしたのである。しかしながら、通常のUV硬化樹脂で樹脂層を形成すると、ある程度の硬度を有する塗膜にした場合、ペンやインクジェットプリンターのインクを吸収せずはじいてしまうと云う問題があるのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、記録層や金属反射層を保護している樹脂層上、あるいはさらにその保護層表面を覆う耐スクラッチ層上に設けた層の組成が大きく影響していることを見いだし本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、透明基板上に記録層、金属反射層、1層または2層以上の保護層を順次積層してなる光記録媒体に於て、表面に露出している保護層が吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該保護層表面を印刷可能に構成したことを特徴とする光記録媒体であり、また、透明基板上に記録層、金属反射層、1層または2層以上の保護層を順次積層してなる光記録媒体に於て、表面に露出している保護層が吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなる光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が
a)親水性ポリマー1〜80重量部、
b)親水性モノマー20〜98重量部、
c)共重合可能モノマー0〜40重量部、および
d)ラジカル開始剤0.1〜10重量部
からなる硬化性組成物とフィラーとの混練物をUV硬化せしめて得られたものである光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が
a)親水性ポリマー10〜70重量部、
b)親水性モノマー50〜90重量部、
c)共重合可能モノマー1〜20重量部、および
d)ラジカル開始剤1〜8重量部
からなる硬化性組成物とフィラーとの混練物をUV硬化せしめて得られたものである光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層に含まれる有機フィラーがリグニン、プロテイン、セルロースのうち少なくとも1つである光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層に含まれる無機フィラーが合成シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムのうち少なくとも1つを含む光記録媒体であり、また前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層がUV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が1〜80重量部とからなる光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる層が、UV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し、有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が5〜50重量部とからなる光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層がスクリーン印刷、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法またはロールコート法によって形成されている光記録媒体であり、また、前記の表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層が保護層を形成後UV光をあてて硬化して得られるものである光記録媒体である。
【0009】また、本発明は、上記光記録媒体の前記表面に露出しているUV硬化樹脂からなる保護層表面にインクを付着させて固定することによって印刷する光記録媒体の表面印刷方法であり、また、該印刷方法において、インクが水性のものである印刷方法であり、また、光記録媒体の表面印刷方法において、インクがインクジェットプリンター、昇華型プリンター、熱転写型プリンターによって表面に露出している保護層に付着される光記録媒体の表面印刷方法である。
【0010】また、本発明は、吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーと上記UV硬化性組成物からなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インクであり、また、UV硬化樹脂と、該UV硬化樹脂100重量部に対し、吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が1〜80重量部とからなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インクであり、また、UV硬化樹脂と、UV硬化樹脂100重量部に対し、吸水性および/または吸油性を有する有機フィラーおよび/または無機フィラーの合計が5〜50重量部とからなる印刷可能な保護層を形成するに適したUV硬化型インクである。
【0011】本発明にいう「印刷可能」とは、各種筆記用具による筆記や、各種プリンターでの印字が可能であることを云う。本発明の光記録媒体の構成は図1に示すように、透明基板1、記録層2、金属反射層3、保護層4からなり、特性を向上させるために下地層やさらに保護層5を積層させても良い。
【0012】本発明において用いられる基板は光によって記録再生を行うため透明ならばいかなる材質でも使用できる。例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン等の高分子材料、ガラスなどの無機材料等を用いることができる。特に光の透過性が高く、かつ光学的異方性の小さいものが望ましいためポリカーボネート系樹脂がより好ましい。これらの基板表面には記録位置を表す案内溝やピット、一部再生専用の情報等のためのピットを有していても良い。これらの溝やピット等は射出成形や注型によって基板を作る際に付与するのが通常とられる方法であるが、レーザーカッティング法や2P法(Photo−Polymer法)により作製しても良い。
【0013】本発明に用いられる記録層は、レーザー光を照射することにより記録できなければならない。この記録層は無機物質によるものと有機物質によるものとに分けられる。無機記録層には光熱磁気効果により記録を行うTb・Fe・CoやDy・Fe・Co等の希土類遷移金属合金が使われる。また、相変化をするGe・Te、Ge・Sb・Teのようなカルコゲン系合金を含むものが用いられる。有機物質による記録層の場合は、主に有機色素が使われる。用いられる色素は複数の色素の混合物でも良い。また、光吸収性物質以外のものを添加しても良いのである。
【0014】この記録層に用いられる色素の具体例としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等)、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、アゾ系色素、インドアニリン系色素等である。このうち、高い耐久性、耐光性を持つフタロシアニン系が特に望ましい。前記の色素を含有する記録層は通常スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート等の塗布方法で成膜する事が可能である。このとき色素やその他の記録層を形成する物質を基板にダメージを与えない溶剤に溶かし塗布後乾燥する。用いられる溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族や脂環式炭化水素系、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ等のアルコール系、1,2−ジクロロエタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等のの極性溶剤が用いることができる。これらの溶剤は単独で用いても良いし、また混合しても良いのである。
【0015】なお、記録層を形成する方法として、真空蒸着法を用いても良い。この方法は記録層物質が溶剤に溶けにくい場合や基板にダメージを与えない溶剤が選択できない場合に有効である。記録層と基板の間に記録層劣化防止等の目的で各種下地層を設けても良い。例えば、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル等の有機物、SiO2等の無機物質からなる層を用いることが可能である。これらは単独で用いても良いし混合しても良い。また、2種類以上を積層して使用しても構わない。
【0016】上記の記録層上にAu、Al、Pt、Ag、Ni等の金属やその合金を用いて金属反射層を形成する。特に酸素や水分に安定な金を用いることが望ましい。反射層は蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法によって成膜される。この金属反射層と記録層の間に層間の密着力を向上させるため、または反射率を上げるため等の目的で中間層を設けても良い。
【0017】上記の反射層上にさらに保護層を設ける。保護層を形成する樹脂としては、例えばアクリレート系やメタクリレート系の一般的なラジカル反応で重合するもの、エポキシ系のように光でカチオン重合を行うもの等がある。これらの樹脂は単独で重合させても良いしモノマー、オリゴマーを混合させても良い。また、溶剤で希釈して塗布する事も可能である。その中でも作業性の点からUV硬化型が望ましい。保護層を形成する場合、スピンコート、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷等の方法で行われるが、作業性の面からスピンコート法がとられる場合が多い。これらの膜厚は1μmから100μmの膜厚で使われるが、1〜20μmが望ましい。このように形成された保護層によって記録層や反射層を保護しているが、使用状況等によってさらに強い保護層が必要な場合がある。その際上記の保護層の上にUV硬化樹脂や熱硬化樹脂、含溶剤ポリマーのような有機物、SiO2のような無機物を用いることができる。これらは単独で用いても良いし、混合しても良い。さらに他の層との密着性を向上させる等の目的で2種類以上の膜を重ねて使用しても良い。
【0018】媒体にデータを記録した後、その記録した内容を、媒体表面に記入するが、通常、上記の保護層表面に文字を書き込む時、油性のペンや水性のペンを用いても、容易にはじいてしまう。また、最近使われているインクジェットプリンターの様に溶剤に染料や顔料が混ざっているインクで書き込む場合も、乾燥しなかったり文字がにじんだりはじいたりする。本発明においては、表面に露出している保護層を形成する樹脂の中に、吸水性および/または吸油性のある有機フィラー、無機フィラー、または有機フィラーと無機フィラーを混合したものを添加することでペンやプリンターのインクの溶剤を吸収するため乾燥速度が増す。通常のUV硬化型樹脂とフィラーを混練して得られたUV硬化型インクの場合、フィラーは塗膜表面の凹凸形成、粘度調整、塗膜強度向上、色調調整等の目的で添加されるため、必ずしも吸水性および/または吸油性を有するフィラーを用いているとは限らないことを我々は見いだした。これに対して、本発明においては、吸水性および/または吸油性フィラーを用いることで樹脂層表面に印刷したペンやプリンターのインクを吸収し定着する(インクを付着させ溶媒を乾燥させる等して固定する )ことを第一の目的としている。
【0019】本発明で使用する有機フィラーの具体例としては、アクリル樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、変性メラミン樹脂微粒子、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ゴム等の微粒子、またはこれらポリマーの架橋微粒子、さらにリグニン、プロテイン、セルロースの粉末等が挙げられる。この際油性ペンや水性ペンのインクがはじかないようにするため、添加するフィラーは吸水性や吸油性の高いものが必要である。この点からはリグニン、プロテイン、セルロースの粉末が好ましい。インクジェットプリンターのインクのように乾きにくい溶剤を含む場合は特に効果的である。
【0020】無機フィラーの具体例としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、珪藻土シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。シリカフィラーは破砕によって製造されたもの場合吸水性、または吸油性が低いため十分な効果が得られない。しかしながら、細かい一次粒子が集まって二次粒子を形成している合成シリカ等の場合、その二次粒子の隙間に油性ペンや水性ペンの溶剤が染み込むため効果的に使用できるのである。
【0021】無機フィラーの場合、吸油量が測定されていることが多い。一般的にJISK5101法に準じフィラー100g当りに吸収されるアマニ油の量で表されるが、本発明のフィラーにおいては、これに準じて、5ml/100g(フィラー量)以上が望ましく、15ml/100g(フィラー量)以上が更に望ましいのである。
【0022】一方、吸水量については一般的な測定方法はないが、フィラーに水を滴下したときに、水滴がフィラーに吸い込まれるものが望ましい。けだし、表面がフッ素処理されているようなフィラーの場合、水滴はフィラーに吸収されることなく球状になる。このようなフィラーを用いると油性でも水性インクでも乾燥せずはじいてしまうからである。
【0023】本発明においては、有機フィラーや無機フィラーは単独で用いることもできるが、書き込み後の乾燥性の改善、インクの粘度調整、または色調改良のために併用することも可能である。この際両者を併用する比率は、その目的によって、適宜変更することが可能である。なお、インクの粘度調整のためにアエロジルのように増粘作用のあるフィラーを添加してもよい。また、その他目的に応じ各種添加剤を用いることが出来る。印刷時のレベリング剤や消泡剤、脱泡剤、増粘剤、タレ止め剤、沈降防止剤、顔料分散助剤、湿潤剤や分散剤等が挙げられる。
【0024】樹脂の材質はUV硬化樹脂が用いられる。この際希釈するための溶剤を用いると、硬化の前に乾燥工程を必要とし煩雑になり、さらに乾燥によって放出された有機溶剤は環境問題の点で好ましくない。UV硬化樹脂は通常無溶剤で用いられるが、通常UV硬化樹脂にフィラーを添加する場合、粘度上昇のため添加量が限られてしまう。そのために、吸水性および/または吸油性のあるフィラーを充分含ませることができないので、表面に印刷したインクの乾燥速度が遅くなり、本目的には好ましくない。
【0025】以上の如くであるから、本発明においては、この樹脂層の特性をさらに向上させるために樹脂層にさらに工夫を加えたのである。すなわち、本発明においては、この樹脂層に、1種類または2種類以上の親水性ポリマーと1種類または2種類以上の親水性モノマーと1種類または2種類以上の架橋性モノマーとラジカル開始剤を含有するUV硬化樹脂を用いることを特徴とする。
【0026】すなわち、表面に露出している層に親水性ポリマーを加えることにより、該表面に印字ないし印刷したインクを、定着しやすくする。かかる親水性ポリマーには、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等のホモポリマー及びコポリマーがある。なお、コポリマーの場合は、コポリマーとして親水性ポリマーとしての性質を奏するのであれば、親水性ポリマーと親水性ポリマーでないものとを組み合わせて使用してもよい。これは1種類加えても良いし2種類以上組み合わせて用いてもよい。多く入れれば入れるほどペンやプリンターのインクの定着がよくなるが、樹脂粘度が高くて成膜出来なくなったりポリマーが析出してしまうため樹脂組成のうち親水性ポリマーの総量が1〜80重量部になるように加える。望ましく10〜70重量部にするのがよいのである。
【0027】本発明に於いては、前記親水性ポリマーは、極性の高い親水性モノマーに溶解して使用する。親水性モノマーとしてはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートのように分子内にOH基を有するもの、またジメチル(メタ)アクリルアミドやジエチル(メタ)アクリルアミド、アクロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような極性の高いものが用いられる。単官能でも良いし2官能以上のモノマーでもよい。
【0028】これらのモノマーは、溶剤のように親水性ポリマーを均一に溶解し、さらに有機溶剤や水を多く含んだペンやインクジェットプリンターで樹脂層に文字を書き込んだ場合、にじみやはじきを抑える作用効果を奏するのである。特に親水性の高いポリマーを用いた場合は、分子内に水酸基やカルボキシル基、アミノ基等の極性の高い基を有するモノマーを用いると、親水性ポリマーがより溶解し易いのである。親水性ポリマーの溶解性を向上させるために水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類、アセトン、シクロヘキサノンの様なケトン類、ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン系等の溶媒を一部使用してもよい。樹脂組成のうち親水性モノマーの総量は20〜98重量部加える。望ましくは50〜90重量部加える。
【0029】本発明においては、これらに架橋性モノマーを加えてもよい。これらにはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、1、4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート1、6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が使われる。なお、上記の親水性モノマーがグリセリンジ(メタ)アクリレートやペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのように多官能の場合は必ずしも加える必要がない。架橋性モノマーを加えることで表面に露出している保護層の架橋密度が上がり塗膜硬度が増す。樹脂組成のうち架橋性モノマーの総量は0〜40重量部加える。望ましくは1〜20重量部加える。
【0030】UV光で硬化可能な親水性モノマーや架橋性モノマーの混合物に、親水性ポリマーを添加すると粘度が上昇する。それらの混合物にフィラーを加えればさらに粘度上昇が見られる。そのためモノマーの粘度があまり高いと、フィラー添加後非常に粘度が上がってしまい塗布できなくなってしまう。したがって本発明においては、UV硬化樹脂にはなるべく粘度の低いものを選ぶことが好ましい。
【0031】これらにラジカル開始剤を用いる。ラジカル開始剤としては1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2、2−ジエトキシアセトフェノンや4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系,2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系、2−クロロアントラキノン等のアントラキノン系、2、4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系等が挙げられる。この際加える量は樹脂分のうち、0.1〜10重量部混ぜる。望ましくは1〜8重量部である。ラジカル開始剤は1種類でもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】本発明においてフィラーは、この樹脂100重量部に対して1〜80重量部添加するが、望ましくは5〜50重量部添加する。保存安定性を考えるとディスパー等で均一に攪拌するのが望ましい。三本ロール等のロールミルで過度に混練した場合には、合成シリカのような細かい一次粒子から二次粒子を形成しているフィラーは、一次粒子へと分散されてしまい、すでに述べた二次粒子としての本来の特性が発揮できなくなってしまう。また、天然物を利用しているプロテインやセルロースのような有機フィラーの場合、もともと柔らかいため、あまり過度に混練すると、形態がつぶれてしまい、吸水性や吸油性が落ちることもありうるのからである。
【0033】この表面に露出している層( 最外層、または最外表面層 )を形成する方法は、バーコート法、ブレードコート法、エアナイフコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法があるが、表面を凹凸にする事で、筆記性を更に向上させることができる。このため、スクリーン印刷法を適用することが特に望ましい。本発明に於いては、この樹脂層を形成する際に、UV硬化樹脂に塗布性を改良するために、乾燥工程を実質的に必要としない程度であれば、溶媒を使用することもできる。なお、膜厚は、1〜100μm程度に設計されるが、ディスクの反りに対する影響を考えると、1〜20μm程度が望ましい。なお、反射層上に少なくとも一層保護層があれば、その上の保護層は、ディスク全面に設けても、または部分的に設けても良いのである。
【0034】塗布された樹脂層はUV光で硬化させるが、UV光をあてて硬化する場合、150〜2000mJ/cm2のエネルギーを与える。好ましくは250〜1000mJ/cm2 あてる。この際数秒で塗膜が硬化する。もし溶剤を用いる熱硬化型、熱乾燥型の樹脂を使った場合には、加熱時間が短くとも数分を要する。また、媒体を重ねたり傾けたりすると塗膜の不均一化、溶剤による基板の腐食、他の部分への樹脂の付着、乾燥むら等の問題が生じることがあることを考慮すれば、本発明で使用するUV硬化樹脂がもっとも望ましいのである。
【0035】なお、UV硬化樹脂は、モノマーが重合して後架橋するため、ポリマーを溶剤で溶解して塗布後乾燥する方法と異なり、耐湿試験環境において、添加している親水性ポリマーの分離、析出が少ないと云う大きな作用効果を奏する。すなわち、実際的に、湿度の高い環境において、本発明の光記録媒体を使用する可能性があるため、親水性ポリマーの分離、析出による媒体表面のべたつきや、印刷特性の劣化の無い媒体であることが強く望まれる。かかる観点からも、UV硬化樹脂が適していると言えるのである。
【0036】本発明において、硬化に用いるUVランプは、水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられるが、発生エネルギーやランプの価格から考えると高圧水銀灯、メタルハライドランプが望ましい。なお、文字を書き込んだりプリントしたりする印刷部分以外に、さらに部分的に層を重ねてもよい。例えばそれぞれの媒体で異なるタイトルやナンバーや日付等を書くところ以外の部分は共通の社名やマーク、媒体商品名や中に記録するソフト名等を表記する場合がある。そのような場合スクリーン印刷やオフセット印刷等でさらに何層か重ねてもよい。このように構成された表面に露出している保護層に書き込む場合、油性ペンや水、水溶性有機溶剤を含む水性ペン、油性スタンプ、水性スタンプを用いることができる。また、油性、または水性インクを用いたインクジェットプリンター、昇華型プリンター、熱転写型プリンターを使用することもできる。
【0037】上記のように構成される表面に露出している保護層用樹脂を形成するUV硬化型樹脂組成物とフィラーからなるインクは、印刷可能な保護層を表面に印刷するに適したUV硬化型インクとして、記録層を有する光記録媒体に使用するだけではなく、他の基材表面にも用いることが出来る。例えば光磁気ディスク、ミニディスク、フロッピーディスク、カセットテープ等の外装表面、磁気カード、光カード等の文字記入欄、各種プラスチックフィルムや紙、金属等様々な物に応用できる。
【0038】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明の実施態様はこれにより限定されるものではない。
実施例1
フタロシアニン色素0.5gをn-オクタン10mlに溶解し塗布溶液を調整した。この溶液をトラックピッチ1.6μm、溝幅0.6μm、溝深さ0.1μmのスパイラルグルーブのあるポリカーボネート製射出成形基板(外径120mm、厚さ1.2mm)上に回転数1500rpmでスピンコートし記録層を形成した。次にこの記録層上に金をスパッター法で60nmの厚さで成膜した。さらにこの反射層上に紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコート後、紫外線を照射して硬化させ3μmの保護層とした。その上にビスフェノールAエポキシアクリレート20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、N−ビニル−2−ピロリドン65重量部、ラジカル開始剤ダロキュア1173( 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン )5重量部の組成の樹脂に、プロテインを主成分とする有機フィラー(平均粒径10μm)を上記の樹脂100重量部に対し10重量部加えディスパーで混ぜた。それをスクリーン印刷により縦5cm、横3cm、膜厚20μmに印刷した。その後80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置でUV照射したところ数秒で硬化が終了した。この印刷表面に、市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、全くはじくことは無かった。また、インクジェットプリンターで文字を直接この樹脂層にプリントしたところ、にじむことなく印字できた。すなわち、本媒体の印刷特性は極めて良好である。
【0039】実施例2
実施例1と同様に記録層、反射層を形成後、ウレタンアクリレートオリゴマー40重量部、トチメチロールプロパントリアクリレート30重量部、ビニルピロリドン25重量部、( α−ヒドロキシアルキルフェノン系 )ラジカル開始剤イルガキュア1848重量部混合した樹脂に合成シリカのTOKUSIL GU(徳山曹達株式会社製、一次粒子径18〜40μm、二次粒子径約20μm)を樹脂100重量部に対して20重量部まぜディスパーで混練した。それをスクリーン印刷により反射層を完全に覆う半径18mmから11.9mmのドーナツ型に膜厚30μmで印刷した。それを80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV硬化装置で硬化した。この印刷表面に、市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、全くはじくことは無かった。また、インクジェットプリンターで文字を直接この樹脂層にプリントしたところ、にじむことなく印字できた。すなわち、本媒体の印刷特性は極めて良好である。
【0040】実施例3
実施例1のように記録層、反射層を形成後、さらにこの反射層上に紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコート後、紫外線を照射して硬化させ3μmの保護層とした。ウレタンアクリレートオリゴマー10重量部、ヒドロキシエチルアクリレート60重量部、1、4ブタンジオールジアクリレート25重量部、ラジカル開始剤ダロキュア1173 5重量部混合した樹脂100重量部に対し、粉砕したセルロース(平均粒径15μm)5重量部とホワイトカーボンのTOKUSIL GU20重量部加えディスパーで十分に混ぜた。それをスクリーン印刷により直径119mm、40mmの同心円のドーナツ形に印刷した。それをそれを80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置で硬化した。この印刷表面に、市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、全くはじくことは無かった。また、インクジェットプリンターで文字を直接この樹脂層にプリントしたところ、にじむことなく印字できた。すなわち、本媒体の印刷特性は極めて良好である。
【0041】実施例4
実施例1のように記録層、反射層を形成後、さらにこの反射層上に紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコート後、紫外線を照射して硬化させ3μmの保護層とした。ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー(7:3、50%エタノール溶液、東京化成株式会社製)10重量部、アクロイルモルホリン80重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート5重量部、ラジカル開始剤ダロキュア1173 5重量部を混ぜ合わせた樹脂に対し合成シリカのTOKUSIL GU40重量部加えディスパーで十分に混合した。それをスクリーン印刷により直径119mm、40mmの同心円のドーナツ形に印刷した。それをそれを80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置で硬化した。この印刷表面に、市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、全くはじくことは無かった。また、インクジェットプリンターで文字を直接この樹脂層にプリントしたところ、にじむことなく印字できた。すなわち、本媒体の印刷特性は極めて良好である。
【0042】実施例5
実施例1のように記録層、反射層を形成後、さらにこの反射層上に紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコート後、紫外線を照射して硬化させ3μmの保護層とした。ポリアクリルアミド15重量部、ヒドロキシアクリレート62重量部、ネオペンチルグリコールジアクリレート10重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5重量部、ラジカル開始剤ダロキュア4265(ダロキュア1173と2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイドの1:1の混合物)5重量部混ぜ合わせた。その樹脂に対しプロテインフィラー15重量部、合成シリカのTOKUSILGU5重量部、粘度調整のためにアエロジル3重量部加えディスパーで十分に混ぜた。それをスクリーン印刷により直径119mm、40mmの同心円のドーナツ形に印刷した。それをそれを80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置で硬化した。この印刷表面に、市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、全くはじくことは無かった。また、インクジェットプリンターで文字を直接この樹脂層にプリントしたところ、にじむことなく印字できた。すなわち、本媒体の印刷特性は極めて良好である。
【0043】比較例1
実施例1のように記録層、反射層を形成後、フィラーを含んでいない紫外線硬化樹脂SD−17をスピンコート後紫外線で硬化した。その後その紫外線硬化樹脂層表面に直接市販されている油性ペンと水性ペンで文字を書いたところ、油性ペンのうちいくつかはインクがはじいてしまい、文字が判読できなくなってしまった。また、水性ペンは書けなかった。
【0044】比較例2
実施例1のように記録層、反射層を形成後、同様に紫外線硬化樹脂SD−17をスピンコート後紫外線で硬化した。その上に顔料を含有する市販のCD用スクリーン印刷用紫外線硬化型インク(大日本インキ化学工業(株)製)を縦5cm、横3cm、膜厚20μmに印刷した。それを80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置で硬化した。この印刷表面に市販の油性ペンと水性ペンで文字を書き込んだところ油性ペンはインクがはじいてしまうものがあった。水性ペンは書けなかった。
【0045】比較例3
実施例1のように記録層、反射層を形成後、同様に紫外線硬化樹脂SD−17をスピンコート後紫外線で硬化した。その上にウレタンアクリレートオリゴマー10重量部、ヒドロキシエチルアクリレート60重量部、1、4ブタンジオールジアクリレート25重量部、ラジカル開始剤ダロキュア1173 5重量部混合した樹脂100重量部に対し、機械的に破砕したシリカ(平均粒径5μm)を20重量部加えた。それをスクリーン印刷により直径119mm、40mmの同心円のドーナツ形に印刷した。その後80W2灯( ベルト速度5m/minで媒体を輸送するように設定された )UV照射装置で硬化した。この印刷表面に市販の油性ペンで文字を書いたところ書き込めたが、水性ペンやインクジェットプリンターによる書き込みは溶剤や水分が乾燥せずはじきもひどかった。
【0046】比較例4
実施例1のように記録層、反射層を形成後、同様に紫外線硬化樹脂SD−17をスピンコート後紫外線で硬化したその上にポリビニルアルコール10重量部、ポリビニルピロリドン10重量部をエタノールに十分に溶解した後合成シリカのTOKUSIL GU5重量部加えた。それをスクリーン印刷により直径119mm、40mmの同心円のドーナツ形に印刷した。その後タックフリーになるまで送風乾燥機で60℃1時間乾燥しなければならなかった。この印刷表面に市販の油性ペン、水性ペン、インクジェットプリンターで書き込みができたが、耐湿熱試験80℃85%RH100時間行ったところ塗膜が水分で一部溶けてしまい均一な塗膜でなくなってしまった。以上、実施例、比較例の結果を〔表1〕に纏めて示す。なお、耐湿熱試験は、作製した光記録媒体を温度80℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽内に100時間放置して行った。
【0047】
【表1】

1、各種ペン、インクジェットプリンターによる印字試験
油性 1: 三菱マーカーA-5
油性 2: ぺんてるフエルトヘ゜ ン
水性 1:ハ゜ イロット DRAWING PEN
水性 2:ZEBRA 蛍光ペン
インクジェットプリンター:キャノン バブルジェットプリンター
結果 ○:インクがはじく事なくきれいに書ける
△:書いた部分の一部がはじいてしまう
×:はじいてしまい文字が解読できない。それに伴いインクが乾かない
2、耐湿熱試験 80℃85%RH100時間
結果 ○:筆記したインクが流れない
△:筆記したインクがにじんで読めない
×:塗膜の一部分が溶けて析出してしまう
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によって、インクがはじいたりかすれたりすること無く媒体表面に筆記用具で書き込むことのできる光記録媒体を製造できる。また、UV硬化樹脂を使用しているため作業性がよく、タクトタイムも短くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象たる光記録媒体の断面図
【符号の説明】
1 透明基板
2 記録層
3 金属反射層
4 保護層
5 保護層
【図1】
